[東京 11日 ロイター]
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 123.18/20 1.1301/05 139.22/26
午前9時現在 122.87/89 1.1308/12 138.95/99
NY午後5時 122.68/70 1.1323/25 138.91/95
午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点に比べドル高/円安の123円前半。前日の黒田ショックから一夜明けたこの日は、昨夜に引き続いて政府筋から、前日の黒田総裁発言を修正する趣旨の発言がなされ、小幅ながらもドル買戻しを誘った。
ドルは早朝一時122.63円まで下押ししたが、122円台後半では、出遅れていた国内の輸出企業からの打診買いも流入したという。ただ、「仕掛け的な買いが入っている感じではない。昨日の動きが落ち着くにはもう少し時間がかかる」(信託銀行)との声が出ていた。前日、甘利明経済財政担当大臣の火消し発言後に付けた123.35円が上値として意識されるなか、きょう午後3時までの高値は123.34円だった。
今夜は重要指標である米小売売上高の発表を控えており、良い内容となってこの水準を抜けてくれば「ドル/円の調整は一時的との雰囲気が広がりそうだ」(同)という。
<政府と日銀で円安許容姿勢にズレ>
市場参加者の間では「日銀と政府の間で円安許容姿勢にズレが生じている」(国内証券)との指摘が複数出ていた。
時系列に出来事を追えば、10日午後、黒田日銀総裁が衆院財務金融委員会で、「実質実効為替レートではかなりの円安水準になっている」、「実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と発言した。
同発言を受けドル/円は急落した。
その後10日夕刻の会見で、菅義偉官房長官が、黒田発言について「総裁自身の責任の下で発言した」と指摘し、距離を置くスタンスをみせた。
同日夜、甘利明経済財政担当相は、黒田発言について「私からは特段コメントしない」としたうえで、「あれは『黒田バズーカ』第3弾ではない。趣旨が若干、曲解されて市場に伝わったようだ」との認識を示し、ドル/円は123.35円まで反発した。
市場関係者の間では「黒田発言は、G7会議やその後否定されたがドル高に関するオバマ発言の流れの一環として出てきているのではないか。一方で、政府は、なんらかの理由で情報が遮断され、その流れを正確に把握していないのではないか」(前出の国内証券)との意見も出ている。
ダウジョーンズはこの日、政府筋を引用し、黒田総裁の発言は安倍政権の見解を表したものではない、と報じた。同発言を「慎重さにかける」ものと表現した。
同報道により、ドルは123円付近から123円台前半で強含む展開となった。
<豪ドルが上昇、NZドルは下落>
オーストラリア連邦統計局が発表した5月雇用統計が強い内容だったことを受け、豪ドルが買われた。
就業者数は前月比4万2000人増と、ロイターがまとめた市場予想の1万1000人増を大幅に上回ったほか、失業率も6.0%となり、予想の6.2%を下回った。指標発表を受け、豪ドル/米ドルは0.7711米ドル付近から一時0.7793米ドルまで上昇した。
豪ドル買い/米ドル売りのドル売りの流れが波及し、ドル/円も一時122.86円まで下押しした。
一方、NZドルは、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)が予想外の利上げを決定したことを受け下落した。RBNZは声明で、一段の金融緩和が適切になる可能性があるとの認識を示した。
ロイターがまとめたエコノミスト調査では、15人中10人が金利据え置きを予想しており、NZドル/米ドルは0.7180米ドル付近から一時0.7018米ドルまで下げ、2010年9月以来、4年9カ月ぶりの安値をつけた。 (為替マーケットチーム)
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 123.18/20 1.1301/05 139.22/26
午前9時現在 122.87/89 1.1308/12 138.95/99
NY午後5時 122.68/70 1.1323/25 138.91/95
午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点に比べドル高/円安の123円前半。前日の黒田ショックから一夜明けたこの日は、昨夜に引き続いて政府筋から、前日の黒田総裁発言を修正する趣旨の発言がなされ、小幅ながらもドル買戻しを誘った。
ドルは早朝一時122.63円まで下押ししたが、122円台後半では、出遅れていた国内の輸出企業からの打診買いも流入したという。ただ、「仕掛け的な買いが入っている感じではない。昨日の動きが落ち着くにはもう少し時間がかかる」(信託銀行)との声が出ていた。前日、甘利明経済財政担当大臣の火消し発言後に付けた123.35円が上値として意識されるなか、きょう午後3時までの高値は123.34円だった。
今夜は重要指標である米小売売上高の発表を控えており、良い内容となってこの水準を抜けてくれば「ドル/円の調整は一時的との雰囲気が広がりそうだ」(同)という。
<政府と日銀で円安許容姿勢にズレ>
市場参加者の間では「日銀と政府の間で円安許容姿勢にズレが生じている」(国内証券)との指摘が複数出ていた。
時系列に出来事を追えば、10日午後、黒田日銀総裁が衆院財務金融委員会で、「実質実効為替レートではかなりの円安水準になっている」、「実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と発言した。
同発言を受けドル/円は急落した。
その後10日夕刻の会見で、菅義偉官房長官が、黒田発言について「総裁自身の責任の下で発言した」と指摘し、距離を置くスタンスをみせた。
同日夜、甘利明経済財政担当相は、黒田発言について「私からは特段コメントしない」としたうえで、「あれは『黒田バズーカ』第3弾ではない。趣旨が若干、曲解されて市場に伝わったようだ」との認識を示し、ドル/円は123.35円まで反発した。
市場関係者の間では「黒田発言は、G7会議やその後否定されたがドル高に関するオバマ発言の流れの一環として出てきているのではないか。一方で、政府は、なんらかの理由で情報が遮断され、その流れを正確に把握していないのではないか」(前出の国内証券)との意見も出ている。
ダウジョーンズはこの日、政府筋を引用し、黒田総裁の発言は安倍政権の見解を表したものではない、と報じた。同発言を「慎重さにかける」ものと表現した。
同報道により、ドルは123円付近から123円台前半で強含む展開となった。
<豪ドルが上昇、NZドルは下落>
オーストラリア連邦統計局が発表した5月雇用統計が強い内容だったことを受け、豪ドルが買われた。
就業者数は前月比4万2000人増と、ロイターがまとめた市場予想の1万1000人増を大幅に上回ったほか、失業率も6.0%となり、予想の6.2%を下回った。指標発表を受け、豪ドル/米ドルは0.7711米ドル付近から一時0.7793米ドルまで上昇した。
豪ドル買い/米ドル売りのドル売りの流れが波及し、ドル/円も一時122.86円まで下押しした。
一方、NZドルは、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)が予想外の利上げを決定したことを受け下落した。RBNZは声明で、一段の金融緩和が適切になる可能性があるとの認識を示した。
ロイターがまとめたエコノミスト調査では、15人中10人が金利据え置きを予想しており、NZドル/米ドルは0.7180米ドル付近から一時0.7018米ドルまで下げ、2010年9月以来、4年9カ月ぶりの安値をつけた。 (為替マーケットチーム)