カピバラさんの2泊3日(8)

2018-01-29 21:27:06 | 童話
僕達はまた、お父さんを先頭に一列になって歩きました。
暫く歩いていると雨がポツポツと降ってきました。
『お父さん、どうします?』
『もう少し歩いて、雨が強くなったら、どこかで雨宿りをしよう。』
『そうね、みんな頑張ってね。』

雨が段々強くなってきた。
『あそこのお菓子屋さんの軒先で、雨宿りをさせてもらおう。』
『随分濡れたねえ。』
ピカピカ、ゴロゴロ。
『うわっ、雷だ。』
『雷が落ちると死んじゃうのかなぁ。』

みんなで半分濡れながら雨宿りをしていると、今来た方から自動車が来て止った。
『随分濡れたね。』
昨日泊まっていた家のおじさんが運転して来たのでした。
助手席のおばさんが僕達4匹の体をタオルで拭いて、後の座席に乗せてくれました。
『君達の家まで送ってあげるよ。』そう言っておじさんは車を走らせていきました。

そして、高速道路を走ったので、たちまち家に着いた。
僕達の飼い主さんが
『遠い所をありがとうございました。』
『いやいや、高速道路を走れば直ぐですから。』
『そうですね、カピバラは高速道路を歩けないからね。』
『それでは、私達はこれで帰りますから。』
『ありがとう。バイバ~イ。』
僕は走って行く車に、いつ迄も手を振りました。
僕達の飼い主さんが
『夕食を食べたらお風呂に入って、早く寝なさい。』
僕はお姉ちゃんと
『楽しかったねぇ。』
『また田舎に行きたいね。』
そして、僕達4匹は牛乳を飲みながら
『お風呂上がりの牛乳は、いつ飲んでも美味しいね。』
僕達は歯を磨いてから、柔らかい藁を敷き詰めた箱の中で早く寝ました。
グウグウグウ。
        おしまい