石の飛行機(6)

2018-01-16 21:29:19 | 童話
よし、僕は明日、ジェット旅客機の隣りにロケットを作ろう。
そして、火星へ行こうと考え、ワクワクしながらロケットをスケッチした。
『そうか、ロケットはコンピュータと宇宙センターで操作するので宇宙飛行士は操縦しないんだ。』

そして明日は朝ご飯を食べたらすぐに川原へ行けるように、明日の宿題も終わらせた。
ロケット、ロケットとワクワクしながらお風呂に入って早く寝た。

朝起きると、お母さんがサンドイッチを作ってくれていた。
『今日は火星まで行くんでしょ。でも遅くなったらだめよ。それから、水筒のお水で手を洗ってから食べるのよ。』
『はぁ~い。』
みんなで朝ご飯を食べてから、僕は自転車で川原に来た。
そして、昨日のスケッチを見ながら石を並べた。
ジェット旅客機以上に時間がかかった。
『できた、やっとできた。』

『燃料注入完了、酸素の圧力異状無し、宇宙飛行士が乗り込みます。』
『座席のベルトの固定も終わりました。宇宙センターどうぞ。』
『こちらは宇宙センターです、機体も燃料も問題有りません。これから打上げの秒読みを開始します。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射。補助エンジン点火。順調に上昇しています。補助エンジンを切り離しました。』

『地球がだんだん小さくてなっていく。今、月を通り越しました、すごいスピードです。』
『火星が見えてきました。どんどん近付いていきます。宇宙センター、僕は今日、遅くなるとお母さんに怒られるので、火星には着陸しないで、火星を一周したら帰ります。』
『こちらは宇宙センターです、了解しました。気を付けて地球に帰ってきてください。』

地球が見えてきて、川原が見えてきた。
『宇宙センター、これからロケットを逆噴射して着陸しまします。』
『了解しました。』
ゴーとエンジンが逆噴射した。
『着いたから、さあ帰ろう。』

夕飯の時にお父さんに、『本物のロケットに乗りたいなぁ。』と言うと、お父さんが『宇宙飛行は全部英語を使うので、英語を勉浩しないといけないよ。』と言った。
僕は宇宙飛行士になるために英語を勉強している。

おしまい

石の飛行機(5)

2018-01-15 21:38:14 | 童話
『ねえ、お父さん、なぜ遠い所へはジェット機でないと行けないの?』
『高い所は空気が薄く、抵抗が少ないので早く飛べるし、燃料が少なくて済むからだよ。だけれど空気の薄い所はプロペラ飛行機は飛べないのだよ。』
『お父さん、抵抗って何?』
『空気が飛行機を押し戻そうとする力だよ。』
『ふぅ~ん。』
『ねえ、お父さん、火星へはジェット旅客機で行けるの?』
『宇宙には空気が無いからジェットエンジンでは飛べないよ。』
『じゃぁ、何で行くの?』
『燃料と、それを燃やす酸素と両方を積んだロケットで行くんだよ。』
『ふぅ~ん。よし、明日の日曜日はロケットを作って火星へ行こう。』

僕は昼から本でロケットを調べた。
大きい燃料タンクが2本付いていて、大きいエンジンが3本付いている。しかし、人間が乗る所は小さくて狭いんだなぁ。

石の飛行機(4)

2018-01-14 09:52:24 | 童話
僕は朝ご飯を食べたらすぐに川原へ行った。宿題は昨日終わらせたので、朝から行けたのだ。
川原の石をたくさん集めて、僕の飛行機の隣りにジェット旅客機を作り始めた。小型のプロペラ飛行機より、ずっとずっと多くの石が必要だった。
どうして大きなジェット旅客機でないと外国へ行けないのかぁ、帰ったらお父さんに聞いてみよう。

やっと大きなジェット旅客機ができた。
僕は早く飛ばないと遠い外国へ行けないと考え、すぐに操縦席に乗り込んだ。
『エンジン始動、管制塔、こちらはJA123です、離陸の許可を下さい。』
『こちら管制塔です、離陸を許可します。』
『出発。』
ゴーとエンジン音がして僕はスラストレバーを引いた。キーンというジェットエンジンの音がして走り始めた。
続いて操縦かんを引いて上昇した。グングン上空に飛んで行き、富士山が段々小さくなっていった。
『やあ、雲の上に出たから天気がいいや。』
そして、水平飛行となったので、エンジンはゴーという音になった。
『下はずっと海だね。大きな船が走っている、自動車運搬船かな。ここから自動操縦にしておやつを食べよう。』
おやつを食べている間にハワイが見えてきた。
『よし、ハワイをぐる~と回ったら家に帰ろう。』

そして、ハワイを回った後、しばらく飛んでいると日本が見えてきた。
『管制塔、管制塔、こちらはJA123です。着陸の許可を下さい。』
『こちらは管制塔です、着陸を許可します。』
着陸してから僕は自転車で帰った。
お母さんが、『とっくにお昼ご飯の時間が過ぎているでしょ、早く帰ってこないとダメじゃないの。』と言ったので、
『ごめんなさい、ハワイまで行ったら遅くなっちゃった。』と謝った。

石の飛行機(3)

2018-01-13 10:11:52 | 童話
来週もプロペラの石の飛行機に乗ろう。
学校から帰って、宿題をしてから自転車で川原へ行った。僕の石の飛行機は無事だった。
しかし、もう遅くて飛行機には乗れないので、見ただけですぐに自転車で帰った。
次の日も、その次の日も、僕は川原へ見に行った。
そして、土曜日に宿題を終わらせてから、僕の飛行機に会いに川原へ行った。飛行機が無事なので操縦席に座った。

『エンジン始動、ブルブル、ブルブル。管制塔、管制塔、こちらはJA123、離陸の許可を下さい。』
『こちら管制塔、離陸を許可します。』
『ブ~ン、離陸します。』
『今日もエンジンは快調だ。よし、今日は川の上流へ行き、山の上を飛ぼう。』
川幅が段々と狭くなってきた。向うに見える山の上を飛ぼう。
操縦かんをいっぱい引いて上昇だ。ブイ~ン、山を越えたら湖が見える。あの湖まで行ったら帰ろう。
『管制塔、管制塔、今からかえります。』
『こちらは管制塔、帰るのですね、了解しました。』
飛行機は無事川原に着陸した。
僕は操縦席から降りて、自転車で家に帰った。

夕飯の時にお母さんに、僕の飛行機で湖まで行ったよと言うと、お母さんは『すごいじゃない。』と言ったが、お父さんは、『もっと大きな飛行機で外国へ行ってごらん。』と言った。
僕は、明日はもっと大きいジェット旅客機を作ろうと考えた。そして、ワクワクしながら寝た。

石の飛行機(2)

2018-01-12 21:29:19 | 童話
次の土曜日に、また自転車で川原へ行き、石の飛行機のエンジンをかけた。
今日もエンジンは快調に回転し始めたので、ブレーキを戻し離陸の準備ができた。
今日も快調にスピードが上がり、操縦かんを引くと離陸した。
今日は前回より上空まで行こう。

『管制塔、管制塔、こちらはJA123です、応答願います。』
『こちら管制塔、どうぞ。』
『僕はこれから家の上を飛びます。』
『了解、気を付けて飛んでください。』
『はぁ~い。』

僕の家が見える。お父さんが自動車を洗っている。お母さんは家の中だから見えないや。どんどん上空になって、僕の住んでいる町全体が見えてきた。
校庭では野球部のみんなが練習をしている。
もっと高く上がってみよう。駅が見えてきた。大勢の人が乗り降りしている。今日は土曜日だから会社の行き帰りしている人より買い物をしている人の方が多いなあ。

あっ、もう帰る時間のチャイムが鳴り始めた。今日は随分上空まできたなあ。これより上の方は明日の日曜日にしよう。
僕は川原から自転車で家に向った。

日曜日の今日は雨が降っているので石の飛行機には乗れない。僕は仕方が無いので飛行機の本を見ている。遠くまで行くときの旅客機や貨物専用機、そして、スピードの速い戦闘機、いろいろな種類があるんだね。
ほとんどがジェットエンジンだけれど、僕の石の飛行機はプロペラだ。
僕はプロペラの飛行機の方がカッコいいと思う。家にあるゴム動力の飛行機もプロペラだ。