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金沢暮らしの日々 ~努力は時々 報われる~

金沢に暮らし始めて40数年.。この街で「見たものは、見た」。最近は「軒端に冬の山晴れて見ゆ」って心境に。

古本について考えたこと @ 佐多稲子『遠く近く』 

2013年01月05日 | マイ・ライブラリー

 


 今では 全国どの町でも「BOOK-OFF」を見かけるね。本棚にならんでいる本の大半は、文庫を除けは、たいてい娯楽本。それだけ今の出版会は、その手の本が主流ってことでしょう。

 このBOOK-OFFは 105円コーナーがかなりのスペースを占めています。話によると、半年間売れなかった本は、みな105円コーナーになるそうです。たまに「あっと驚くような本が105円で買えないか」と思って のぞくことはありますが、その期待が命中したことは まだないですね。

 この『遠く近く』(佐多稲子)も、そういった105円コーナーで購入したものですが、彼女は、かつては文学者としてより、政治的な面で取り上げられることの方が多かったように思います。今ではもう、話題に上ることすらありませんけどね。

 本の中身は、地方新聞に掲載したエッセイ風の文章をまとめたもので、「まあ こんなもんかな」って感想ですが、これ300円なら買いませんでした(笑)。まあ 本の装丁の渋さにひかれたってことです。レコード(死語!)の「ジャケ買い」(これも死語?)みたなものです。でも、そういう意味では、どんな本でも105円で買えるっていうのは、BOOK-OFFの功罪の「巧」の側面だろうね。

 高校の時に読んだ渡辺昇一の『知的生活の方法』で、「本は売るもんではない。本を売るような人間に知的生活はとうてい無理」てなことが書いてあり、いたく感激しその後40年近く、かたくなにその「教え」を守っててきたのですが、さすがに最近は考え方も変わってきました。
 
 一番の理由は、うさぎ小屋の拙宅の猫の額の自室では、もう収納しきれなくなったこととですが、もうひとつの理由は、司馬遼太郎の本に「本はもともと 貨幣同様に社会を循環するもの」との文章にふれたためです( これです 

 なので、2013年からは、積極的に「売り」に出ようと思います。でも、BOOK-OFFなどでは、文庫本10円、ハードカバー30円などと、本の内容にかかわらず、一律・機械的にに値段をつけているようで(だから、どんな店員さんも買い取り係ができるのです)、僕はそういうのは勘弁してほしいのです。

 買い取り価格の高い安いではなく、その本の「価値」が解ってくれる店に買ってほしいです。それが せめてもの本たちへの「恩返し」です。

 

 


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