食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『雑想考、中国を笑えない日本人』

2013年12月12日 22時21分18秒 | その他

昨今の中国は経済発展を遂げ、富裕層を中心に海外旅行に出かける人が増え、諸外

マナーの悪さについて非難の的になっている。以前は傍迷惑を顧みず大衆面前

やホテ内で大声の会話だけでも顰蹙を買っていたのに、最近はルーブル博物館の

噴水で涼をるための足湯にした、大切な遺跡で落書きをしたりなどと質の低下も見ら

れる。その対策として政府はマナー向上のための対策に躍起になっている。

今では日本人のマナーは高く評価されているが、高度経済成長を遂げる過程では日本

観光客もこれと似たり寄ったりの時代があったことを忘れてはならない。日本人の感覚

と諸外国のマナーや習慣の違いを理由にすれば、それは中国人でも同じことが言えるか

ら、それで日本人だけが許されるはずはない。

当時、日本人はホテルの中をステテコ姿で部屋を行き来する、大声で話をする、スリッ

のままでフロントやレストランをうろつくなどと非難された。団体の農業関係者の旅行が目

立ち始めていたから日本人旅行者を総称として『ノウキョウ』と揶揄された。

旅慣れてきたこと、生活にゆとりができ人の質が磨かれたことなど学習を重ねた結果、先

のように日本人のマナーを高く評価されるようになってきた。

しかし、本当にそうだろうかと思うことがある。

あるホテルのレストランで食事をしていた。遅く到着したから急かされての食事、ある老人

は食後に食べようとミカンの皮を剥いだものを皿の横に置いていた。ホテルの係員は食べ

終わった食器を片つけながら、その老人の所でミカンは終わったものとして持ち去ってし

まったのを激怒。私たちは離れた所に座っており事情は分からなかったが怒り声で食事

の雰囲気は一変するような状態だった。詳細は知らないがいい歳をした老人が分別の

ないことではないか、こんな形でしか対処できないのはいい歳をした大人ではなく幼児

の姿だ。私は遠くから『鉄分が不足しているから切れやすい、ホーレンソーを食べさせよ

う』と呟いた。

この老人、飛行機の中で隣り合わせになった。着陸態勢に入るからシートベルトを締め

て・・・のアナウンスがありCAたちは客の毛布を回収し始めていた。やがてCAは老人の

毛布を回収しようとすると、『未だ使うのに持って行くな』とばかりに小言を言いCAの手

から毛布を取り戻した。妻がもうすぐ着陸態勢になると説明したら、その老人は時差の

ことを忘れていた為に着陸まで未だ時間があると勘違いしていたらしい。

レストランのミカン、機内の毛布ともそうした事象が起こっても怒り狂って解決する問

ではなかろう。これと少し質の違う馬鹿げたこと。ドライブインで土産物を探していた時、

ある老女がミニ国旗を求めていたが展示品しか在庫がなかった。展示品だがショーケー

スの中に入れてあるから汚れている訳ではないが新品とも言い難かった。値段は€1.22

だから170円ほどのものだ。『新品ではないから値引きして欲しい』と言うのだ。

私の頼みではないし恥ずかしいから『彼女曰く、値引きして欲しい』と人の良さそうな店員

に伝言すると、すかさず『Best price』と言った。

これ以上付き合いたくないから老女に伝言してその場から逃げた。添乗員が相手をさせ

られ€0.22を値引きさせて一件落着したそうな。20数万円もかけて旅をしている人がク

ロアチアの片田舎で何人もの大を巻き込んで€0.22、たった30円ほどを値切る。

そんなものに加担させられ物の言いよがない気分にさせられた。値切ることが悪いとは

思わないが、マナーの良い日本人なら切り方にもマナーがあるのではないかと思った。

日本は高齢化で元気な老人が海外を旅するようになった。今まで、やっと築いてきた日

人のマナー評価を、年寄りが壊していかないかと爺の私が心配している。


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