発売当時は高嶺の花で憧れだったカメラであり、義父の遺品の、フィルム一眼レフ CONTAX RTS Ⅲ が CONTAX 専門修理業者から3ヶ月の修理期間を経て手元に戻ってきたのが、去年の2月だった。
完璧な状態になったカメラを手に、さっそく36枚撮りフィルムを3本ほど撮ってみたが、ちょうどその頃から愛用していたリバーサルフィルム Velvia 100 が入手困難となった。
富士フイルムによれば生産停止の原因は原料不足とのことだったが、今は復活して入手できるようになっている。
ただ、一年前ヨドバシカメラで買った時は36枚撮りで1本1,980円だったのが、今はなんと3,630円にもなっている。
フィルム代以外に現像代、デジタル化などのコストがかかり、コストに見合う満足感が得られているかなどと考えているうち結局使わないまま一年が過ぎていた。
とはいえ、それなりに修理代をかけたカメラでもあり、時々は防湿庫から出して、かつて所有していたフィルムカメラ Nikon FM2 や EOS 5 にはない重厚感や独特の操作感を楽しんでいた。
CONTAX RTS Ⅲ に装着されていたレンズ CONTAX Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 28-85mm F3.3-4.0 MMJ は広角から中望遠までカバーしているので、画角的にはこれで十分だと思う。
しかし、Carl Zeiss のレンズは単焦点レンズが真骨頂であり、やっぱり単焦点レンズが欲しい。
オールドレンズのなかでも特に人気が高く、「標準レンズの帝王」と言われる CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ がずっと気になっていた。
Carl Zeiss のレンズには AE (初期型)と MM (後期型)があり、それぞれ J (日本製)と G (ドイツ製)とがある。
絞り数値の最小絞りが白のものが AE で、緑のものが MM となっている。
Planar T* 50mm F1.4 の AE は玉ボケが手裏剣状になる場合があるので、MM の方が好まれている。
ネットでは、フィルムカメラにオールドレンズを着けてフィルム撮影を楽しむ動画がいくつもあり、フォトグラファーのなかには、仕事はデジタルで撮るがプライベートではフィルムで撮っているという人もいた。
また、ソニーα7Rなどのデジタルカメラにオールドレンズを着けて楽しんでいる動画や記事もけっこう見られた。
そんななか、やっぱり CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ が多く取り上げられていて、ボケの美しさと高解像度の共存とか空気感を捉えるなどと絶賛されている。
しかし、人気が高い分値段も高くなっており、一時的なブームであればそのうち下がるに違いないと微かな期待をこめてマップカメラなどを時々のぞいたりするが、全然下がる気配はなかった。
それどころか、マップカメラにあれほどあった「帝王」の在庫がいつのまにかきれいに一掃されていた。
ネットをいろいろ見ているうち、使用に問題なさそうで少し安めのものを見つけた。
働いている時はそれなりの収入があったが今は無職の貧乏人、節約、倹約・・・逡巡しながらもついにポチッとやっちまった。
余生の残りも少なくなってきているので楽しめるうちに楽しまなければと自分を正当化する。
そして、届いた。
宅急便の段ボール箱を受け取った時、ひょっとして中身を入れるのを忘れたのではないかと思うくらい軽くて不安になった。
急いで開けると、ちゃんと入っていた。
思っていたよりずっと小さくて軽かった。
高級感を漂わせるレンズをイメージしていたが、実際はチープな感じだった。
思わず納品書の商品名を確認したら間違いはなかった。
モノとしては思っていたよりきれいで、作動も問題なかった。
フィルムは無駄撮りをしたくないし、現像、デジタル化に10日はかかるので、とりあえず EOS 5D Mark IV に着けて撮ってみよう。
注文したプロテクトフィルターとレンズフードが届き、天気がよければ出かけよう。
テレビはあまり見ないが、毎回見るのを楽しみにしていた「ブラタモリ」が突然最終回を迎えた。
さびしい。
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