goo

ノベルテイラーの面目躍如 @ 田中慎弥 『炎と苗木』


田中慎弥(通称 タナシン)の短編集第2作目です。1作目の『田中慎弥の掌劇場』は数年前に読んで大変面白かったですね。短編と言っても原稿用紙4枚くらいの長さですから、普通の小説の「あらすじ書き」みたいな長さの小説です。

でもそこには読者をひきつけるストーリーとサプライズな仕掛け、いつまでも心に余韻を残し「上手い」と思いました。

 で、この2作目の短編集『炎と苗木』ですが、計47つの掌小説が収められています。1作目と異なり「素直さ」がやや薄れて「技巧」というか「頭の中で考えました」という色が濃くなってますね。

もともとタナシンは、実体験に基づく私小説家ではなく、イマジネーションを駆使した「ノベルテイラー」だと思うので、それはそれでこの人らしさだと思います。

 昨年夏に それまで過ごした・・というより高校卒業以来り引きこもっていた、地方の小都市の実家から、東京に引っ越してきたそうですが、それが作家としての彼に 凶と出ないことを祈りたいと思います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ホッチキスの... とある寂れた... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。