大延長国会95日間の幕開けと同時に、自民党は、政務調査会の柴山昌彦・財務金融部会長を衆議院法務委員会筆頭理事から更迭しました。同党の伊藤忠彦理事が筆頭理事に昇格しました。
自民党は柴山さんを衆議院財務金融委員会理事に異動させると説明しています。が、法務委が閣法7本を残しているに対して、財金委の閣法はゼロ。
更迭であることは間違いありません。
自民党は、有力支援者である、金融業界の後押しで、連帯保証の公正証書化などを定めた、民法債権編抜本改悪法案(189閣法63号、189閣法64号)を提出し、財金部会長を法務委に送り、確実に成立をめざしてきました。
しかし、刑事訴訟法改正案(189閣法42号)で、民主党の山尾志桜里筆頭理事、維新の党の井出庸生理事の2期生コンビ。そして、共産党の清水忠史さんらを含む、情熱審査が、自民党筆頭理事を交代に追い込みました。
こちらをご覧ください。
[写真]三菱銀行が経営するサラ金「アコム」のポスター、2015年6月某日、某所、筆者(宮崎信行)撮影。
三菱銀行が経営する、悪徳高利貸しのサラ金「アコム」のポスター。「35日ごとに返済コース」を選ぶと、「最初の30日間金利ゼロ」と、ぬけぬけと書いています。人をバカにするにもほどがあります。取り締まるべきです。この三菱銀行は、日本で2つめの、単年度黒字1兆円超え企業となりました。このように金貸し、サラ金が平然とはびこり、まして、前社長が第31次地方制度調査会会長として、日本の自治体をがんじがらめにする社会主義化を進めています。恥を知れ、金貸し!サラ金を日本から撲滅しましょう!
民法債権編抜本改悪法案の「連帯保証の公正証書化」と、サラ金の「35日ごと返済コースなら30日間金利ゼロ」は、ある意味軌を一にした話です。
民主党政権なら、こんなことは絶対やりません!
今後も、参議院で可決した法案や日切れ法案が審議入りしていないことから、民法債権編抜本改悪法案の審議未了廃案の可能性が大きく浮上してきました。
【平成27年2015年6月30日(火)衆議院法務委員会】
その法務委では、きょうは「証拠収集への協力および訴追の同意制度」に絞って議論しました。民主党の鈴木貴子さんは「なぜ司法取引と呼ばない?」とし、山谷国家公安委員長が過去にあいさつなどでも使っていると指摘しました。
刑事訴訟法改正案(189閣法42号)は、あす午前9時から、郷原弁護士らを呼んで参考人質疑(おそらく3度目?)を行いながら、ていねいな審議が続きます。
【同日 衆議院本会議】
「JA全中を廃止する、農協法・農業委員会法改正案」(189閣法71号)が可決し、参議院に送られました。
この法案は、民主党の対案である地域のための農協法改正案(189衆法21号)の内容を、維新の党が閣法に反映させて修正してしまいました。そのため、採決は、まず民主党対案の原案を採決して賛成少数で否決。次に、閣法の修正部分を採決し、民共の反対、自公維の賛成多数で修正可決し、参議院に送られました。民主党対案はこれで廃案ですので、参院には送られません。
討論では、自民党の加藤寛治さんが「JA全中を頂点とするピラミッド型の上意下達ではいけない。農業者の農協にする」と語りました。自民党の「農業者の農協」と、民主党の「地域の農協」のたたかいとなりました。ただ、私自身は、「農業者の農協」であるべしとの強い信念を持っていることは付言しておきます。
珍しいことがありました。合計4名の討論中に、たびたび議場内交渉係が交渉スペースに集まりました。たいていは閣僚の答弁漏れが多いのですが、きょうは討論演説ですからそれはありません。時間オーバーが議長から注意されましたが、おそらく野次が問題になったのではないかと考えられます。延長国会最初の本会議がこれではダメです。
これに先立ち、貿易保険法改正案(189閣法52号)が可決しました。民主党政権の独法改革を継続して、独法から株式会社に改組する法律案です。資金が底をつきそうになったら、国が負担します。
特定船舶入港禁止法にもとづく入港禁止を2年間延長する措置の承認を求める件(189承認3号)は、国土交通委員長から報告され、全会一致で可決し、参議院に送られました。
【同日 参議院内閣委員会】
「特区法改正案」(189閣法65号)が石破茂地方創生相から趣旨説明され、散会しました。当初会期中に本会議で趣旨説明されていました。なお、衆議院では一括審査した、改正地域再生法と第5次地方分権一括法は他の委員会で審査され、すでに成立、公布されています。一方、女性の職業生活での活躍推進法案は、内閣委に付託される見通しですが、本会議での趣旨説明はまだされておらず、吊るしたままです。
【同日 参議院国土交通委員会】
「建築物のエネルギー効率を向上させる法案」(189閣法58号)が審査され、全会一致で可決しました。なお、この審議中に、箱根山の800年ぶりの噴火、東海道新幹線「のぞみ」の火災による死亡事故という2つのニュースが入ってきました。ともに神奈川県西(けんせい、小田原など)、国土交通省マターで、そのためか、各議員が質疑時間を少しずつ省いてスピード審査に協力したようです。
【同日 参議院文教科学委員会】
「放射線医学総合研究所の名称を量子科学技術・研究開発機構にする法案」(189閣法35号)が共反対、自公民維の賛成多数で可決しました。衆院段階ではJCO・福島原発事故の記憶が生々しい放医研の名称をなくすことが情報公開に反するため、民維の修正案が委員会に出ましたが、参院では共産党の反対討論のみでした。附帯決議がつきました。
【同日 参議院経済産業委員会】
「特許法改正案」(189閣法44号)と「不正競争防止法改正案」(189閣法45号)。衆では別々でしたが、参では一体審査。政府参考人から「キヤノン株式会社では発明した社員だけでなく、発明に協力した社員も賞状、賞金をもらっている」と称賛されました。とはいえ、特許、企業秘密とも、会社員に厳しく、会社にやさしい法案です。質疑の終局を宣言し、討論・採決は次回に持ち越しました。
以上
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