爛漫日記

インターネット古書店 独楽知の、春爛漫ではなくて、秋爛漫?の日記です。

茨木のり子詩集

2013-07-10 13:55:35 | 私の本
茨木のり子さんの詩は好きで何冊か持っているけど、神田の古本市でふと手に入れた詩集『食卓に珈琲の匂い流れ』の中で見つけた、私のちょっと気に入ってる茨木のり子さんの詩を一つ載せますね。


      あいつ

   <あいつの言葉は腐っている!>
   人ごみのなかで、通りすがりに
   吐き出すような台詞が耳朶を打った
   あいつとは どいつなのか 知らないが
   私はただちに了解した その内容もわからずに
   <そう あいつの言葉は腐っている>

   なぜなら日々
   腐った言葉に首まで漬かり
   憤懣やるかたないのだから
   自分の言葉にすらそれを感じ
   身ぶるいすることがあるのだから
   あいつが どいつでも おんなじだ



茨木のり子さんの「私はただちに了解した その内容もわからずに <そう あいつの言葉は腐っている>」というところがいいですね~。








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