R45演劇海道

文化の力で岩手沿岸の復興を願う。
演劇で国道45号線沿いの各街をつないでいきたいという願いを込めたブログ。

劇研麦の会『山姥かなしや物語』

2008-11-19 22:20:16 | インポート

 11月16日(日)宮古市民文化会館で劇研麦の会の『山姥かなしや物語』を、観てきました。今年度は、実にいい舞台でした。麦の会の再生を感じされられて、実にすがすがしい気持ちにしていただきました。

 原作の田中茂さんは私が脚本で岩手芸術祭初入選のときの芸術祭賞を取られた方で、そのときの表彰式は体調不良で参加していただけませんでした。いつかお会いしたいと思っているうちに お会いすることも無く亡くなられてしまい非常に残念な思いがあるのが、麦の会と私とのつながりです。

 今回も、その田中さんの作品なのですが、人間の心理の裏の裏を読むような巧妙な仕掛けがちりばめられて、圧倒されました。私も50本以上脚本を書きましたが、まだまだだと感じさせられました。亡くなられてからも20年は経つと思いますが、作品がひとつも色あせていなく、現代感がありました。何より、そんなに年月が経っていても、上演してくれる仲間がいることに感動しました。そんなに思ってもらえるような作品が私には無いでしょう。

 舞台を観ながら、ここはあの曲を使ってスペクタクルにとか、『あぁ~この台詞にはもっと深い意味があるのになぁ。』とか、観客の気持ちを繋ぐためにも転換中は音楽を入れてみたいとか、場面が二つしかないのだから、前後に舞台を分けて、舞台後方を高くして山麓の山姥の家をそこに設定して、舞台前方に村の場面を設定すれば転換が無くてすむなぁ、とか、いつしか田中作品を自分なりに解釈して頭の中で演出してしまっていました。それほど、芝居好きをとりこにしてしまう作品だったということです。ご縁があったら、本当に演出してみたいですね。

 


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