
僕らが子供だった昭和40年代には 息子や夫を戦争で亡くした女性が 街に普通にたくさんいたような気がするね。だからNHKの朝ドラもそういう女性の物語がヒットした。
そして2018年の今、戦後73年目を生きる人にとっては、戦死したのはおじいさんどころか ひい爺さんかもしれないよね。もちろん、写真でしか見たことはない・・。
この『憶い続けむ~戦地に果てた子らよ』は、戦争で二人の息子を亡くした、平凡な全く普通の女性の物語です。唯一の趣味は「短歌を詠むこと」、そして唯一の特徴が「死ぬまで、息子を殺した戦争を憎み続けたこと」でしょうか。
戦争が終わって、20年以上たった昭和40年代になっても、夜、突然に息子たちの名前を大声で叫び続けたとのこと。そして物語の終わりの部分で、主人公の娘が、箕面忠魂碑違憲訴訟の原告の一人となったことが、さりげなく触れられています。母の憶意を受け継いで。
裁判の原告になるという経験をする人は少ないかもしれないが、戦死した息子の名を死ぬまで叫び続けた女性は、この国には数えきれないほどいただろうね。
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