〔14.12.23.日経新聞:投資情報面〕
プラント大手の千代田化工建設は、2016年3月期に売上高総利益率を15年3月期予想比で1ポイント向上させ、10%に引き上げる見通しだ。上昇するのは4期ぶりになる。北米やロシアなどで受注した大型液化天然ガス(LNG)プラントの建設工事が本格化し利益率を押し上げる。急速に進んだ原油安が業績に与える影響については限定的だとみている。
渋谷省吾社長が見通しを示した。機関投資家などはプラント会社の業績を判断する際に売上高総利益率を重視している。売上高から原材料費などを引いた利益で、工事の採算性を示す指標だ。
千代建の売上高総利益率は12年3月期に15.3%に上昇してから3期連続で低下している。受注の大型化に伴い、決まった受注額で一括請負する代わりに費用削減額が利益となる契約方式が減って、発生するコストを受注額に加算する契約が増えているためだ。総利益率の低下が株価低迷の要因の一つとされてきた。
16年3月期に4期ぶりに上向くのは受注済みの大型LNGプラントが収益に貢献するためだ。渋谷社長は「ロシアのヤマル、米国のフリーポート、キャメロンが3本柱として来期以降、収益を押しあげる」とみる。9月末時点の受注残高は1兆4522億円と過去最高水準。渋谷社長は「粗利益率(売上高総利益率)で10%は確保しなければいけない」と述べた。
15年3月期の業績は売上高が前期比4%増の4650億円で、純利益は0.4%増の135億円とほぼ横ばいを見込んでいる。足元で進んでいる工事の進捗状況が順調なら、増収率が高まる可能性があり、最終増益も確保できそうだ。
一方で原油安について渋谷社長は「進行中のLNG案件への影響はほとんどない」と話す。受注済みのLNG案件は建設するまでに5年前後かかるものが多く、当面の業績への影響は限定的との見方を強調した。
プラント大手の千代田化工建設は、2016年3月期に売上高総利益率を15年3月期予想比で1ポイント向上させ、10%に引き上げる見通しだ。上昇するのは4期ぶりになる。北米やロシアなどで受注した大型液化天然ガス(LNG)プラントの建設工事が本格化し利益率を押し上げる。急速に進んだ原油安が業績に与える影響については限定的だとみている。
渋谷省吾社長が見通しを示した。機関投資家などはプラント会社の業績を判断する際に売上高総利益率を重視している。売上高から原材料費などを引いた利益で、工事の採算性を示す指標だ。
千代建の売上高総利益率は12年3月期に15.3%に上昇してから3期連続で低下している。受注の大型化に伴い、決まった受注額で一括請負する代わりに費用削減額が利益となる契約方式が減って、発生するコストを受注額に加算する契約が増えているためだ。総利益率の低下が株価低迷の要因の一つとされてきた。
16年3月期に4期ぶりに上向くのは受注済みの大型LNGプラントが収益に貢献するためだ。渋谷社長は「ロシアのヤマル、米国のフリーポート、キャメロンが3本柱として来期以降、収益を押しあげる」とみる。9月末時点の受注残高は1兆4522億円と過去最高水準。渋谷社長は「粗利益率(売上高総利益率)で10%は確保しなければいけない」と述べた。
15年3月期の業績は売上高が前期比4%増の4650億円で、純利益は0.4%増の135億円とほぼ横ばいを見込んでいる。足元で進んでいる工事の進捗状況が順調なら、増収率が高まる可能性があり、最終増益も確保できそうだ。
一方で原油安について渋谷社長は「進行中のLNG案件への影響はほとんどない」と話す。受注済みのLNG案件は建設するまでに5年前後かかるものが多く、当面の業績への影響は限定的との見方を強調した。