高速道路沿いの風景の多くは牧草地のような緑色の何かが植えられており、土地もな
だらかな所が大半だ。トルコはこんなに整備された感じではなく荒涼とした田舎風景、
それに比べるとこちらは洗練された田舎風景と言える。
土地が平坦、これだけで農業の在り方が日本と大きく異なり、こうした国の農家は農業
で飯が食える。日本では大半の農家が猫の額ほどの農地、それではグローバル化の
波を乗り切ることは出来ないことを実感させられる。
ハイデルベルクから東の方へ140Kmくらい走るとドイツ東西のほぼ中央に、目指す城
壁に囲まれたローテンブルグがある。初めての食事は城壁のすぐ側にあるレストランで、
ドイツ料理といえば私でも知っている定番は「ジャガイモとソーセージ」で、御多分に漏
れずメニューはそれである。
海外の食事でいいのは日本では当然、サービスの水も買わなければならないから、水
を買うよりワイン、ビールなどを何の躊躇もなく注文できることだ。普段は口うるさい女性
陣でも『水を買うならワインの方が・・・』との心理が働くのか『白ワイン』と声高に注文して
も小言は帰ってこない。大体の相場としてグラスワイン、ビール5~6€、水4€だから日本
人からみればワインなどの方が割安に思える。
ドイツのジャガイモやソーセージがいくら有名だといっても、日本のものと天地ほどの差が
あるとは思えないし、味付けを変えてもそれなりのものにしかならないと思う。料理の味は
個人差の塊のようなものだから、私と真反対の意見の人は何を食べさせても良さの分か
らない奴と私の事を評価するだろう。
食後、自由行動となり城壁内の古い家並みやお伽噺に出て来るような家並みを散策。午
後になり陽は差してきたが依然として寒さはきついから、私たちは名物のシュネーバル(雪
の玉)という菓子づくりを実演している店に入り、暖をとるため暫く眺めていた。
温まり賃としてお土産用と試食用を購入、早速食べてみると揚げたてのビスケットのようで
味としてはまずまずだ。
1時間ほどの自由時間を終え15時前出発、ロマンチック街道を南下し、オーストリア国境
近くのフッセンまでひた走る。陽が暮れる時間になり薄暗くなってから、遠くにライトアップ
されたお城が映し出されていた。本日の走行距離、約540Km。
ヨーロッパのバスの運転手は労働条件がきちんと整備されており、走行距離、拘束時間な
ど細かいことは分からないが、今回も途中で交代した。日本は1人で500Km以内となったら
しいが、ヨーロッパのように厳密な運用をされるのか疑問符だらけ。事実、フランス、スイス
で もコロコロと運転手が代わっていた。
ホテルに到着、特別に解説を必要としない夕食を頂き、予想外の熱い湯の出るシャワーを
足元に溜めてササッと風呂を終える。スタンダードクラスのホテルでフッセン、インターラー
ケンともにホテルのTVはブラウン管式でしかも電源が入らなかったし冷蔵庫、スリッパは無
し、それでも一夜を寝るだけのこと、これで十分だった。カメラやプレーヤーの充電をセット
し明日に備える。
ローテンブルグ 1
ローテンブルク 2