本日08年1月17日付けの毎日新聞の投書欄にいつもリンクでお世話になっている遠山日出也さんの「ウイグル族活動家の講演に思う」が掲載された。
(遠山さんご自身の御連絡で知りました。汗)
投稿内容は遠山さんのブログで読むことが出来ます。
http://genchi.blog52.fc2.com/blog-entry-144.html
遠山さんは11月のラビア・カーディル大阪講演に出席され、その講演をニュースサイトJanJanにも報告されている。
http://www.news.janjan.jp/world/0712/0712227716/1.php
投書では大阪での講演から、97年2月5日のグルジャ(伊寧)事件、ロプノール(馬蘭)実験場での放射能汚染、9.11を利用した中国の弾圧について簡潔にまとめられており、内容の深い投書となっている。
最後のパラグラフでは最初の2年間は真っ暗な闇の中に閉じ込められていたラビア・カーディルさんが、国際世論の高まりで移動、そして釈放されたことで、民主(democracy)についての考え方が変化したと話されたことを引用し、声をあげることの重要さを強調されている。
ジェンダー問題を専攻されている遠山さんにとって当ブログのような反中色の濃いブログにリンクなどをすることはとてもリスキーなことであるのに、参考にしてもらうのは全くありがたい事である。
また、「男尊女卑」傾向が強いと言われているイスラーム社会であったウイグル社会が中国の「解放」によって男女平等が進んだのではないかと言う問題は、中国批判派にとってちょっと痛い話である。
そういう問題も含めてウイグルについて考えなくてはならないことを遠山さんは示唆しておられる。
ともかくも、この投書が一人でも多くの毎日新聞読者に読まれることを期待したい。
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ラビア・カーディル紹介サイト↓
ジェンダー問題を専攻している人々の多くは、女性やマイノリティの自律的な運動を抑圧しているような中国の党や政府には批判的だと思います。ただし、水谷尚子さんのように「中国研究者がウイグルやチベットの民族独立問題をやる」ことは、中国国内で研究をする際のことなどを考えると、ある意味でリスキーのかもしれません。
貴サイトに「反中色」が濃いかどうかはよくわかりませんが、ウイグル人の人権を精力的かつ、かなり専門的見地で粘り強く報じておられるわけで、これは、少なくとも「反中」にすべてを還元していくような人々にはできないお仕事であると思うのです。もっとも、もしもアイヌや在日外国人の人権について訴えるサイトを「『反日』サイト」と呼ぶような調子でレッテル貼りをするならば、話は別でしょうが……。
それはともかく、ラビア・カーディルさんの講演を聞いて、私も、投書など、個人ですぐできる程度のことは一通りやってみたつもりです。ですから、これからしばらくウイグル問題はやらないかもしれません(なので、右のリンクはkokさんのご都合しだいで、いつでも外していただいて結構です)。
しかし、ラビアさんが講演の最後に訴えられた「日本政府に実効ある対応をさせる」というところまでは、まだまだ日本の現状は遠いと思います。ですから、今後も関心を持ち続け、折に触れて何かやりたいと思います。
それ以前に、私はウイグル問題については、とても勉強不足です。上でkokさんが触れていらっしゃる、ウイグルにおける男女平等の問題についても、私自身は、よく知らなくて恥ずかしいです。水谷さんが『中国を追われたウイグル人』の「あとがき」でその重要性を指摘しておられる、「民族問題の政治・歴史的背景を理解する」という点についても私は勉強不足なので、これからやっていきたいと思います。
私自身もともとネットウヨもどきでしたが、「嫌中共」だけでは話が全く進まないことにも気がつき、なるべくウイグルの人権問題を中心に日本であまり報道されない「非新疆」の問題を海外サイトから紹介していこうと思い立ってやってきました。
遠山さんのように実名を賭して勇気のある行動はなかなか出来ません。心底賞賛と感謝の気持ちを表明いたします。
「中国の少数民族の人権問題」を話し出すと特に以前は「人権派」などは日本の侵略を相対化させようとする試みであると取られてきました。今回のラビアさん来日で状況が少し変わりはじめた事が感じられます。
ジェンダー問題、近代化の問題が絡んでくると話がややこしくなってとても私には手におえなくなりますので、是非遠山さんのブログを読んで勉強させていただきます。リンク集では中国ジエンダ-ニュース+は真中国枠に入れさせてもらっていますので、遠山さんから御要望がない限りずっとリンクさせていただきます。
それではこれからもよろしくお願いいたします。