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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

参議院で尾立源幸の質疑で税制改正法案が審議入り 衆・委員会はいわゆる店開きがほぼ終わる

2016年03月09日 17時35分45秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 きょうは、参議院本会議で国税改正法案が審議入り。参議院予算委員会の大臣出席スケジュールにあわせて、衆議院の各委員会で大臣所信に対する一般質疑が行われ、衆議院の常任委員会はすべて「店開き」されました。

【平成28年2016年3月9日(水)参議院本会議】

 「平成28年度国税改正法案」(190閣法16号)が審議入り。院の構成では、年度内に政府原案通り成立するのですが、恒久法(案)ですから、審議や附帯決議で、今後の税制の展開を変える力を参議院は持っています。

 尾立源幸さん=民主党大阪府選挙区第22回参議院議員通常選挙公認内定=は「大企業だけではなく国民のための税制を」質問演説で主張。


[画像]平成28年度国税改正法案で質問する、尾立源幸さん、2016年3月9日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 共産党の小池晃政策委員長は「アベノミクスの恩恵が家計に回っていないのに、法人税を減税して、どうやって消費が増えるのか」と問いました。

【同日 参議院予算委員会】

 平成28年度予算案は7日目。一般的質疑はそのうち、3日目(2巡目)。日本のこころを大切にする党の和田政宗さんは、どうもこのブログをよく読んでいる風情でした。自民党の太田房江厚生労働政務官が答弁するたびに、大きな拍手がするので、調べたら、やはり清和会(安倍派)所属で、参自若手の驕りを感じました。あすは午前9時から公聴会。

【同日 参議院議院運営委員会】

 本会議の段取り。続いて、国会同意人事で、現職人事院人事官の続投について、所信を聴き、質問しました。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 まず一般質疑。

 続いて、きのう議長から付託された、

 「雇用保険法および育児・介護休業法などの一括改正法案」(190閣法9号)を、塩崎厚労相が趣旨説明。

 「介護職員の処遇改善法案」(190衆法12号)が、民維共生社5党の山尾志桜里発議者(野党側筆頭理事)から趣旨説明されました。

 次回は、あさって11日(金)午前9時。ですが、15日(火)午前9時から参考人質疑もセットされました。これは、山尾さんが前会(昨年の第189回通常国会)で法務委で導入した「サンドウィッチ方式(法案審査と参考人質疑を交互に行う)」をこの委員会の理事会でも主張しているようです。ただ、閣法の「雇用保険料率の1%から0・8%下げ」改正条項のみは4月1日施行の日切れ法案(※)指定となっており、立体的な駆け引きがなされそうです。

 ところで、一部報道で、山尾さんが昨年、「刑訴法」を審議未了に追い込んだ、という趣旨の報道がありましたが、そうではなく、徹底審議に勢い余って、会期を踏み出したのであって、本人の本心とは違います。

 委員会に戻ります。趣旨説明に先立つ、一般質疑では、別エントリーに書いた、山尾さんの2月29日予算委の「保育園落ちた日本死ね!!!」ブログに賛同した2・5万筆の署名が塩崎厚労相に提出されることになりました。政府がきのう提出したTPP法案は条約発効日から施行であり、まだ日があるため、今国会が「保育園国会」になる気配もでてきました。いずれにせよ、社会保障と税の一体改革3党合意が再び争点になるのは確実。 

【同日 衆議院法務委員会】

 「裁判所職員定員法改正案」(190閣法12号)が趣旨説明されました。

 これに先立つ、一般質疑では、今国会から筆頭理事になった逢坂誠二さんがデビューとともに、1時間半質問。日米安保条約などを例にとり、「条約さえ結んでしまえば、国内法を整備しなくても良いのか?」と本質的な質疑を展開しました。

【同日 衆議院外務委員会】

 「在外公館職員給与法改正案」(190閣法23号)が趣旨説明されました。

 これに先立つ、一般質疑では、武正公一筆頭理事が、以前に筆頭理事をつとめたときに附帯決議の効き具合を確認しました。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 日切れ指定の「踏切道改良促進法改正案」(190閣法13号)の趣旨説明がありました。この法案は、今の法律を5年延長し、カラー舗装や駐輪場整備にも予算をつけられるようにする、道路法などの改正案。

 これに先立つ一般質疑では、民主党の黒岩宇洋さんが、特区法改正案に盛り込まれた、いわゆる「白タク特区」について、旅行客でなくても輸送できることを答弁から明らかにしました。

【同日 衆議院内閣委員会】

 一般質疑がありました。この中で、民主党の古本伸一郎さんは、与党時の財務政務官として、沖縄密約文書の公開(財務省分は不存在)について、時の菅直人首相に、当時の自民党の首相・外相らの判断を批判しないよう要請。また、不存在の文書は、無利息を約束するためにつくられたものだとしました。

 古本さんは特定養子縁組にも言及。年間の人工妊娠中絶の18万件は、法律で認められたうち、「レイプなどによる妊娠」は少なく、「夫の失踪などの経済的理由」によるものがほとんどだとして、特別養子縁組の活用を提案しました。

 2012年社会保障と税の一体改革3党協議会の、消費税部門の実務者だった、民主党の古本さんと、自民党の加藤勝信一億総活躍相は、「消費税増税10%はどうやら風前の灯だ」(古本さんの発言)としながらも、人生前半の社会保障(保育園など)に充てるための合意の履行で心をあわせました。


[画像]加藤勝信一億総活躍相。

[画像]民主党の古本伸一郎さん。

 次回はあさって、11日(金)午前9時から。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 一般質疑がありました。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 一般質疑がありました。自民党の小泉進次郎さんは「福島の営農再開を進めるべし」「TPP対策大綱をまとめるのは大変だった。副題の農政新時代に向けて、に思いを込めた」としました。同期当選の、伊東良孝農水副大臣らが答弁しました。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 一般質疑がありました。

【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】

 石破地方創生・特区担当大臣の所信に対する一般質疑がありました。本館第1委員室利用でしたが、定足数割れ、たびたび審議が中断しました。 

【同日 衆議院東日本大震災復興特別委員会】

 高木毅復興大臣の所信表明があり、散会しました。次回は未定。選挙区内での、窃盗や公選法違反などのうたがわしい疑惑をかかえる高木大臣への一般質疑を先送りしようとする姿勢について、民主党の安住淳さんは同日の国対委員長代理定例記者会見で批判しました。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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「保育園落ちた日本死ね!!!」に賛同2・5万筆、今国会争点化か山尾志桜里さん、厚労相受け取り

2016年03月09日 12時13分22秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]「保育園落ちた日本死ね!!!」に賛同する「保育園に落ちたの私と私の仲間だ」との署名が2・5万筆寄せられたと発表する、民主党の山尾志桜里・衆議院厚生労働委員会野党側筆頭理事、2016年3月9日、同委員会、衆議院インターネット審議中からスクリーンショット。

「保育園落ちた日本死ね!!!」というはてなブログに投稿された記事が反響を呼んでいます。

 きっかけとなった、2月15日付のブログは以下の通り。

[はてなブログ内記事から全文引用はじめ]

■保育園落ちた日本死ね!!!

何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?
何が少子化だよクソ。
子供産んだはいいけど希望通りに保育園に預けるのほぼ無理だからwって言ってて子供産むやつなんかいねーよ。
不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。
オリンピックで何百億円無駄に使ってんだよ。
エンブレムとかどうでもいいから保育園作れよ。
有名なデザイナーに払う金あるなら保育園作れよ。
どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。
ふざけんな日本。
保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。
保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。
国が子供産ませないでどうすんだよ。
金があれば子供産むってやつがゴマンといるんだから取り敢えず金出すか子供にかかる費用全てを無償にしろよ。
不倫したり賄賂受け取ったりウチワ作ってるやつ見繕って国会議員を半分位クビにすりゃ財源作れるだろ。
まじいい加減にしろ日本。

[全文引用おわり]

 経緯としては、2016年2月15日付の上記ブログを、2月29日のテレビ入り衆議院予算委員会で民主党の山尾志桜里さんが取り上げました。

 「保活(ほかつ)=保育所への入所を探すこと」中のママ・パパで、公立や認可外などの保育園に入れず、働きに出られないため、どうやって生活していけばいいのかと思案した内容。

 山尾さんが2月29日の衆予算委で紹介したのに対して、安倍晋三首相は「誰が書いたか分からない」という不誠実な答弁。

 これに対して「保育園に落ちたの私と私の仲間だ」という賛同がツイッターで広がり、署名サイト「チェンジオルグ」 で署名が盛り上がりました。新聞でも取り上げられ、先週末には30人の国会前抗議運動もあった、と複数の新聞が報じました。

 署名集めサイト「チェンジオルグ」は、きょう3月8日付で、シメキリ。

 最終的に2万5000筆以上が集まりました。

 これは、2016年3月9日(水)、山尾志桜里・衆議院厚生労働委員会野党側筆頭理事に届けられ、今国会最初の同委員会の一般質疑で、山尾さんが紹介。塩崎厚生労働大臣は「受け取る」と明言しました。

 委員会には多くの賛同者ママらが傍聴に駆けつけましたが、衆議院傍聴規則で「10歳以上」となっているため、別室で親子で傍聴している人も多いようです。

 待機児童、幼保一元化、保育士処遇が、第190回国会の争点になる可能性が出てきました。

 政治のみならず、メディア史などにおいても、歴史的な出来事となりそうなきざしがあります。

このエントリー記事の本文は以上です。

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