[写真]松原仁・民主党国会対策委員長、本人公式ホームページから。
民主党・無所属クラブの衆院での新しい理事・委員配置が決まりました。海江田代表、大畠幹事長、松原仁国対委員長のもとです。
衆院会派「民主党・無所属クラブ」の委員長・理事・委員配置は次の通り。委員会ごとの前の数字は委員会定数―後ろの数字は民主党・無所属クラブの割り当て議席。理事は各委員会1人しかいないので当然全員が筆頭理事。
以下、常任委員会
【内閣(40-5)】理事・近藤洋介、委員=大島敦、津村啓介、若井康彦、後藤祐一
【総務(40-5)】理事・原口一博、委員=近藤昭一、黄川田徹、福田昭夫、奥野総一郎
【法務(35-4)】理事・階猛、委員=横路孝弘、田嶋要、郡和子
【外務(30-4)】理事・松本剛明、委員=玄葉光一郎、長島昭久、小川淳也
【財務金融(40-5)】理事・古本伸一郎、委員=前原誠司、安住淳、武正公一、鷲尾英一郎
【文部科学(40-5)】理事・笠浩史、委員=松本剛明、細野豪志、山口壮、菊田真紀子
【厚生労働(45-5)】理事・山井和則、委員=長妻昭、柚木道義、中根康浩、大西健介
【農林水産(40-5)】理事・大串博志、委員=後藤斎、鷲尾英一郎、玉木雄一郎、寺島義幸
【経済産業(40-5)】理事・田嶋要、委員=枝野幸男、辻元清美、近藤洋介、岸本周平
【国土交通(45-5)】理事・若井康彦、委員=三日月大造、泉健太、後藤祐一、寺島義幸
【環境(30-3)】理事・吉田泉、委員=荒井聡、生方幸夫
【安全保障(30-3)】理事・長島昭久、委員=中川正春、渡辺周
【国家基本政策(30-3)】理事・後藤斎、委員=海江田万里、大畠章宏
【予算(50-6)】理事・長妻昭、委員=岡田克也、古川元久、篠原孝、大串博志、玉木雄一郎
【決算行政監視(40-4)】理事・柚木道義、委員=野田佳彦、馬淵澄夫、階猛
【議院運営(25-3)】理事・渡辺周、委員=篠原孝、泉健太
【懲罰(20-3)】委員長・高木義明、理事・松原仁、委員=菅直人
以下、特別委員会
【災害対策(40-5)】理事・三日月大造、委員=中川正春、黄川田徹、吉田泉、寺島義幸
【政治倫理の確立および公職選挙法改正(40-5)】理事・篠原孝、委員=岡田克也、小川淳也、奥野総一郎、後藤祐一
【沖縄および北方問題(25-3)】委員長・安住淳、理事・菊田真紀子、委員=前原誠司
【青少年問題(25-3)】理事・中根康浩、委員=菊田真紀子、柚木道義
【海賊行為への対処ならびに国際テロリズムの防止およびわが国の協力支援活動等(45-5)】理事・辻元清美、委員=枝野幸男、岸本周平、奥野総一郎、玉木雄一郎
【北朝鮮による拉致問題等(25-3)】理事・鷲尾英一郎、委員=原口一博、笠浩文
【消費者問題(40-5)】理事・郡和子、委員=武正公一、泉健太、中根康浩、大西健介
【科学技術・イノベーション推進(40-5)】理事・福田昭夫、委員=古川元久、大島敦、細野豪志、津村啓介
【東日本大震災復興(45-5)】理事・黄川田徹、委員=玄葉光一郎、福田昭夫、郡和子、階猛
【原子力問題調査(40-5)】理事・中川正春、委員=荒井聡、辻元清美、生方幸夫、馬淵澄夫
【憲法審査会(50-6)】幹事・武正公一、委員=枝野幸男、長妻昭、細野豪志、長島昭久、古本伸一郎
【政治倫理審査会(25-3)】幹事・古川元久、委員=山井和則、山口壮
[解説]
委員長には、懲罰委員長に高木義明さん、沖縄・北方特別委員長に安住淳さんの就任が内定。
花形の予算委員会では、筆頭理事に長妻昭さんが異例の2年続投になりました。前回の本予算審議では与党側筆頭理事を更迭に追い込んだ戦闘力が買われたようです。委員では玉木雄一郎さんが続投を決めました。新しい予算委員には、岡田克也・古川元久・篠原孝・大串博志の4人が加わります。行革・農政重視という風情ですが、選挙区が極端に広くなる大串さんのテレビでの露出について、全党的に配慮してほしいところです。
議院運営委員会筆頭理事も、渡辺周さんが総選挙後の各派協議会から連続して担当し続けます。
第46期衆議院では、「民主党理事」は全員が自動的に「野党筆頭理事」になるため、3期生以上が担当。
原発廃炉会社の議員立法の舞台になると予想される、経済産業委の筆頭理事には、田嶋要・元現地本部長(経済産業政務官)が法務委理事から横滑り。これ以上の適任はいないでしょう。近藤前理事も委員に残ります。
除染の環境委員会では福島5区の吉田泉さんが筆頭理事に就任。
外務委筆頭理事には、松本剛明元外相が就任。そこの大臣経験者となると、松本外務理事、続投の原口一博総務理事の2人となりますが、とくに外務省は野党への情報隠し体質が顕著で、大臣経験者の威光で一掃したいところです。
公務員制度や特定秘密保全法制が目白押しの内閣委員会筆頭理事には近藤洋介さんが経産理事から横滑りします。委員には大島敦さんと後藤祐一さんという公務員制度に詳しいながらもやや違った立ち位置の人が混在します。維新やみんなの考えとの距離感が注目です。
国交の筆頭理事には若井康彦さんが内閣委(委員は継続)から回りますので、全体的に、各々が専門分野に「戻る」という印象の配置です。
厚労の山井和則、農水の大串博志、文科の笠浩史の各筆頭理事は安定の続投。
自衛隊法改正法案を臨時国会で審議する安全保障委員会では長島昭久筆頭理事が続投し、渡辺周・中川正春委員が加わり、「自民党より右」になりました。
ところが、海賊・テロ特別委員会の筆頭理事には辻元清美さんが就任。これにより、政府自民党が海賊・テロ特委に法案を付託しなくなる可能性が考えられ、ある意味、最強の筆頭理事になりそうです。
衆参ねじれの解消で、自民党による強行採決への備えが必要です。財務金融委員会では、古本伸一郎筆頭理事が再び就任し、前原誠司・安住淳・武正公一・鷲尾英一郎の4委員という猛者が構えます。総務委も前述のとおり原口筆頭理事が続投します。
空転国会時の審議拒否戦術見直しの糸口になりやすい、災害対策特別委の筆頭理事には三日月大造さんが就任。国交副大臣、国対副委員長、双方の経験が評価されたものと思われます。