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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

何思う「明仁」陛下、財政無制限法即日公布、軽減税率、雇用保険、法人税率下げプログラムとともに

2016年03月31日 23時13分51秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]天皇陛下、2014年12月26日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 天皇陛下は、「消費税に軽減税率を導入する改正所得税法」などを、平成28年2016年3月31日(木)の夕刻に公布されました。官報特別号外に載りました。

 改正所得税法には、日本と台湾の租税協定の「条約」である、「日台租税取り決め」も入っており、法律による政令委任後、後日公布される「政令を公布することで、条約を発効させることになります。法人税率の0・5ポイント下げなど、3年間にわたる法人税率下げプログラムも、あす施行。

 改正地方税法では、法人事業税の所得割を下げながら、均等割を上げる、外形標準化プログラムがあすから3年にわたり発動。

 改正雇用保険法により、雇用保険料率のが年収の1・0%から0・8%に引き下げられ、4月25日の給料日に反映されるはこび。

 改正関税定率法により、新しい関税定率表があす施行。

 31日夕刻に公布された法律は次の5本。

 平成28年度改正地方税法(平成28年3月31日法律13号)

 改正地方交付税法(平成28年3月31日法律14号)

 平成28年度改正所得税法(平成28年3月31日法律15号)

 関税定率法及び通関業法を改正する法律(平成28年3月31日法律16号)

 雇用保険法及び育児・介護休業法などの一括改正法律(平成28年3月31日法律17号)。

【追記 2016年3月31日午後11時】

 天皇陛下はさらに、この日の午後4時から5時過ぎにかけて、参議院本会議で可決し、成立した6本の法律を、即日公布なさいました。これらは、きょう2度目の官報特別号外に掲載されました。

 公布された法律は次の6本。

 NEDO法および特別会計法からCOP3国内実施条項を削除し廃止する法律(平成28年3月31日法律18号)

 改正踏切道改良促進法(平成28年3月31日法律19号)

 改正地震防災対策特別措置法(平成28年3月31日法律20号)

 改正社会福祉法(平成28年3月31日法律21号)

 改正子ども子育て支援法(平成28年3月31日法律22号)

 改正特例公債法(平成28年3月31日法律23号)。

 平成28年法律23号は、政府に対して、財政法の特例としての赤字国債の発行権限を上限なく与える法律。2021年3月31日まで、政府は赤字国債を発行することができます。もちろん、毎年度の予算案は国会に提出する必要はあります。

 明仁(あきひと)陛下は、皇后陛下とともに、ことし、フィリピンに戦争慰霊の旅に行かれました。陛下は、太平洋戦争勃発時には、皇太子殿下であり、ご皇位継承順位第一位者でした。明仁陛下に、国内法・国際法とも、戦争責任はいっさいありません。しかし、当時年少者とはいえ、皇太子殿下であり、ご皇位継承順位第一者であったのは紛れもない事実。人間としての明仁陛下が、生涯かけて慰霊の旅をされても、その心は晴れません。

 今夕の陛下は、条文に目を通しながら、果たして、5年後にご尊命かどうか、案じたのかもしれません。

 千鳥ヶ淵で花見が進む中、歴史は静かに進みます。

 たかが、王政復古の大号令を、「維新だ」などとはやし立てた、ちゃんちゃらおかしい自称一等国の黄昏。

 明仁陛下が人間として天寿が全うされた後も、国家というよりも、日本の持続可能性について、その責を陛下とともに私が分かち合わねばならないと覚悟する夜です。

【追記おわり】

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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国会の緩慢な死、特例公債の5年間無制限発行法成立、戦死者妻法案は期限切れ【3月31日(木)】

2016年03月31日 19時09分18秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]平成28年度から32年度までの特例公債発行法案に、強い口調で反対討論する、民進党の白真勲参議院議員、2016年3月31日、参議院本会議、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 まさに国会の緩慢な死で、平成28年度から32年度まで、上限なしに赤字国債(特例公債)を発行する権限を政府に与える、

 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律」 

 は31日の参議院本会議で採決し、可決・成立しました。天皇陛下は今夜即日公布する見通し。民進党が提出した「平成28年度のみの特例公債法案」は、採決の結果、投票総数238、賛成69、反対169の反対多数で否決され、廃案となりました。

 同日の参議院では、厚生労働委員会で、「戦傷病者の妻及び戦没者の妻に対する特別給付金支給法の10年延長法案」が審議入りしましたが、採決にいたらず、同法案は附則第1条で「28年4月1日施行」となっているため、日切れ法案ながら年度内に成立せず、現行法は失効します。おそらく自民党国対になんらかの認識不足があったことによるミスと考えられます。この法案の審査をめぐっては、衆議院で、民進党の岡本充功・元厚生労働政務官の問いで、厚生労働省は、満州事変から終戦までの戦没者を所管しており、今後の集団的自衛権・個別的自衛権により、戦死する自衛官への補償が、厚労省・総務省・防衛省のいずれも所管していなことが明らかになっています。

【平成28年2016年3月31日(木)参議院本会議】

 例年同様、3月31日までの成立を、政府・与党国対が希望した「日切れ法案」「提出予定法案に※をつけた予算関連法案」を成立させました。

 まず、日程第一の「地震防災対策特別措置法の10年延長法」(190衆法17号)が可決、成立しました。

 ここからは、すべて同日委員会で可決したり、否決したりした法案を、前日の公報に載っていなかった議題ながら本会議で追加の議題とする、「緊急上程」。すでに3月31日になっており、天皇陛下は、日本国憲法第7条にもとづく内閣の助言と承認による国事行為として公布する見通し。

 「NEDO法および特別会計法からCOP3国内実施条項を廃止する法律」(190閣法8号)。廃止法のため、「3月31日施行」であり、今夜天皇陛下の公布とともに当該条項は廃止へ。

 「改正子ども子育て支援法」(190閣法20号)は、衆議院での民進党の緒方林太郎さんの主導による保育士・幼稚園教諭らの処遇改善を検討する条項を含めて可決、成立。押しボタン式で、投票総数238、賛成223、反対15。野田内閣が多大な犠牲を払いながら、成立させた、2012年社会保障と税の一体改革関連法の中核的な法律の初の改正。

 「改正踏切道改良促進法」(190閣法13号)が成立。

 「いわゆる思いやり予算といわれる、日米安全保障条約第6条と日米地位協定第24条にもとづく日米新条約の承認を求める件」(190条約1号)は、投票総数238、賛成223、反対15の賛成多数で両院承認。

 この後、財政金融委員長が審査報告。

 討論では、民進党の白真勲さんが熱弁をふるいました。

 採決では、まず民進党が提出した「平成28年度特例公債法案」(190参法2号)が、投票総数238、賛成69、反対169の反対多数で否決され、廃案となりました。

 続いて、安倍自公政府が提出した「平成28年度から32年度までの特例公債法案」(190閣法9号)が投票総数238、賛成153、反対85で可決され、成立しました。即日公布へ。


[画像]民進党対案を否決した、参議院本会議、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 成立した法律は、2020年度(平成32年度)のプライマリーバランス黒字化(単黒)について、政府に対して「経済・財政一体改革を総合的かつ計画的に推進する」としか定めない、無責任で人(これから生まれる日本国民含む)をバカにした法律です。野田内閣が震災から半年後に血のにじむような努力で成立させた法律をタイトルにとって、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために~~」と題する火事場泥棒法律であって、人倫にもとる卑怯な法律です。

 民進党代表の岡田克也さんは、衆議院本会議で審議入りした2月9日、「極めて不健全な財政になる可能性があるとこの法律に警鐘を鳴らしました。

 本会議では、「平成28年度NHK予算の承認を求める件」(190承認1号)が投票総数236、賛成152、反対84の賛成多数で両院承認されました。

【同日 衆議院本会議】

 「サイバーセキュリティー基本法改正案」(190閣法11号)が可決され、参議院に送られました。

 「日本カンボジア航空協定の条約承認を求める件」(189条約13号)、「日本ラオス航空協定の条約承認を求める件」(189条約14号)、「日本フィリピン社会保障協定の条約承認を求める件」(190条約7号)が承認され、参に送られました。

 「改正社会福祉法」(189閣法67号)が可決し、成立しました。

 「公職選挙法改正案」(190衆法24号)が可決し、参に送られました。

 この後、「JSC法およびtoto法改正案」(190閣法13号)が審議入り。趣旨説明に対して、民進党の長島昭久さんが代表質問し、馳文科相、遠藤五輪相、河野国家公安委員長、菅官房長官が答弁しました。おそらく委員会では、民進党が出した対案「東京オリパラ特措法改正案」(190衆法19号)と一緒に審議されるのだろうと推測します。

【同日 参議院内閣委員会】

 「子ども子育て支援法改正案」を審査し、本会議に緊急上程。この後、「成年後見制度推進法案」(190衆法20・21号)が審議入りしました。

【同日 参議院総務委委員会】

 「平成28年度NHK予算の承認を求める件」を審議しました。今夜NHK中継される見通し。年に1回だけの参議院分館からのテレビ中継。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「いわゆる思いやり予算」を審議し、本会議に報告。

【同日 参議院財政金融委員会】

 特例公債法案の、政府案と民進党案を審査しました。民進党の大塚耕平さんが現行の金融・財政システムについて「異常な状態」と繰り返し、日銀の黒田総裁がデフレの定義を説明できないなど、静謐のなかで、歴史が進みました。

【同日 参議院厚生労働委員会】

 一般質疑の後、「戦傷病者の妻および戦没者の妻に特例給付金を支給する法律の10年延長法案」(190閣法10号)が審議入りました。日切れ法案ながら、年度をまたぐため、参で修正が入り、衆に回付(かいふ)する日程となるものとおもわれます。給付は現金ではなく国債なので、現在の受給者への影響は無いでしょう。

【同日 参議院農林水産委員会】

 「漁船被害補償法および漁業災害補償法の改正案」(190閣法36号)が審議入り。今国会の参議院先議法案の審議入りは第1号。

 現行法令上は、政府の判断で、参議院に提出した格好。それに先立ち、与野党国対の合意にもとづき、政府が参に提出した法案が「参議院先議法案」です。現行法では、衆参の議長・議運には、院の先議を決める権限はありません。

【同日 参議院経済産業委員会】

 上述のNEDO法の改正を審議し、本会議に緊急上程しました。

【同日 参議院国土交通委員会】

 上述の踏切道の法案を審査し、本会議に緊急上程しました。

【同日 参議院環境委員会】

 「ERCA独立行政法人環境再生保全機構法改正案」(190閣法29号)の趣旨説明がありました。施行は10月と書き込まれた法案ですが、こうやって少しずつ、いわゆる虎ノ門系といわれる独法の仕事が増えていく現状にはどこかでストップをかけたいものです。

【同日 衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会】

 民進党の渡辺周委員長のもと、島尻沖縄相、岸田外相、政務三役の所信、報告、あいさつがありました。外相出席の委員会が多すぎます。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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