【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

身の程知らずの参議院で全会一致のっけから崩れる、山本太郎「波風立ててほしくないのか?」共産「二重ローン救済法はグループ補助金にも使える」

2018年01月31日 19時11分15秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]参議院、5年前の2013年、筆者・宮崎信行撮影。

 直近の民意である衆院選を経ていないのに、大臣だの、最大野党党首だの、身の程知らずの参議院。きょうから補正予算の審議が始まり、テレビ入りで無駄な時間が繰り広げられました。そんななか、「二重ローン救済法延長法案」(196参法1号)の審議で、希望の会(自由)の山本太郎共同代表が「全会一致で通すために波風を立ててほしくないのか」と反対し、全会一致が崩れました。

【参議院予算委員会 平成30年2018年1月31日(水)】

 「平成29年度第1次補正予算案」は既に趣旨説明を聞いており、審議は合計2日目になりますが、きょうは、テレビ入りで基本的質疑1日目がありました。

 民進党は働き方改革関連法案(未提出)などを質問。

 自民党は、5年前の特定秘密保護法強行採決で最後の質疑者となった、宇都隆史さんが「テレビ入りなので、政府におかれましては、国民に分かりやすいていねいな説明をしてほしい」と切り出しました。そして、野党が攻め始めた、「NEDO・ペジーコンピューティング不正補助金問題」から質問。私は、おっと思いましたが、世耕弘成経済産業大臣に対して、意義のある事業への補助金だった、と釈明させたような印象でした。これに先立つ、片山さつきさんも、世耕大臣や、中川雅治環境大臣ら参議院出身者への質問が目立ちました。

 宇都隆史さんは、「インド太平洋戦略」について。宇都さんがきょねん、豪州を訪れ、ターンブル豪首相と会う機会があったとすると、安倍晋三首相(自民党総裁)が「首相訪日時に、習志野駐屯地に一緒に行った」、といくら準同盟国とはいえ、きな臭い問答を繰り広げました。さらに、核保有国のインドについて、宇都さんは協力の対象になるとしました。また、首相の答弁で、中期防改定にあわせて防衛計画の大綱も改定するといおう趣旨の発言がありましたが、順序は大綱→中期防です。前日の衆議院での補正予算には概算要求を前倒したと平然と答弁するなど、防衛省は変な答弁を書いているような印象があります。良くも悪くも、陸軍兵学校や海軍士官学校があった70年前とは違うというところです。

 明治維新ブームということもあり、高知県選出の高野公二郎さんは「薩長土肥」と言及。2010年の選挙では、坂本龍馬のコスプレ姿をホームページで披露していた高野さんですが、そのときは、惜敗。2013年に当選。きょうは、改憲の必要性を説きました。明治維新組が改憲派で、我々東北甲信越組が護憲派という色分けができつつあるのも、興味深いというか、訳の分からないところです。石井準一さんに一声かけられた高野さんは急に質問を止めました。

 衆参とも自民党国会議員が、憲法論争であげる笑いや野次が、実はよく理解していないのではないかと感じることがあります。芦部信喜「憲法」を読みましょう。

【参議院東日本大震災復興特別委員会 平成30年2018年1月31日(水)】

 山口県選出の江島潔委員長と、福島県選出の吉野正芳復興大臣が出席。

 「東日本大震災二重ローン再生支援機構法の3年強延長法案」(196衆法1号)

 衆院側の谷公一委員長は趣旨説明で「参議院議員のご提案による法律だ」と、2011年震災国会での参議院野党自民党をたたえました。

 討論を、山本太郎自由党共同代表が求めました。山本さんは「修正案提出が認められなかった。時間がギリギリだからだということだ。委員長提案で全会一致で通す予定なのに波風を立ててほしくなかったのか。質疑も認められなかった。ただ、委員長や理事が討論を認めてくれたので、反対を表明する」とし、きょねんの、臨時国会召集要求書の政府の放置を批判しました。ただ、山本さんは「意味不明な国難解散」とも言いましたが、衆議院解散を批判することは参議院議員には許されないことです。

 衆院側では討論しなかった、共産党の紙智子さんも討論を求めました。賛成討論で紙さんは、「今後はグループ補助金の借り換えにも使える」と語りました。2011年民主党政権の枝野幸男官房長官が数少ない褒めてもらえた政策だというグループ補助金。ただ、私は以前から気にしていたのですが、グループから離れて、廃業したり、転出したりする人が出た場合はどうするのか。時間が経ってから広がる被災格差もあるだろうに、グループから抜けられない悩みもあるのではないかと思っていました。グループ補助金の借り換えにも使えるということならば、震災前より事業を拡大するのも自由だし、故郷を離れるのも自由です。震災から7年経って、そろそろ、自由という概念をしっかり持っていきたいものです。例えば、将来大臣になれるかもしれないと口をつぐむ自由、というものもあるのかもしれません。

 採決。

 希望の会(自由)が反対し、自公民共維などの賛成多数で可決しました。あす成立のはこび

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補正予算案は、立希無共は反対で一致、自公維の賛成多数で可決、麻生財務大臣、忖度職員「みよし」「いけだ」の明言拒み止まる

2018年01月30日 17時15分19秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 補正後の今年度一般会計を99兆円とする、平成29年度第1次補正予算案は、きょう、平成30年2018年1月30日(火)の衆議院本会議で、立希無共の反対、自公維の賛成多数で可決し、参議院に送付。今週末成立のはこび。

 また今国会法案第1号として「東日本大震災事業者再生支援機構法を3年強延長する法案」(196衆法1号)も衆議院で可決し、参送付。

【衆議院本会議 平成30年2018年1月30日(火)】

 「平成29年度第1次補正予算案」が可決。

 続いて、

 「東日本大震災再生事業機構法改正案」(196衆法1号)が採決され、全会一致で可決しました。二重ローン買い取り機構を、2021年3月31日まで延ばす改正法案。

 冒頭、渡部一郎・元公明党国会対策委員長への弔詞が朗読されました。

【衆議院予算委員会 平成30年2018年1月30日(火)】

 平成29年度第1次補正予算案の審議3日目、そのうち基本的質疑2日目。

 午前中は、前日の続きで、無所属の会、共産党、維新の3野党の今年初の第一委員室審議が国会中継されました。

 この後、昼の理事会で採決に合意したとみられます。

 平成29年度第1次補正予算案の締めくくり質疑は、15分前後遅れで、始まりました。後述の原口一博さんの、「みよし」「いけだ」の首相夫妻「忖度」職員の名前を出すよう求めた問答で、十数分審議が止まりました。

 午後3時35分頃に質疑終局。討論では、自公が「全世代型の社会保障だ」と賛成、立憲民主党が「補正の趣旨に沿わない」と反対しました。この後、明治維新150周年の国会にのぞむ、希望の党の小熊慎司さんは「佐川国税庁長官の国会出席を求める。仮に国会に出席しないなら辞任すべし」と同じ福島県出身の佐川さんに求めました。討論は反対。無所属の会も反対。共産党の藤野保史さんは防衛費の債務負担行為の補正で「新規の後年度負担は(総額で?)2・3兆円になる」との試算を発表して、反対。維新は賛成しました。

 この後、3時55分前後に可決しました。次回は公報。散会。

 午前中のテレビ入り質疑で、原口さんは改憲について質問。安倍首相は9条2項の「芦田修正論」を歴代政府はとっていないとの従来の見解を強調。「2項削除論」を安倍さん本人はとっていない、と明言しました。

 赤嶺政賢さんは、松本文明内閣府副大臣の発言について、在日本沖縄米軍のヘリ飛行について。松本発言については、総理はすでに何度も謝っています。共産党はその後初登場とはいえ、場数を踏んでいる赤嶺さんは、総理への再度の謝罪要求はもちろんせず、個別論に。日米地位協定を実施する航空法特例法が適用され、国内の航空法が使われないことを、石井啓一国土交通大臣からの答弁で明らかにしました。日米地位協定について、首相は答弁にイライラしたようで、午後の基本的質疑で、立憲民主党の本多平直さんに対して「いろいろと居丈高なことをおっしゃっているが、(民主党よりも)安倍政権の方がよっぽど基地負担の軽減を進めており、気に入らないのでしょうが!」と挑発的に言い返す場面がありました。本多さんは安倍首相が就任後7回訪沖しながら、一度も、辺野古、普天間に行っていないことを指摘していました。

 午後の締めくくり質疑。昼の理事会で、会計検査院が存在を明らかにした、財務省の近畿財務局内で、森友国有地をめぐって、安倍晋三首相夫妻と理事長の近さを忖度する職員同士のやりとりに登場する財務省職員が「みよし」「いけだ」という名前だと、財務省理財局総務課長らが明らかにしたようです。

 これを受けた、午後の締めくくり質疑で、原口一博さんが、委員会の場で名前を明かすよう問いました。これに対して、麻生太郎財務大臣は、担当の理財局長が政府参考人として出席しておらず、麻生氏本人は名前を知らないとしました。また、麻生さんは財務省が理財局長の政府参考人出席を、原口さんが断ったと、麻生さんは語りました。

 6分ほどの中断の後、河村建夫委員長が、「質問通告が無かった」としながらも、麻生大臣に答えるよう促しました。

 麻生大臣は「みよし、いけだ、と言う名前だと聞いている」としながらも、当該文書に登場する人物かどうか確認できない、としました。

 立民の本多平直さんは、上述の沖縄をめぐる問答のほか、茂木敏充・経済再生相が地元で線香、手帳を配った件について。野田聖子総務相が前日の答弁で、公選法の「氏名を類推するような形で配ってはいけない」という部分を、わざと読まなかったのではないかとただしました。本多さんの質疑で、小野寺五典防衛相が「概算要求の前倒しも入っている」と答弁。北朝鮮有事で概算要求を前倒しても、数週間の発注前倒しに過ぎず、こういう答弁を平然としてしまうところに、閣僚・防衛省の驕りを感じました。

 麻生太郎財務大臣は、希望の党の稲富修二さんに対してのっけから、「たしか、(私と同じ)福岡だったよね?」とお得意のいじめを展開。吉田茂はねっから嫌な奴だったので、こういうことはしなかったでしょう。お坊ちゃまギャングの馬脚をあらわしたように感じます。

 希望の柚木道義さんはきょうはフリージャーナリストの伊藤詩織さんが傍聴しているとし、著書「ブラック・ボックス」で指弾した、元TBS記者のフリージャーナリスト山口敬之氏による準強姦行為を、北村格・警察官僚がもみ消した件に関して。さらに、ペジー・コンピューティング社が、キャピタル東京レジデンスの月200万円の家賃の資金提供下ではないか、と質しました。

 2度目の登場の原口さんは、ペジー・コンピューティングをめぐって、NEDOの古川一夫理事長に質問。


[画像]古川一夫・NEDO理事長、2018年1月30日の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 NEDOの副理事長は経産官僚のようですが、古川理事長は、日立製作所の出身のようです。このため、答弁はなれていないようです。さいきんでは、民間出身のNHK会長、日本年金機構理事長らがターゲットになったことがあります。衆参とも野党の会派が分かれているので、古川さんがターゲットにされるかもしれません。世耕弘成・経産省の後フォロー答弁も、少し、納得いかない雰囲気がありました。

 この後、上述の「みよし」「いけだ」をめぐる問答があり、33分前後遅れで、共産党の藤野保史さんの質疑が始まりました。この後、維新の質疑者し、質疑終局。討論。採決。次回の日程は公報で知らせることにして、3時55分頃に散会しました。

【参議院議院運営委員会 平成30年2018年1月30日(火)】

 国会同意人事をめぐり、続投が政府から提案された、会計検査院の森田検査官(公認会計士)と公正取引委員会の杉本和行委員長の所信を聴取しました。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 本会議の段取り。

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1年前の公明党の説明は本当だった、給付型奨学金予算100億円増える、平成30年度予算案

2018年01月29日 20時48分38秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ
 
平成29年度予算案の給付型奨学金「2800人×48万円以下」公明党政調会長「小さい」と認め「小さく生んで大きく育てる」と語る
[画像]平成29年度予算書の該当部分、赤線は筆者加筆。 公明党の石田祝稔政調会長は、平成29年2017年1月29日のNHK日曜討論で、平成29年度予算案(提出済み)で新しく設けられ......
 

 


森友・財務省に破棄されない法律相談の文書があったと会計検査院、生活保護基準見直し迫る「補正予算案」審議始まる、衆復興特委では二重ローン救済法延長法案が起草され全会一致、今週成立へ

2018年01月29日 16時50分18秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 2月22日の日切れ法案となっていた、東日本大震災二重ローン救済機構の延長法案が衆議院委員会で可決。今週成立することが確実になりました。衆議院では、いよいよ、予算委員会が始まりました。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会 平成30年2018年1月29日(月)】

 谷公一委員長(自民党)が、「理事会で協議が整い起草する」として、

 「二重ローン救済機構法3年延長法案、東日本大震災事業者再生支援機構法を改正する法律案」(196衆法おそらく1号)を起草。採決の結果、全会一致で、委員長が本会議に提出すべし、と決まりました。

 第179回国会で成立した現行法により、2427件の相談を受けて、732件の債権を買い取り、救済した、と説明。地域の雇用拡大に資した、としました。そして、3年強、2021年3月31日まで法律を延長する、という改正案が可決されました。ただ、今後の3年間で、2600件の相談を受ける見込みとのことですが、ちょっとそこまで需要があるのだろうかと、感じました。3年延長は良いとして、その後は、かなりていねいに廃止に向かうべき特例措置のように感じます。

【衆議院予算委員会 同日】

 平成29年度第1次補正予算案の審議2日目。基本的質疑1日目。

 ことしのテレビ入り第一委員(会)室、初日となり、自公立希の4党が登場しました。

 野党トップバッターの長妻昭さんは、「与党2、野党8で質問時間を割り振る、8年間続いてきた慣例が破られた」とし、与党3、野党7の配分を批判しました。

 川内博史先生は、学校法人森友学園に対する近畿財務局の国有地払い下げについて、法律相談の記録文書が残っていたことを初めて明らかにしました。会計検査院長と財務大臣とのやりとりの中で判明。きょねんの佐川理財局長の答弁が虚偽だったかどうかについては、決着はつきませんでした。

 先週、松本文明・内閣府副大臣が、米軍沖縄予防着陸をめぐって、志位和夫さんに対して衆議院本会議場で「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばし更迭された件で、安倍晋三首相は「任命責任は私にある。改めて深くお詫び申し上げる」と陳謝しました。いわゆる「クビをとる」ことを、予算審議が始まる前に政府与党内だけで処理して初期消火に成功したかっこうです。1年前は、文部科学省の事務次官が辞任したことで、政務の「クビ」は今村復興相の失言まで安泰となりました。

 川内先生は、生活保護基準の引き下げについて質問。厚労省社会・援護局長は「社会保障審議会生活保護基準部会に、5年に1度の消費実態調査のほか、物価や賃金の動向を参考資料をとして提出している」としました。川内先生が「その資料は議論していないのではないか」と問うと、政府は認めました。川内先生が「予算書に載っているが、基準はまだまだ決まっていない。もう一度検討の余地がある」と再考をうながしました。

 安倍首相は、明治150周年について「明治時代に戻ろうといっていないし、明治を上から目線で断罪するわけではない」とし、アジア諸国など海外の情勢を考慮することが大事だとしました。また、官軍賊軍という言葉を念頭に置きながらも言葉を避け、「西軍が良くて東軍が悪いわけではない」としました。これに対して最大野党からは「注意をして発言してほしい」という全く意味の分からない発言があり、場内からもそのような指摘があったようです。その質疑者は、なら質疑時間を持って寄越せ、というまったく支離滅裂な世界観を開陳し続けました。

 希望の党の後藤祐一さんは「補正予算案の審議をする」とし、草津白根山の噴火で、対象の山は常時監視対象でなく、補正での措置が必要でないかと問いました。安倍首相のもと、選挙後に補正がされる傾向があると指摘すると、安倍首相は「選挙のためにバラマキをしているのではない」としました。首相は、仮に選挙対策だとしたら、選挙後にやるよりも、選挙前にやるほうが有効ではないかとの見解を示しました。雰囲気からすると本当にそう思っているようにも思え、自民党という利益の誘導と分配の巨大装置の上で、首相もその神輿にうまく乗っているような気がします。

 希望の大西健介さんは、働き方改革関連法案(未提出)を念頭に、NHK記者過労死事件について、NHK会長に質疑。 

【参議院 同日】

 無し。

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【速報】コインチェック(CC)仮想通貨ネム、麻生金融大臣「不正アクセスで流出」「登録されつつある会社であって登録されていない」「ネット接続金融庁知らず」

2018年01月29日 16時05分35秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 麻生太郎金融担当大臣(副総理、財務大臣兼務)はコインチェック(CC、東京・渋谷)の仮想通貨「ネム」をめぐる事件について、衆議院予算委員会で答弁しました。

 これは、きょう、平成30年2018年1月29日(月)の補正予算案の審議で、午後3時55分ごろに初めて話題になりました。

 麻生金融相は、同社は「登録されつつある会社であって、登録された会社では無い」と語り、金融庁に仮想通貨交換業者として許認可されていないことを強調。

 先週金曜日の事件については、「コインチェックという会社に不正アクセスがあり、500億円を超える仮想通貨が流出している」と語りました。社内でのなんらかの不正ではなく、インターネットを通じて、何者かが不正アクセスしたことを認めたと思われます。

 麻生大臣は金融庁が土日返上で対応したとし、「きょうの10時30分に、私たちとしては業務改善命令を出した」と語りましたが、内容はについて伏せました。

 質問した、希望の党の後藤祐一議員は、インターネットに接続したホットウォレットと、接続していないコールドウォレットがあると指摘すると、麻生大臣は「インターネットから切り離していなかったかというと、事実なんだと思う」としながらも、「金融庁としては承知していなかった」と語りました。

 ポイントとしては、今後は、登録されていないのに大々的な広告がされていたことや、不正アクセスを認めたことで所管の警視庁との関係、業務改善命令は内容によっては、会社の回転が止まって、補償などができなくなる懸念などがあります。改正資金決済法で、通貨であると公認された仮想通貨の黎明期において、金融庁はさまざまな想定による危機管理が求められています。

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高度自動運転車システムでの、自動車損害賠償法や道路交通法などの改正法案、2019年通常国会にも提出へ

2018年01月28日 16時05分42秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 高度自動運転車について、自動車損害賠償法(自賠責法)、道路交通法、民法、刑法、製造物責任法などの改正案が2019年通常国会(平成31年で、5月に改元し、新元号1年)に提出されるはこびとなりました。

 「自動運転に係る制度整備大綱」を、ことし2018年5月、国土交通省内の「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」(座長・落合誠一東大名誉教授)の論点整理をもとにして各省庁横断的にとりまとめることになりました。

 同研究会では、自動運転車について

 「高度自動運転システムの定義と特定」
 「車両として安全を確保するために必要な技術的要件の考え方」
 「システムによる運転を踏まえた道交法等の交通ルールの在り方」
 「民事責任の在り方(製造物責任の考え方の適用を含む)」
 「刑事上の責任に係る論点整理」
 「原因究明体制の整備の必要性」

 といった幅広い論点整理がなされています。

  同研究会について、国交省はホームページで、「自動運転では、システムの欠陥・障害等による事故が想定され、事故原因・責任関係の複雑化が予想されるため、事故時の責任関係に係る制度面での取組みが必要となっています。  このため、国土交通省では「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」を設置し、自動運転における自動車損害賠償保障法の損害賠償責任のあり方について検討を行うこととしており、研究会を次のとおり開催しました」と説明しています。

 自動運転車の、開発や国際競争力をそこなわないようにしながらも、まず、自動運転システムにかかる用語の定義づくるなどが、法改正案で注目されそうです。

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参代表質問終わり、衆で予算案審議入り、週明けテレビ入り質問

2018年01月26日 17時28分04秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 参議院での代表質問が終わり、衆参とも予算委が、平成29年度補正予算案に加えて、平成30年度予算案の趣旨説明まで聞きました。週明けに衆予算委のテレビ入り補正予算案審議がある予定。召集1週目のはこびは、与党ペースで進みました。

【参議院本会議 平成30年2018年1月26日(金)】

 政府4演説に対する代表質問最終日。

 公明党の山口那津男代表、共産党の小池晃さん、維新の片山虎之助元総務大臣、民進党2人目の藤田幸久元財務副大臣、自民党2人目の松村祥史元経済産業副大臣、社民党の福島瑞穂元消費者相、立憲民主党の福山哲郎元外務副大臣が質問しました。こうしてみると、参議院がら政府や政党の幹部に成り過ぎだし、二大政党は衆と違い、参では2人質問しています。もう少し参議院議員は身の程をわきまえるべきです。

 公明党の山口那津男さんは、2兆円の政策パッケージに高校授業料無償化が入ったと評価し、安倍晋三首相(自民党総裁)は「公明党と手を携えて実現させたい」と話しました。

 ●社会保障費32兆円は無駄ではなく応能負担を徹底すべきだ

 共産党の小池晃さんは、衆と同じく、森友学園問題から入り、佐川国税庁長官の更迭を求めました。その後、法人税の負担上げを求めました。ただ、私は昨日も指摘しましたが、野党がこぞって「増税の対案」を示す対案主義はおかしいのではないかと考えます。

 この後、小池さんは「社会保障の自然増の削減はきっぱり中止し、応能負担とすべきだ」と提案しました。これは我が意を得たりの面があります。昨年末の予算編成でも、日経新聞などが「社会保障費32兆円」との見出しで、このお金が無駄なものだとの前提で論じます。ただ、保育士の給与アップも、介護従事者の処遇改善も32兆円の中に入ります。

 たとえば、きょう、たまたま参加している組織で、日大医学部教授の講演を聞いたとします。医学のみならず、ユーモア、海外、芸術なども取り入れた素晴らしい講演を55歳ぐらいの日大医学部教授がしてくれたとします。講演料は雑所得として、その人の給料は、日大医学部の学費と文科省からの私学補助金と、日大病院の患者の自己負担と、健康保険7割となります。おそらく、文科省よりも、厚労省・健康保険組合ルートのお金の方が多いのではないでしょうか。そういうお金も、年32兆円の中に入っており、経済が循環している以上無駄ではありません。

 おそらく第2次小泉内閣の頃から言われ出した、「社会保障費の自然増の削減」は今世紀の財務省文学の傑作だと考えます。高齢化により、自然増は避けられず、その中の削減幅をとるべきという立論です。最近の、「消費税率10%据え置きによる代替財源」などという財務省文学は、有り得ない。税率を8%に据え置くことの代替など有る訳無く、議論が混乱するのでやめた方がいいと思います。

 小池質問に戻りますが、「社会保障費の自然増の削減」という言葉は私は続けていいと思いますが、応能負担を徹底することで、削減を強調することはないと考えます。経済は循環であり、政府支出は民間収入です。

 小池質問に対する安倍答弁は見事でした。「全世代型の社会保障を推進し、成長と分配の好循環を実現する」などとしました。つまり、保育などの歳出は増やすことを明言しながら、介護などでも従事者に向けた活性化も示しているわけで、社会保障費32兆円は無駄だ、という論陣を張っている人を今後見かけたら、ちょっと財務省の洗脳がひどいな、と感じることになりそうです。

 小池さんは続けて、働き方改革関連法案(未提出)の労働基準法36条の上限時間規制について、「月100時間とすると、月80時間で過労死した人が合法化されてしまう」と訴え、労働者の働き方ではなく、使用者の働かせ方改革だと批判しました。

 維新の片山虎之助さんは、憲法を改正する必要が生じることを、立法事実ならぬ「憲法事実が必要だ」と定義し、「国民投票が行われることで、憲法について初めて国民が主権を行使することになる」としました。

 藤田幸久さんは「国際NGOの経験からすると、宗教同士が戦争を始めるのではなく、政治家が宗教を使って戦争を始めるのだ」との世界観を示し、「安倍内閣は戦後日本の平和主義、民主主義、基本的人権を否定しているようにも見える」との歴史感を示しました。

 自民党2人目の松村祥史・元経産副大臣は、「人口減は国難だ」との首相のフレーズを再強調しました。

 社民党の福島みずほさんは、安倍内閣の国際援助の表明額が多過ぎると批判。

 立民の福山哲郎さんは「補正予算案のスタンドオフミサイルは中期防衛力整備計画に入っているのか」とただし、首相は中期防に沿っていると答弁しました。

 午後4時12分頃に、質疑が終わり散会しました。

【衆議院予算委員会 同日】

 ●補正に加えて、平成30年度当初予算案も審議入り

 参議院本会議散会後すぐに、全閣僚が出席して開かれました。平成29年度補正予算案に加えて、平成30年度当初予算案についても趣旨説明を聞きました。補正審議1日目、当初予算審議1日目となりました。

 麻生太郎財務大臣の趣旨説明では、平成30年度予算案の歳出は、一般歳出が58兆円、地方交付税が15兆円、公債償還歳出が23兆円の合計97兆円。歳入は租税収入が59兆円で、その他税外収入が5兆円、公債発行に伴う現金収入が33兆円で、合計97兆円となっています。また、復興特会は2・3兆円。財政投融資は14兆円。うえの賢一郎財務副大臣の補足説明では、財投機関債の発行は12兆円。麻生大臣は、平成30年度予算案は、「新しい経済政策パッケージ」を予算化し「子ども子育て安心プラン」を前倒した予算だとしました。社会保障関係は薬価の抜本的改革で抑えたとし、教育費は義務教育の定員配置を充実させたとしました。地方交付税は地方の税収増に伴い国庫支出は減らしたと説明。防衛関係費は、北朝鮮の重大かつ差し迫った脅威に対応するため5兆1911億円をつけたとしました。また、うえの副大臣の補足説明では、復興特会から0.3兆円を譲与税及び交付税特会に繰り入れているとしました。また、ODAが0・1兆円強、JICAが0・1兆円強、国際分担金が0・1兆円強あるとしました。農村基盤整備費用は0・6兆円だとしました。

 続いて、週明け月曜日から質疑が始まる、平成29年度第1次補正予算案について趣旨説明がありました。麻生大臣は、「生産性革命、人づくり、防災減災、総合的なTPP大綱」を補正予算化したと説明。歳出の追加は2・7兆円で、他の経費の減額補正とあわせて、1・6兆円プラスして、今年度予算は補正後99兆1095億円になったと語りました。また、財投も「足元の旺盛な設備投資需要にこたえる」との理由から、今頃になって、0・2兆円積み増しました。

 この後、河村建夫委員長が、日銀総裁と独立行政法人の役職員の参考人招致について一任をとりつけました。ペジー社スパコン問題で、NEDOの理事長が呼ばれることは必至でしょう。この後、補正の審議を、週明け29日(月)午前8時55分から開くと発表し、散会しました。

●参議院でも当初予算案の趣旨説明まで終了

【参議院予算委員会 同日】

 参議院予算委員会は前日設定されており、その後から、衆議院予算委員会も設定されたため、きょうは、予定通り、補正と来年度予算案双方の趣旨説明を聞くという、与党ペースのはこびとなりました。

 平成29年度第1次補正予算案の審議1日目、平成30年度当初予算案の審議1日目となりました。

 麻生大臣の趣旨説明。この後、衆側が本予算審議で白熱しているであろう、2月19日(月)と2月20日(火)の1泊2日で、委員派遣を、京都府と大阪府ですることを決定。段取りは金子原二郎委員長に一任されました。

 来週の水曜日頃から、補正を審議。その後、1カ月以上の冬眠期間を経て、3月上旬以降、本予算審議2日目としていきなり基本的質疑から始まることになります。次回は未定のまま、きょうは散会しました。

【参議院国家基本政策委員会 同日】

 鉢呂吉雄委員長が理事を補い、衆院側との合同審査会の手はずを整えました。

【参議院懲罰委員会 同日】

 溝手顕正委員長が、理事に尾辻秀久さんを補い、散会しました。

●追記
 
【衆議院議院運営委員会 きのう、平成30年2018年1月25日(木)】

 きのうの議運では、本会議の段取り以外に、国会同意人事案である、公正取引委員長の続投と、会計検査院検査官の続投について、各々、本人に対する質疑があったそうですので、ここで追記します。公取委員長10年やったら、すごい収入でしょうね。

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【刑事訴訟法及びオウム新法の施行状況】公安調査庁がオウムの常時監視継続も、麻原死刑囚らに執行の環境整う

2018年01月26日 13時02分26秒 | 法律の執行状況

[写真]公安調査庁、3年前の2015年、筆者・宮崎信行撮影。

 まず、今月、最も政治的だといわれた最高裁判所長官が交代して、その翌週に裁判官が辞任しました。これについて当ブログは「職業裁判官」、つまり、司法修習を終えてから裁判官をしていた人だとしましたが、検察官出身の最高裁判事でした。また、この方は69歳で亡くなりました。亡くなる直前まで、判事をつとめたことになります。

 さて、いわゆるオウム新法こと団体規制法の執行状況として、オウム真理教改め「アレフ」「光の輪」「山田らの集団」が向こう3年間、公安調査庁の常時監視を受けることになりました。これは、前最高裁長官同様に、法務省民事局長や法務大臣官房課長の経験も持つ、裁判官出身者が委員長をつとめる「公安審査委員会」が決定しました。

オウム観察処分、6度目更新=ひかりの輪、新組織も―公安審査委員会


 公安調査庁は1000名以上いて、暇なはずですが、まだホームページには出ていません。

 「山田らの集団」というので、てっきり衆議院本会議場で、公安調査庁の常時監視の趣旨をまちがえてヤジを飛ばす自民党衆議院議員とその周りにいる同期議員かと思いきや、さにあらず。分派した30人ほどのオウム信者だそうです。

 一方、麻原死刑囚の確定後に、出頭した、元信者の女性に無罪、高橋被告に無期懲役が確定しました。麻原らオウム13死刑囚の執行の環境は整いました。

 刑事訴訟法第475条は以下のように定めています。

 「前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であった者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。」。

 これにより、早ければ、第196回通常国会中にも、麻原らが死刑になる公算が高まりました。これに前後して、旧オウムらが「教祖奪還作戦」などをするかもしれず、これに関しては公安調査庁の役割は期待されます。

 陰謀論ではありませんが、なぜ最高裁長官が交代したとたんに、裁判が確定したのか分かりませんが、法務省・最高裁事務総局・公安調査庁が国益と刑法体系をしっかり維持するかどうか、注目されます。

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あれから10年・・・宮田元道路局長、首都高速社長として降雪復旧遅れを謝罪、ガソリン国会で矢面

2018年01月25日 19時27分04秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会

[写真]首都高速道路社長として謝罪する、宮田元道路局長、2018年1月25日放送のNHKニュース7を筆者・宮崎信行撮影。

 あれから10年の時がたちました。

 第169回通常国会ガソリン国会から、10年経ち、宮田元道路局長が首都高速道路社長として謝罪する姿が、NHHKニュース7で報じられました。

 これは、今第196回通常国会召集日に、東京で4年ぶりの大きな降雪がありました。それから4日経っても、首都高速で凍結などで通行止め部分が複数あることを謝罪したものです。

 第169回通常国会で、揮発油税の暫定税率が、税収が直接特別会計に入り、目的税的に歳出される、特定財源として使われていることを、最大野党・民主党が問題視。特定財源が流れる、道路特別会計、治水特別会計など(民主党政権下につくられた法律にもとづき、社会資本整備特別会計に一本化され空港整備勘定を除き、廃止)の無駄遣いが衆議院国土交通委員会などで徹底的に攻撃されたのが、「ガソリン国会」「ガソリン値下げ隊」で、翌年の政権交代につながりました。

 宮田年耕さんは、たびたび答弁で立ち往生する冬柴鉄三国土交通大臣を助け、耳打ちしたり、メモを渡したり、自ら答弁したりして、大臣を助けました。宮田道路局長は、第169回通常国会閉会直後に、国交省を退職。翌年の第45回衆院選で、冬柴さんは落選し、引退。亡くなりました。

 私は、冬柴さんや宮田さんが悪かったとは思いません。ただ、首都高速も、JRも、過去の借金の重しに耐えられず、メンテナンスができなくなっているような気がします。

 やはり借金が多いと、後々響くということを感じます。

 国交省をめぐっては、さいたま新都心の出先機関で、タクシーチケットの半券を開示しない役人を、5階から18階まで歩いて追いかけた、古本伸一郎衆議院議員、大久保勉参議院議員は、政権下で政務官・副大臣をやりました。ただ、大久保さんは県連内のいじめで、立候補できず、国会からは去りました。

 一方、10年経っても、川内博史さんは、1万ページの資料を読んで、予算委で質問し、野党内から賞賛されています。

 国会議員の歳費も、与党2、野党1ぐらい、差をつけるといいのかもしれませんが、与党でも野党でも歳費は変わりませんから、現職の野党議員はのんびりしたものです。

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衆院代表質問、岡田克也代表はものづくり補助金0・1兆円問題視、維新・下地幹郎さん「明治150年で地方分権を」参・本会議では自民党・吉田博美さん「雇用が改善したから働き方改革ができる」

2018年01月25日 18時28分48秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[画像]岡田克也さん、2018年1月25日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 岡田克也さんが「民主党代表・ネクスト総理」になってから3年5カ月。たった3年5カ月間、いったいなんだったんだ。この3年5カ月間に代表選前倒しをもくろんだのが、現在の肩書では、玉木雄一郎希望代表、逢坂誠二・予算委筆頭理事、江田憲司衆議院議員らです。肩書きは上がっていますから、本人たちには良かったんでしょうが、なぜ腰を落ち着けることができないのか。私はこの3年5カ月間の彼らの彼女らの振る舞いは国益に反すると考えます。まあ、もうどうにもならないや、といったところです。

【衆議院本会議 平成30年1月25日(木)】

 政府4演説に対する代表質問の最終日が終わりました。

 前回の代表質問は、特別国会が急きょ延長されたことから、11月20日と21日に行われていました。きのうの、立民、自民、希望に続き、きょうは、公明党の井上義久幹事長、無所属の会の岡田克也さん、共産党の志位和夫委員長。そして、維新は今回は下地幹郎さんが質問しました。自民党は合計1名だけでした。

 井上さんは、「リカレント教育の充実など働く人の立場に立った政策が必要だ」とし、雇用保険料が財源となるリカレント教育を推進。第48回衆院選での議席減をもたらした集団的自衛権については「専守防衛を守り、日米は盾と矛の関係だと確認したい」と語りました。安倍晋三首相(自民党総裁)は、「誰もが活躍できる一億総活躍社会を実現する。猛烈社員がもてはやされる社会は根底から変えないといけない」と語りました。また、「高校の無償化を実質的に実現するために、2020年度まで公費負担を大幅に引き上げる」と答弁し、自公から拍手を浴びました。8年前は高校授業料無償化(k)をバラマキ4kと呼んでいた自公が様変わり。集団的自衛権について、首相は「日米間の基本的役割については、今後もいささかも変わらない」と答弁しました。「基本的」と強調したのが気になるところです。

 岡田克也さんは、(1)財政健全化(2)原発輸出(3)憲法の平和主義(4)核不拡散(5)女性宮家(6)首相の資質ーーについて聞きました。無所属の会ということもあり、先の特別国会とは質問項目が変わりました。財政健全化について、私は最近財務省の洗脳が解け、歳出や減税を、GDPにおける家計セクター・企業セクターの流動性増加ととらえるべきだと考えており、岡田先生とは考え方が乖離しつつあります。ただ、岡田さんは民間セクターについての言及こそありませんでしたが、「主要国が金利を引き上げる中、日本だけがゼロ金利を続けられる訳がなく、今のうちに歳出改革を始めるべきだ」と語り、ものづくり補助金が0・1兆円盛り込まれた予算案を問題視。この点は一致します。

 エネルギーをめぐっては、立民、希望で考え方の違いが明確になりましたが、岡田さんは「私は原発の新増設はいっさい認めない考え方だ。そうすれば、近い将来、原発はゼロになる」としました。この点は、私もまったく同じ考えです。また、岡田さんは3・11で閣外でしたが、「与党幹事長として経験した。悲劇を繰り返してはならない」と7年経って、政権幹部の一員だったことを自ら言及しました。

 改憲をめぐって岡田さんは、「かつての日本は自衛のために戦争を始めた。武力行使をしないということが、日本国憲法であり限定的な集団的自衛権は憲法に憲法に反する。平和主義をあいまいにしたまま、憲法9条改正はあり得ない」と述べました。ここも、立民、希望、民進でプロセスへの考え方の違いがでています。

 岡田さんは「安倍総理は国民に対して正直ではない」とし、その一例として、森友学園をめぐる不誠実な対応を挙げました。


 次に、志位さんが代表質問。冒頭から、もりかけ問題に言及。これは前回の特別国会でも同様でした。昨年の通常国会で森友国有地を最初に取り上げたのは共産党の宮本岳志さんでした。この後、今国会で法案は出ませんが、生活保護の生活扶助基準の改定について、具体的な事例を挙げながら質問しました。

 最後に、維新の下地幹郎さん。いわゆる3党協議は、時期がずれながらも同じ派閥出身の岡田克也幹事長と下地幹郎幹事長、そして、野党の自公の幹事長・政調会長と行ったものです。すなわち、4党協議なのですが、下地幹事長の岡田幹事長に対する信頼感から「3党」と呼ばれ続けています。タテ社会の派閥ゆえに、震災後の混乱を最小限に抑える、与党幹事長コンビでした。

 きょうの本会議で下地さんは、「明治維新から150年」と切り出し、維新は地方発の政党だと強調しました。そして、否決された大阪市民の「大阪都行政区」構想にかえて、「大阪市総合区」構想の大阪市民投票を強調しました。これについては、昨夕以降、松井一郎府知事が、橋下徹前府知事・前市長から「先送りしたらどうか」と言われたと明かしており、今後の成り行きが注目されます。首相は下地さんの質問に答えて、自民党の竹下亘さんが総務会の場で提案した国会議員年金復活と地方議員厚生年金加入問題について、「地方議員の年金は地方議員の身分の根幹にかかわる問題だ」との見解を明示しました。私はそこまでのことかなと感じますが、今や地方議員の9割以上が専業議員です。ただ、厚生年金だと半額を税金が出すことになるし、地方議員は政務活動費や視察など恵まれています。とはいえ、最近は、東京に出て来て、セミナーなどの勉強会に出てくるやり手は減っています。年金の増額は必要かもしれませんが、かなり今国会での議論は必要だと考えます。

 以上、自公立希無共維の合計7会派が質問。ひとつ前の任期は5会派、その前の任期は8会派でした。前回の5会派体制の方が、賛否を確認しやすかったのですが、7会派となると起立採決で賛否を確認することは難しそうです。ただ、この7会派は、そこそこ政策論争ができそうです。第48期衆議院は、東京オリンピックパラリンピックを前後する、本格論戦へと突入していきます。その先に、政権交代ある二大政党政治の新しい道が、少しずつ見えてくるでしょう。

【参議院本会議 同日】

  国務大臣の演説に関する件の第一日目となりました。

 民進党の大塚耕平代表は冒頭「民主党・新緑風会の大塚耕平です」と言い間違えました。憲法改正をめぐっては、まず総理の資質と国民投票法の問題点を指摘。「総理には信頼できない過去がある。強行採決する法案と全会一致できる法案を一括法案束ね法案として出してきた」と語り、安保法、派遣法などと同じやり方を、働き方改革実行法案などでもやるのではないかと牽制しました。大塚さんの持論である、戦後の公的社会資本形成が、仮にG7並みだったとしたら、日本全体の総額で1000兆円余計にかかった計算になり、国の借金と比例するとの試算を紹介。予算案について「土地改良事業に0・3兆円、補正を入れると0・5兆円になる」と問題視しました。首相は答弁で、働き方改革実行法案には、解雇の事前の金銭解決の条項は入れないことを明言しました。

 通常国会冒頭ですが、参議院自民党は会長ではなく、幹事長の吉田博美さんが登場。きょう一日だけで、辛酸をなめる経世会出身者が衆参で3人登壇。報道によると、吉田参院議員が主導で、平成研究会会長の交代を求める動きがあるようです。私が野党担当だったときのキャップの日経新聞の大石格論説委員も、吉田さんが自民党最大のキーパーソンだと指摘しています。


 吉田さんは「(アベノミクスによる)雇用改善があってこそ大胆な労働法の改正ができる」とアベノミクスを絶賛。そのうえで、「参議院自民党幹事長として、総理の耳障りになるようなことを言っていく。総理の慢心に一言言える自民党だ。政治に最も必要なのは信頼だ。忖度は、我々国会議員が国民に対して忖度するものでなくてはならない」と話しました。

【衆議院議院運営委員会 同日】
【参議院議院運営委員会 同日】
【衆議院政治倫理審査会 同日】
【参議院改革協議会 同日】

 各々、非公開で開かれました。

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【再生医療安全確保法の執行状況】意外と敷居が低いか、3・6万人が再生医療受ける、iPSも10人、格差としては東京一極集中

2018年01月25日 14時27分19秒 | 法律の執行状況

[写真]自民党本部、おととし2016年、筆者・宮崎信行撮影。

 5年前の秋の臨時国会で、当ブログも積極的に書いた再生医療安全確保法(関連エントリー「再生医療等の安全性を確保する法案」が衆院委員会で全会一致可決 参院での審議、成立はいつ?)の執行状況がまとまりました。

 同法の第21条に定める、病院から厚労省への報告によると、3万6349人が、治療および研究で、再生医療を受けました。そのうち、第1種のiPS治療は10人が受けました。

 きのう24日の「25回厚生科学審議会再生医療等評価部会」で報告したものだとして、きょう、平成30年2018年1月25日付で厚労省がホームページに掲載しました。

 山中伸弥教授のiPSは中学同級生の世耕弘成経済産業大臣がおしすすめて、安倍晋三さんも「目の見えない人が目が見えるようになる」とてぶりも含めて、成長戦略に打ち出し、自民党総裁になり、総理になりました。健康保険3割負担などが認められない自由診療が多いといっても、意外と垣根が低いのかな、と安堵しました。ただ、3・6万人のうち東京都が1・1万人と突出。福岡県がなぜか2位で、0・4万人、京大がある京都府は788人、理研がある兵庫県は1614人にとどまっています。治療を受けた人の、資産・所得格差は分かりませんが、今後も、東京の病院まで行く、新幹線・飛行機代や、家族の宿泊費まで健康保険でみることは不可能。

 まずは健康保険の積極的適用。そして、海外への売り込みを経て、だれでも、健康保険を使って、なるべく近くの医療機関で再生医療を受けられるようにしてほしいですね。21世紀日本の最大の発明、イノベーションです。

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厚生労働大臣質問攻めから「働き方改革国会」の代表質問スタート、立民リベラル色、希望は「明治レジーム脱却」「脱石炭火力発電」求める

2018年01月24日 16時53分28秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[画像]衆議院本会議、きょう2018年1月24日、衆議院インターネット審議中継から筆者・宮崎信行がスクリーンショット。

【衆議院本会議 平成30年2018年1月24日(水)】

 午後1時1分ごろから午後4時7分ごろまで、衆議院本会議がありました。

 昨年は本格的な国会は年前半だけで、年後半は給与法などだけでした。私も半年ぶりに、本格論戦を聞きました。都合により、インターネットで見ていますが、我ながら、3時間、微動だにせず、ずっとメモをとりながらやっていられることに感心します。

 政府4演説に対する代表質問の1日目。最大野党党首、与党幹事長、野党第2党党首の順で登場し、動議が出て、無所属の会以降はあすやることになりました。

 立憲民主党の枝野幸男代表がトップバッター。枝野さんは「草の根からの民主主義」をかかげて「私にはあなたの力が必要です」としめくくりました。

 枝野さんはまず、「待機児童対策をせずに保育の無償化をしたら二重の不公平になる」としながら、総理より先に、厚生労働大臣への質問をスピーチしました。枝野さんは「今次補正予算案と30年度予算案で、保育士の待遇は人事院勧告と比べてどのくらい上がるのか」という、子育て世帯と自治労の双方に配慮した、立民らしい質問から始めました。枝野さんは「保育の無償化の財源を市町村に押し付けるな」とも語りました。生活保護について「生活扶助水準を低い方にあわせる改定はやめるべし」「働き方改革関連法案(の大綱)は評価したいが、残業代ゼロ(労基法14条改正条項)と長時間労働の上限規制(同36条改正条項)は切り離せ」と法案提出前にさばきました。

 先に、加藤勝信・厚生労働大臣の答弁を書くと、加藤さんは「保育士の処遇は政権交代後に10%アップしており、人勧による処遇改善は1・1%で、今次補正案で措置している」としました。しかし、介護従事者の待遇は政権交代後に下がったことを認めて、事務職員や年齢による昇給などを加味していない統計だから、堪忍してくれ、という趣旨の答弁をしました。生活保護について、安倍晋三首相は「生活扶助基準は上がる世帯と下がる世帯があり、子育て世帯では上がり、全体として引き下げるものではない」と答弁しました。

 時計を巻き返して、枝野さんの質問。改憲をめぐっては「国民投票法改正案を提出する。総理は口を開くごとに対案を出せ、と言ってきた。国民投票法改正案の対案を出して、与党から100時間でも我が党に質問してほしい」と挑発しました。これは、今国会での改憲論議に抵抗する姿勢を示したものです。

 これに対して、安倍首相の答弁では、国民投票法改正案については国会に議論を任せるとしました。原子力ゼロについては「責任あるエネルギー合理性とは言えない」と断じました。先の与党税制改正大綱で認められた、森林環境税の新設では「森林経営管理法案を踏まえて導入する」と語り、先週、国会に対して「2月上旬に提出する」と伝えた同法案が、増税(地方税)の骨組みとなる重箱法案だとしました。枝野代表は伝統的なリベラル批判をおそれてか、自衛官の被服の向上という装備増強を求めました。これに対して小野寺五典防衛相は「自衛官の被服と宿舎について言及してくださり、ありがとうございました」と壇上から答弁しました。

 2人目は、自民党の二階俊博幹事長。まず、昨日の草津白根山の噴火、熊本地震、東日本大震災、九州北部豪雨に触れて「激甚災害しての迅速化」など災害対策から入りました。東芝、ゼネコンなど企業の不祥事については「現場で何が起こっているのか。世界とたたかうためにはゆるされない」としました。運輸大臣経験者として、1000キロ離れた、小笠原海上保安署を訪れた経験を披露し、海保の増強を求めました。「観光を語らない自治体関係者はいなくなった。今後はインバウンドのみならず、双方向の訪問が必要だ」と語りました。改憲をめぐっては、「自民党は改憲4項目を明示した。各党も出してほしい」としました。また「無駄な中山間地はどこにもない。故郷に責任を持ち、故郷に支えるのが自民党だ」としました。

 二階さんへの答弁で、首相は「激甚災害指定の迅速化は昨年11月から運用で行っている」とし、昨秋にあった法改正論とは別に、運用面で改善しており、今後も運用の改善で対応する旨を示唆しました。改憲では自衛隊を違憲だとする論に心を痛めた北海道の自衛官のご家族の話を出して、「自衛隊を合憲だとする改正も有力な選択肢だ」としました。「若い人が日本人が海外旅行に出かける双方向性が必要だ」として、出国税あらため国際観光旅客税の新設であがる増収分を特定財源的に、観光庁の双方向観光の財源にしたいという思惑が透けて見える答弁をしました。

 この後、午後2時58分ごろに、立憲民主党最高顧問から、2度目の衆議院副議長となった、赤松広隆さんが、第48期衆議院では初登場。第46期のときと同じく、「えー、議長を交代いたしました」と語りました。これはそれよりも前任者は、この発言はしていませんでした。

 野党第2党の玉木雄一郎さんが登壇し、質問。玉木さんは冒頭、「明治維新から150年。総理は内閣を挙げて、お祭り騒ぎをしようとしているが、戊辰戦争から150年でもある」として、「勝てば官軍」の勝者の歴史だけで見ているとたしなめました。玉木さんは「我が党は未来先取り政党だ」と定義づけ、「人口増を前提とする明治レジームを乗り越えていく」と宣言しました。玉木さんは「小泉政権以降の自民党は勝てば官軍の政治で、日本では所得再分配後に格差が広がっている」と問題視。「母子家庭の命綱を削るような、30年度予算案だ」と批判しました。

 立民の枝野さんは脱原発に言及しましたが、希望の玉木代表は「石炭火力発電の増設について閣内不一致があるのではないか。安倍内閣はベースロード電源として原発を維持しようとしているが、再生可能エネルギーの促進がより重要だ」という趣旨の質問をしました。現在、希望の党には、電力総連組織内議員はいませんが、発電機を作る電機連合組織内はいます。電力総連は図体の割にはしめつけがきつい産別ですが、希望の党も早く、原発をめぐる論争から脱却する道しるべを示してほしいと、私は望みます。

 玉木さんは、情報公開・公文書管理法について「電子データーは30年だけでなく永久保存すべし」と促しました。玉木さんは、改憲について「地方分権で補完性の原則を明記すべきだ」との希望独自の改憲案を提出する意図を示しました。これは初めて出る話だと思います。このあたりの、電力と改憲が、立民と希望の違いです。

 玉木さんは演説で「先の特別国会でも示した、大平正芳元総理の楕円の哲学のように、複眼的に俯瞰することでみえるものがある。安倍総理のこの道しかない、と異なる選択肢を排除し、うまくいかないと、道半ば、と連呼する政治姿勢は違う。我が党には多数の論客がそろっており、明治レジームから転換する視座を示していく」としめくくりました。玉木演説はとてもよかったですが、党内ガバナンスがどうなるか。答弁で、安倍首相は「相対的貧困率は下がっている」と、これは正しい統計を示しました。

 枝野さんも玉木さんも、金融課税の強化を促しました。ただ、「対案を出せ」と言われても、なぜ、増税の対案を野党が示すのか、私は最近疑問に感じています。ペイアズユーゴー原則ではなく、まず、減税を提案し、その代替財源としての増税を示す。そういう野党があってよいと考えます。

 再掲ですが、脱原発の立民と、脱石炭火力の希望。国民投票法議論で改憲を前段階から抵抗する立民と、早くも改憲案を提示した希望。この違いは、総評対同盟かもしれません。ただ、玉木さんも原発に距離を置いたこともいっているし、枝野さんは自衛官の被服に言及。いずれにせよ、イデオロギーの終焉、保守対革新という、政権交代不可能な二項対立はなくなってきたようです。ただし財務省の洗脳はいまだに解けず、なぜか増税の対案を出す。旧民進党の未来は暗いけど、野党の未来は明るい、といったところです。

 動議が出て、残余の質問はあすに延期になり、散会しました。

 あす午後2時から、いよいよ、無所属の会の岡田克也代表の登場です。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 本会議のてはずなど。

【参議院 同日】

 ありませんでした。

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きょうの国会はありませんでした

2018年01月23日 19時35分09秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 きょう、平成30年2018年1月23日(火)は2日目ですが、本会議などはありませんでした。

 議院運営委員会の理事会で、公正取引委員長の続投など国会同意人事承認案が内示されました。

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安倍晋三、明治151年の国会は「白虎隊」取り込み我が無所属の会取り込み意欲か、参では復興特別委員長が山口県の江島潔さんに

2018年01月22日 17時48分50秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 第196回通常国会は、大雪の中、召集されました。2018年1月22日(月)は平成30年で、明治151年になります。安倍首相は政府4演説で、「明治維新150周年」の冒頭から「白虎隊」に言及。おととしの参院選で、東日本の「反安倍・反戦争」の声が旗幟鮮明となり、3か月前の衆院選でも流れは続いています。首相らしい取り込みと言えるかも。一方、選挙が無いのに、参院の構成が変わり、参議院東日本大震災復興特別委員長が、自民党で、山口県選出の江島潔さんに代わりました。

【衆議院本会議 第1ラウンド 平成30年2018年1月22日(月)】

 人事案件は無く、議席の指定、前会と同じ、特別委の設置のみ。

【参議院本会議 第1ラウンド 同日】

 人事案件は無く、議席の指定、前会と同じ、特別委の設置のみ。

【衆議院特別委員会 同日】

 前の会と同じ委員長が互選されました。

【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】

 参議院は選挙が無いのに、構成が変わってしまい、民進党の前任者に代えて自民党から選出。山口県選出の江島潔委員長が、復興特の委員長になる、明治151年の幕開けとなりました。

【参議院国民生活・経済に関する調査会】

 会長に、民進党の増子輝彦幹事長が新しく選ばれました。

【その他の、参議院特別委員会 同日】

 前の会と同じ委員長が互選されました。

【衆議院本会議 第2ラウンド】
【参議院本会議 第2ラウンド】


 補正予算案に加えて、総予算案も同時に提出されたため、政府4演説がありました。

 安倍晋三首相は施政方針演説ののっけから「百五十年前、明治という時代が始まったその瞬間を、山川健次郎は、政府軍と戦う白虎隊の一員として、迎えました」と切り出しました。さすがに驚きました。おととしの第24回参院選での、東日本での野党調整候補躍進も受けて、きょねんの第194回通常国会では、金子恵美さんが「白河以北一山百文」という東北差別に言及(関連エントリー

白河以北一山百文(しらかわいほくひとやまひゃくもん)東北への差別意識が今も薩長土肥に残ると金子恵美さんが指摘、肥前出身の今村前復興相の「あっちの方」発言

)。

 記者会見で「私は東北の、「あっちのほう」に住んでいる人間だけれども、本当に許しがたいと思っています」と応じた安住淳さんも、金子恵美さんも、3か月前の第48回衆院選で小選挙区で当選。「無所属の会」13名として今国会にのぞみます。集団的自衛権と異次元金融緩和のあがなえない流れの中で、野党として、「あっちのほう」として、アウトローとして、言うべきことははっきり言い続けたい。きょうのような雪の日の226事件の首謀者が東北出身者が多いということは情報公開されていながらも公然のタブーとされてきました。なかなか政権交代が見えなければ、先のことは考えず、言うべきことを、より一層言っていくしかないと考えます。私も舌鋒鋭いと言われながらも、一向に地位が下がることが無く、もちろん、無所属の会は野党第3会派という絶望的に近い位置にありますが、巷間「政権交代ある二大政党政治が大事だ」という人は、10年前の10倍増になっている気がしますので、自分の信じた道を行くだけです。

 安倍首相はこのほか「我が国に染みついた長時間労働の慣行を打ち破ります。史上初めて、労働界、経済界の合意の下に、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働の限度を設けます」と明言。ぜひ期待したいところです。

 多くの人が懸念を覚えたでしょうが、河野太郎新外相の外交演説は威勢の良い進軍ラッパのようでした。河野さんは「地球規模課題の解決への一層積極的な貢献をしていきます」と語りました。最近は「インフルエンサー」という言葉がありますが、河野さんは日本の外務大臣の河野としてチヤホヤされたいだけのように思います。政治家とは言えません。

 麻生太郎財務大臣の財政演説で、補正後の平成29年度予算規模は、99兆1100億円だとしました。経済の循環を考えれば、目くじらを立てるような金額ではないと考えます。

 非世襲では唯一登場した、茂木敏光経財相。経済演説で景気の見通し、人づくり革命、生産性革命、TPP、財政健全化の5点に言及。経済演説は景気の見通しだけだったんですが、特命事項をたくさん抱えています。経産大臣の経験もあり、非世襲では集金力トップになっています。茂木さんは確実に自民党総裁・首相をねらっているのでしょう。ただし、登壇するときに与党から拍手が少ないのが、議会政治はムラ社会ですから、気になるところです。

【開会式 同日】

 天皇陛下が出席。大島理森衆議院議長、天皇陛下がスピーチしました。最高裁判所長官が今月から代わったので、その人も参加していたと思われます。

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建築基準法改正案、第196回通常国会に提出へ、木造建築物の耐火性能制限を合理化、用途制限の特例手続きの簡素化

2018年01月21日 22時39分42秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 建築基準法改正案が、ことし、平成30年2018年3月上旬の閣議で決定され、あす召集の第196回通常国会に提出されるはこびとなりました。政府が衆参の議院運営委員会に伝達し、国土交通省が記者発表しました。

 国会に提出された資料によると、(1)木造建築物の耐火性能にかかる制限の合理化(2)建築物の用地の制限にかかる特例措置手続きの簡素化(3)維持保全に関する計画を作るべき建築物の範囲の拡大ーーの3本が柱となる、「2018年改正法(案)」となりそうです。

 建築基準法をはじめとして、国交省所管の士業に関連した法案は、テレビで報じられることはまずありませんが、インターネットニュースでの関心は高いため、3月以降、ていねいにみていこうと考えています。

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