丘の上でゴロゴロふわり(3)

2018-01-02 10:13:30 | 童話
『おかしいなぁ、さっきは浮かび上がったのに。ねぇお姉ちゃん、今度は縦に並んで手つないでゴロゴロと転がってみようか?』
『そうね、2人で手つないでいたら浮かび上がるかも知れないね。』
『お母さん、お父さん、行くわよ。』
僕とお姉ちゃんは頭をくっつけた縦になり、2人で手をつないで転がった。
ゴロゴロ、ゴロゴロ。ゴロゴロ、ゴロゴロ、ふわふわ。

『あっ、浮かんだ。お母さん、お母さん、浮かんでいるよ。』
僕達が30センチくらい浮かび上がったのを見たお父さんとお母さんは
『本当だ、すごいなぁ、どうしてなのかなぁ。』
『本当にすごいわね。』と言った。
そして、僕達が起きて座ると地面に降りた。
お母さんが『危ないから高く浮かび上がったらダメよ。』と言った。
そして、お父さんとお母さんがゴロゴロと転がったが浮かび上がらなかったし、お父さんとお母さんが手をつないでゴロゴロと転がっても浮かび上がらなかった。
『子供しか浮かび上がらないのでしょうかね?』
『そうかもしれないね。』

僕達は子供しかできない楽しい遊びだと思い、2人でいつまでもゴロゴロふわりと浮かび上がっていた。
今度はお姉ちゃんと手をつながなくても浮かび上がることができるようになった。
僕とお姉ちゃんは別々にゴロゴロふわりと、何度も何度も浮かび上がって楽しんだ。
だけれど、立ったままでピョンと跳んでも、走って行ってピョンと跳んでも浮かび上がることができない、ゴロゴロと転がる時だけが浮かび上がることができた。

僕とお姉ちゃんは、浮かび上がるのが段々高くなっていった。
お母さんが『あまり高く上がると危ないわよ。』と言ったが何度も転がっていると、1mくらいまで浮かび上がるようになった。