goo blog サービス終了のお知らせ 

ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

「自公過半数割れ」報道で、自民実力者の目立つ動きはないが、8月26日(火)でも召集間に合うので、フルスペックの総裁選も可能、消費税3党合意派の議席が6割超あることは変わらず

2025年07月15日 20時47分26秒 | 第218回臨時国会
 霞ヶ関・永田町仕様を公言しているため、通常国会150日間で一日平均3075ページビューが、選挙戦12日間で、同1636ページビューと大幅に減っておりますが、貫きます。

 自公過半数割れが確実となる見通しが、令和7年2025年7月15日の朝日新聞朝刊=写真=で流れができました。国会法第2の3条などにより、第218回臨時国会は、8月26日(火)までに召集されることになります。関口議長・長浜副議長体制がその日までに変更を余儀なくされることはなさそう。

 私は「ザイム真理教3党」と「MMT2党」という構図を描きましたが、ザイム3党というか、社会保障と税の一体改革3党は改選だけで1割減ります。が、参議院の議席の6割から7割を占めることは、向こう3年間変わりません。森山幹事長・青木主税局長・宮沢税調会長・西田税調顧問らは消費税維持体制を死守するかまえと考えれます。一方、MMT2党と参政党が改選の2割程度の議席をとる情勢となっています。が、公示日の筆者の玉木雄一郎代表への直接取材では、玉木さんは所得税の基礎・給与所得控除の引き上げをめざしており、どちらかというと「消費税は、所得減税の財源」というようなイメージがあるようです。日本維新の会は「社会保険料は日本医師会利権」というような主張をしており検索ワードで「社会保険料」は増えていません。このため、消費税の即時減税・廃止勢力は、衆参の3分の1にすら届かないと考えられます。

 自民党内で、「石破おろし」の動きは、きょうの時点で確認できたものはありません。自民党のあすの日程では、森山幹事長の演説の予定はありません。が、自民党の党則では、国会議員の過半数の署名で「総裁選前倒し」ができます。8月26日召集でも間に合うなら「フルスペックの党大会での総裁選」が可能となります。自民党本部職員の過労死は懸念されます。麻生派次期会長含みでの岸田文雄さんが有力かと思いますが、まだ早いですね。

 かなり長い政局となります。

 筆者の思い出としては、1998年の参院選で橋本龍太郎首相から小渕恵三首相へと自民党内で政権が変わったことを日本経済新聞政治部で体験しました。このとき、当番デスクが石川一郎さんと言って、テレビ東京の代表取締役会長でした。意外と埋もれていますが、退陣表明は、橋本さんは党本部でTBSテレビ独占インタビューでしています。公然の秘密ですが、開票日の新聞社はNHKを見ながら記事を書いていますから、TBSテレビにチャンネルを変えていなかったという責任までデスクが問われました。申し訳ないけれども事前にお願いしていて出馬会見に私が出席した東京選挙区の中村敦夫候補の初当選の「これはすごい事件だよ」という書き出しのファクスは見向きもしませんでした。この日、私は同日の市長選の結果一覧と、水曜付朝刊まで続く、参院選当選者一覧、グラフをつくる係の2番手でした。このとき、「政局班」で最年少の「新潟4区(中選挙区)出身記者」がふらりと立ち寄り、「大政局なのに、こんなところに居ちゃだめだよ」とのストレスの裏返しの失言は今でも忘れられません。人間の性根はこういうところにでると思います。彼は当時童貞だったと噂されていました。

 石破首相にすがりついてほしいという気もします。無理に森山下ろしに向かうと、財務省の青木主税局長らが、無茶な巻き返しに出て国家が混乱することもありえます。

 以上です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「秋の内閣不信任決議案提出」に野田佳彦・立憲代表が言及、自公が第27回参院選で過半数割れでも第218回臨時国会冒頭の首班指名選挙は石破首相が辞めない限りはなし

2025年07月12日 20時01分26秒 | 第218回臨時国会
[写真]立憲民主党代表の野田佳彦さん、今月2025年7月3日、宮崎県国富町で、宮崎信行撮影。

 鶴保庸介・参議院予算委員長(非改選・5期)は二拠点生活の不用意な発言で、委員長を辞任することになりました。関口昌一議長(非改選)が許可する見通し。

 第27回参議院議員通常選挙は、きょうが8日目で残り10日間。あすがラストサンデーとなります。立憲民主党は来週も既にかなりリードの情勢と目される1人区にも、衆2期の吉田はるみ議員らを投入し、1人区テコ入れと全国比例票掘り起こしに徹する戦術です。

 さて、令和7年2025年7月20日(日)に当選した議員が初登院する「院の構成」の第218回臨時国会がいつ召集されるかは未定です。おそらく8月1日、4日、6日あたりになると予想されます。ここは多くの人が誤解しているところですが、初日の参議院本会議では慣例により議長、副議長が辞任し、向こう3年間の議長、副議長を記名投票します。首班指名選挙は第2次石破茂首相が辞任しない限り、衆参とも行われません。

 立憲民主党の野田佳彦代表は、今週のBS番組で「機能不全に陥っている。参院選で躍進した時は、内閣不信任案を秋のどこかの段階で出す可能性は十分ある」と語りました。逆に言うと、第218回臨時国会冒頭での提出はない見通しです。

 来年度当初予算案・税制改正大綱の決定は例年12月22日ごろですから、その1ヶ月前までに選挙がある前提で、「秋」は関税交渉と関係なく、10月中旬がめどだと考えられます。

 内閣不信任決議案は衆のみで採決され、立憲・維新・国民に加えて令和・共産、そして、保守、有志の会、参政党のいずれか一会派以上が賛成すれば議決されます。が、審議しない参議院では、参政党を入れないと、「不信任過半数」とならないと考えられます。仮に議決・解散となっても、新議会で、野田首相、玉木首相らとなっても、参議院での参政党からの一定の支持がないと政権運営が難航します。

 参政党は、きょうまでに、大阪4人区では2位ではないかとの一部の調査があるほか、東京6人区、さらにトヨタの本社がある愛知4人区でも公明党を上回り当選するのではないかとの情勢もあります。一方、立憲民主党は茨城2人区に来週火曜日に田名部参幹事長(非改選)を派遣するとはいっても「参政党はがし」には熱心でありません。岩盤保守が自民党から参政党に流れていると分析していると考えられます。

 野田さんは先月27日の記者会見で、宮崎信行の質問に答えて「それはやはりそのときの選挙結果次第ではないでしょうか。例えば参議院の選挙でも、例えば自民党・公明党が50議席を割るような状況の中で、総選挙に続いて今回の参議院(選挙)も厳しい審判を受けたとするならば、政権を降りるという政治判断を石破さんがするかもしれない。そうなった場合には従来になかった展開になるということはあり得るということですので、あくまで結果次第だと思います」と答えています。同日夕の蓮舫さん(改選=当選有力の見立て)の小川、手塚正副幹事長に挟まれた演説では「国会議員を20年間やってきて、こう見えても、与野党に友達がいます」と述べ、水岡参議院議員会長(改選=当選有力の見立て)とは別ルートでの調整係に意欲を示しています。

 これを考えると、立憲は、自公議席の少数化をめざして、「参政党はがし」にはのめり込まずに投票日を迎えるとみられます。30年来の「政権交代可能な二大政党制」は「強すぎる参議院」の現行憲法にあわせて「政権交代可能な多党制」に移行する歴史の流れが決定的となっています。

 以上です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする