食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『日本ウナギの危機』

2014年07月29日 13時19分09秒 | 日記

ウナギは昔から少々高級品だったがそれでも庶民の口に入っていた。子供の頃は小川に棲みついているウナギを釣

るつけ針をしたり、赤潮が発生した錦公園に出かけタモですくいに行ったりし、ごく稀に幸運に恵まれることがあ

った。

そんな身近でもある魚、ウナギはピンチになっている。日本人はウナギが好きとよく言われる。確かに好物である

だろうが私自身が食べる量は昔と左程の差があるとは思わない。

なのに昨今の情勢は、日本ウナギはレッドリストに載せられ、何らかの規制が確実になっているようだ。乱獲の裏

には大量消費があるはずだから、それだけ食べる量が増えていることになる。全体と私との比較で推量するのでは

ないが、周囲の人の話を聞いても『昔は食べていなかったが今は沢山食べるようになった』なんて話は聞いたこと

はない。それでも世界のウナギの70%は日本人の胃袋にという、きちんとした統計があるのだから市場には沢山供

給され、足らないから外国から調達していることは間違いない。昔は少し高級品だったものが、庶民も豊かになり

ウナギが庶民の口にも行き届くようになった、こうとも考えられる。日本ウナギの危機は2面から考えられる。ま

ずは大量に消費されるようになり減ってきた。大量消費のため稚魚のシラスを大量捕獲する。これを育てて食べて

しまうと自然繁殖する道を絶つことになり、将来のウナギを先喰いしたことになる。この図式では食べれば食べる

ほど先細りの結果が見えている。

減っているとこに加えてウナギが育つ環境変化により生息が難しくなった。この2つが悪の相乗効果となり激減へ

の道のりに繋がったと考えられる。シラスは日本の河川を遡上してそこで生息していくはずなのに河川の護岸はコ

ンクリートで固められ、防災の目的で人口堰が魚の遡上を困難にしている。

ウナギを取り巻く情勢は厳しく、土用の丑の日にくらいしか食べないのにそれすら取り上げられてしまうのは寂し

いことだ。絶滅危惧種に指定されたら即食用ストップではなく啓蒙的な認定、それからワシントン条約で規制対象

になると取引禁止だから、国内で細々とした流通ルートを経由し超高級品に変身することはあり得る。

昔は夜に『ウナギ突き』に出かけたものだが、今はそんな気はサラサラないが、手に入らなくなりどうしても食べ

たくなったら大橋川に出かけウナギを探すしかないのか。2013年6月1日付、当ブログの『夢追人、ウナギ突き』

に思い出話を掲載している。

さて今日は丑の日、我が家も細々と『国産うなぎ』を頂くことにしょう。

 

***** ウナギ思い出話 *****

古いことではあるが団地の前の川での出来事。夏前、車で川沿いを走っていたら堰の下で大きなブルドーザが川

を掘り返していた。当時、川の水量は左程ではなかったから下流の方はドロドロになり流れると言うより、よどみ

状態になっていた。その様子が面白そうだったので車を止めて川の中を眺めていたら、そんな泥水の中を大きな

ナギが岸の方に向かって泳いでいた。これはしめたものと、車を降り大回りをして対岸に行き先程のウナギを探

たら岸に上がるような格好で横たわっていた。余りにもドロドロで酸欠状態になったようだ。

車にバケツがあったのか否かは覚えていないが家に持ち帰りタライに入れておき、柳の下のドジョウを探しに川に

戻ったら、先ほどより小さいものが同じように酸欠で岸に上がりかけていた。

結局、川工事のおかげで2匹のウナギをゲットした。色は薄緑に薄い黄色がかり、長さは1㍍径は3~4㌢の大物

とその半分くらいものだった。タライの中に入れて泥を吐かせた後にかば焼きにしてみた。大きいものの皮は硬く、

身は脂が多くやはり硬めの肉質で残念ながら『美味しい』とはいかなかった。しかし、小さい方は脂の回り方、肉

質共に美味しかった。調理の仕方の問題もあろうが大きいから美味しいは外れのようだ。宍道湖で漁をしている人

に聞いたことだが一番美味しいのは3~40㌢の小ぶりのもの、ということだった。

余談だがその後、川の工事がある度に『あの日の夢を』探してみるがいつも儚いものに終わる。

 


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