【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

お見舞い申し上げます 青木愛さんのお母さん経営保育園で火事

2010年06月30日 16時03分07秒 | 人物
 東京12区選出の民主党衆院議員の青木愛さんのお母さんが経営する保育園(千葉県内)が昨晩、全焼したそうです。東京・墨田区出身の青木さんは歌手やTVリポーターを務めた後、千葉大学院で学んで、保育士をしていました。

 読売新聞が伝えています。けが人はなかったということです。一概に言えませんが、地元紙・千葉日報というライバルの存在があり、読売の社会記事は千葉で強いとされています。この記事の書きぶりからして、事件性はないように思われます。

 参院選のさいちゅうですが、青木議員の公設秘書(小沢事務所出身)に連絡してみたら、街宣車に乗っていて、まだ第一報が入っていなかったようで、「あんなに奥まったところなのに」と驚いて、さっそく連絡を取るとのことでした。

 私はじめ一家全員も、東京12区で民主党がしっかりと勝ち続けるために、青木愛地元後援会の会員です。青木さんは、おそらくこういうハプニングに強いタイプではない、そりゃ人間だれしもそうですが、特に青木さんは人間らしいタイプだと思うので、しっかり時間をとってお母さんのそばにいてほしいと思います。おそらく秋の臨時国会まで若干の時間的余裕がありそうに思いますから、青木さんが専念できるよう、私も地元後援会員として支えなければいけないと思います。

 ところで、かならず下らないことを言う人がいると思うので、蛇足ですが書き加えておくと、私が菅さん、枝野さん、鳩山さん、岡田さんら民主党主流派のシンパで、小沢さんら非主流派とは一線を画しているのに、なぜ青木後援会員かというと、それは二大政党制における民主党サポーターで、かつ地元の小選挙区の総支部長は青木さん一人なのですから、青木さんを応援するのはのは至極当然のことです。

青木愛議員の母経営の保育園全焼、漏電の可能性 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 29日午後8時35分頃、千葉県南房総市千倉町北朝夷、社会福祉法人桜の会「ゆうひが丘保育園」から出火、木造平屋建て園舎約375平方メートルを全焼した。

 県警館山署の発表によると、保育士が29日午後7時20分頃に帰宅した後は誰もおらず、けが人はいなかった。ブレーカー付近の燃え方が激しいことから、同署は漏電の可能性があるとみて調べている。同園は、民主党の青木愛・衆院議員(東京12区)の母親が経営し、青木議員が保育士として勤務していたこともある。

2010年6月30日13時21分  読売新聞)

【参院選】岡田外相が浜で第一声、政権安定を求める

2010年06月27日 23時12分51秒 | 岡田克也、旅の途中

【参院選】岡田外相が浜で第一声、政権安定を求める.wmv

http://www.youtube.com/watch?v=h28TXq8PC1M

 2010年6月24日の第22回参院選公示にあわせて、岡田克也外相が神奈川で第一声をあげました。政権交代からの9ヶ月の政権運営について「悪戦苦闘しました」「未熟さもありました」と率直に謝罪しました。

 とはいえ、成果として「密約調査」「文書の扱い」「大臣決裁の増加」「民間人の大使登用」をあげました。そして、菅直人内閣発足にあたり、菅さんと「権力の一元化」「民主党らしさ」の2つを約束したと披露しました。

 新閣議は蓮舫、玄葉大臣らが加わり、談論風発とし、「雰囲気が変わってきました」と明言しました。党も枝野幹事長になり、新しい民主党がスタートしたと強調しました。

 そのうえで、「仮に議席を減らしたら、新しい連立を模索しなければならなくなる」として、新しい民主党が参院選に勝利することで政権基盤を安定させてくれるようお願いしました。

 JR桜木町駅前広場。 後方にあるパシフィコ横浜では、11月にAPEC首脳会議が開かれ、米ロ中大統領らアジア太平洋首脳を、菅直人首相、岡田外相、直嶋経産相らが迎える予定になっています。


「岡田語り。」発売記念ウルトラクイズ

2010年06月25日 16時11分13秒 | 岡田克也、旅の途中

 岡田克也さんが2年ぶり2冊目の著書『岡田語り。』を出しました。発行は「武田ランダムハウスジャパン」、定価は1429円(税別)となっています。

 これは、岡田克也さんの公式ブログ「岡田かつやTALK-ABOUT」(http://katsuya.weblogs.jp/blog/)から選りすぐって加筆・修正したものです。ブログは岡田さんがデジカメに向かって話してそれを文字起こしています。まあ、その割りには、ちゃんとした文章に出来上がっているのはさすが岡田さん、という感じですが、けっこう本人も肩のこらない話を交えて、語りかけてきてくれます。

 前作の『政権交代-この国を変える』はハードカバーで、いまだよんでも色あせない貴重な労作ですが、『岡田語り。』はソフトカバーで、気軽に読める一冊ということになります。夏の読書にオススメ!、一家に一冊!あるいは、図書館にリクエストするのもグッド・アイディア!

 というわけで、

『岡田語り。』発売記念ウルトラクイズ(3択方式)

を勝手に開催させていただきます。答えは、『岡田語り。』の中に全部入っています。

 出題者・宮崎信行 [ ]内は『岡田語り。』の該当ページ。

問1 岡田さんが衆院議員になってから20年間目指してきた「最大のもの」とは?[6頁]

 (か)政治改革 (つ)構造改革 (や)享保の改革

問2 岡田さんが昨年の総選挙で手を握った赤ちゃんの人数は?[10頁]

 (か)数十人 (つ)数百人 (や)数千人

問3 岡田さんが外相としてはじめて外務省に入った時刻は?[14頁]

 (か)始業時刻の午前9時 (つ)おやつどきの午後3時 (や)官邸での会見を終えた深夜1時

問4 岡田さんが中心となり、民主党三重県連と三重県鈴鹿市老人クラブ連合会が一緒になって中国河南省に建てた物は?[48頁]
 (か)小学校 (つ)病院 (や)ダム

問5 2010年5月、岡田外相がタンザニア訪問で視察した住友化学及び地元企業の工場で、つくっていた製品は?[110頁]
 (か)蚊帳 (つ)蚊取り線香 (や)防虫剤

問6 おなじくタンザニアで視察したJICAの職員などが指導している灌漑地、農業者技術支援センターにあったものは何?[111頁]

 (か)サッカー場 (つ)荒れ地 (や)素晴らしい稲の田んぼ
 

問7 小学校就学前の岡田克也少年が実家の「岡田屋」(現イオン)について、「大丈夫だろうか」、「潰れてしまうんじゃないか」と本気で心配したことがありますが、それはなぜ?[127頁]

(か)毎日、安売りをしているから。

(つ)四日市駅前に進出してきた近鉄百貨店に対抗して鉄筋コンクリート造りの店を作ったから。

(や)ダラダラ仕事をしているように見えたから。

問8 岡田さんが通産省の石油部に勤めているころに作ったものは?[138~139頁]

(か)天下り団体 (つ)イザと言う時に備えたガソリン・灯油の配給切符 (ゆ)裏金

問9 結婚した時の奥さんの肩書きは?[141頁)

(か)女子アナウンサー (つ)東京女子医大の学生 (や)東大法学部の学生

 
[画像]奥さんの多津子さん=岡田かつや後援会報

問10 岡田夫妻が結婚式を挙げたホテルはどこ? [227頁)

(か)帝国ホテル (つ)結婚式当時の名称は東京ヒルトンホテルで「キャピトル東急ホテル」に名称変更後、現在は閉鎖 (や)ホテルニューオータニ

問11 岡田さんが通産省時代から勉強会に参加していた瀬島龍三さんに、代表辞任後に受けたアドバイスは?[238頁)

(か)「若い人を育てることに力を注げ」 (つ)「派閥を作れ」 (や)「私腹を肥やせ」

問12 政権交代後に初めてオバマ米大統領が来日し、日米首脳会談を開いた後、デザートの抹茶アイスを口にしたオバマさんが「5歳のときにこれを食べたことがある」と語りましたが、オバマさんが5歳の時に抹茶アイスを食べたのはどこ?[257~258頁)

(か)京都 (つ)鎌倉 (や)ニューヨーク

問13 国交省の「スーパー中枢港」の指定を受けるために、四日市港は名古屋港とあわせて“伊勢湾港”として申し込みましたが、これについて何度も電話で話し合った相手は誰?[281頁)

(か)河村たかし名古屋市長 (つ)前原国交相 (や)石原都知事

 以上です。

 お楽しみいただけましたでしょうか。


民主党最強エコノミスト金子洋一さんの参院選がスタート

2010年06月25日 08時24分54秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏

民主党最強エコノミスト・金子洋一さんの参院選がスタート.wmv

http://www.youtube.com/watch?v=cGJ7Pm1e-f4

 選挙戦初日は、浜(神奈川県)に行ってきましたよ。金子洋一さんは元々、このブログのコメント・トラックバック欄でお知り合いになりました。

 私は第22回参院選は、候補者の経済に関する知識が問われる選挙になりそうな気がします。消費税を上げるか、上げないかよりも、経済が分かっているかどうかが争点になるのではないでしょうか。

 勇気と知識をクルマの両輪に、金子さんにしっかりと日本経済の舵取り役へのアドバイスを続けてほしいです。菅直人首相(民主党代表)も「経済政策のなんたるかを熟知した党内指折りの経済通で、今回のマニフェストにも彼の政策提言が生きています。人間味あふれる笑顔に隠された強い意志は政治家としての必須の資質です」とのコメントをビラに寄せています。

 とにもかくにも、金子さんのようにハッキリと物申せる人が民主党に必要です。

 参院神奈川選挙区には、金子さんを含めて、合計10人の候補者が立候補を届けていますので、有権者の方は、ご確認下さい。  


第22回参議院議員通常選挙が公示 

2010年06月24日 21時24分36秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏

 民主党が守り、自民党が攻めるという初めての構図となった第22回参議院議員通常選挙がきょう2010年6月24日(木)、天皇陛下から公示されました。

 投票は、あす25日(金)から7月11日(日)午後8時まで。=自治体により違いあり。

 11日(日)夜に大勢が判明しますが、参院選は選挙制度が複雑なため、当選者121人が確定するのは、12日早朝になるでしょう。

 任期は2016年7月までの6年間。

 選挙区には251人、比例代表は187人の合計438人が立候補しました。倍率は3・61倍というかなりの激戦になっています。

 さて、参院選というと、組織の力を見せつける選挙です。組織というと、利益団体、労働組合、宗教団体があります。が、私は、まずは「県連(政党の地方組織)」という組織がヘッドクォーターとして闘うのが参院選の選挙区選挙だ、と私は認識しています。

 きょうはとある県で民主党、自民党、みんなの党の街頭演説会や出陣式、事務所のようすを見てきましたが、民主党に関して、思うところがありました。それについては、今夜はもう疲れましたし、その県連特有のことかもしれませんので、あす以降、稿を改めたいと思います。

 私は今回の参院選では、民主党・菅政権の安定した継続を臨むと同時に、「そもそも参院選のしくみはこれでいいのか?」「参院は必要なのか?」ということを考える機会になってほしいと思います。

 とはいえ、あくまでも現行ルールで、ゲーム開始のホイッスルが吹かれてしまったのですから、まずは能力のある人材を押し上げるという姿勢が必要だと思います。現職候補者と新人候補者の場合は、これは既に当選回数分評価されている現職候補者の方が有為な人材であることが多いように、もちろん一概には言えませんが、各選挙区の立候補者一覧表を見ていて感じました。


“1, 2, 3, 5, 48” the mixed implications of voters

2010年06月22日 07時54分50秒 | その他

「1・2・3・5・48」が織りなす複雑な民意 2010年6月18日 宮崎信行

“1, 2, 3, 5, 48” the mixed implications of voters
June 18, 2010
Nobuyuki Miyazaki

 第22回参議院選挙は7月11日(日)投票・開票と決まった。正式なスタートは、6月24日(木)に内閣が決定し、天皇陛下が公示してからだが、通常国会が6月16日(水)に閉会したので、事実上、すでに選挙戦のさいちゅうだ。

The 22nd Upper House Election Day is set for Sunday July 11. The official election period starts when the new Kan Cabinet confirms on the election period on Thursday June 24th and the emperor makes the public announcement. However, since the Diet was dismissed on June 16, we are already in the midst of the election period in reality.

 国政選挙とはいえ参院選の位置づけは限定的だ。首相指名、予算可決など衆議院の優越は憲法に定めがある。だから、首相が菅直人かどうかは別として、「民主党政権」という枠組みは、2013年8月30日の衆院議員の任期満了まで、ないしは首相(民主党代表)が衆院を解散するまで動かない。しかし、「中間テスト」である参院選によって、首相が変わったり、民主党・国民新党の2党連立のスキームが変わる可能性もある。さらに9月には、民主党代表選挙もあり、国内外が待ち望んでいる「政治の安定」にはいくつものハードルが待ち受けている。

While this election is nationwide, the actual role of the Upper House in Congress is limited. The superiority of the Lower House is stated in the constitution where it is responsible for pivotal work as the nomination of the Prime Minister and budget approval. Thus whether the PM may be Naoto Kan or someone else does not really matter since the “DPJ Administration” will continue until the Lower House reaches its term of office on August 30, 2013. Or unless the PM (the President of the DPJ) chooses to dismiss the Lower House the DPJ rule of government will not change.

However the Upper House election is considered to be a “mid-term test” where it may lead to substantial change in government depending on the outcome; the Prime Minister could step down again or the current alliance between DPJ and Kokumin Shinto Party could be reconsidered. Moreover, the DPJ is scheduled to hold its internal Presidential race in September where this implies that there are still many obstacles that may go against the long awaited hope of the people inside and outside of Japan that wishes for political stability.

 さて、参院選の結果を占う前に、今回はまず、複雑な参院選のしくみを解説したい。
 参院選を数式で示すと次のようになる。

Before we start predicting the outcome, let us first look into the complicated mechanism of the Upper House election. When we show it in numbers, it looks like the below:

  1×29=29
  2×12=24
  3× 5=15
  5× 1= 5

 48× 1=48

 となる。数式が苦手な方はここだけご辛抱頂きたい。日本の有権者に横たわる参議院の不可解さを、なんとか共有していただきたい。ハッキリ言って、日本人で、参議院選挙のしくみを正確に答えられる人などマレだ。選挙事務所の中にいる人でも半分以下だろう。

For those who are not that good at numbers, I hope that you could bare this for a little while so that the mysteries which the Japanese voters themselves see in this Upper House election could be shared. Speaking honestly, there are so little who could correctly explain the mechanism behind how election is carried out and even in the national election office, there must be less than half of those who understand.

参議院は47都道府県がそのまま、47の選挙区区画に分かれる。そしてその県の人口に合わせて、定数が決まる。
47都道府県の内、およそ人口100万人前後の県は1人区で、これが29ある。
人口が200万人を超える北海道や福岡県は2人区でこれが12府県になる。
そして、大阪府、愛知県(名古屋含む)や、神奈川(横浜含む)・埼玉・千葉県などが3人区で5つある。それから、東京都が5人区で1つだ。

The Upper House electoral districts are based on the existing 47 Prefectures and the number of seats is decided on the population of each area. Within the 47, the population of 29 areas is about a million which makes one seat for all of them. The 12 areas like Hokkaido and Fukuoka Prefecture has a population of over 2 million which makes the number of seats two. For Osaka, Aichi (including Nagoya), Kanagawa (including Yokohama), Saitama and Chiba Prefecture, the number of seats are 3 and there are 5 districts like this. Lastly, Tokyo has 5 seats which is the most.

 また全国比例区が48人になる。これは全国が1つだから48×1=48と表現した。これは政党名でも個人名でも投票でき、各政党の議席確定後に、その仲間内で個人名投票が多い順に当選する。なので、最後の当選者が決まるのは、深夜からおそらく早朝になるだろう。

Moreover for the proportional representation seats, there are 48 in total for the entire nation. Since the numbers of seats represent the entire one country, the equation above is written as 48 x 1= 48. To vote for proportional representation seats, the voter could either write the Party or the individual candidate’s name on the ballot. After it’s known how many seats each Party won, the Party will work internally to provide the seats to the candidates who got the most votes to those with least. Thus the final winner of the Upper House election may not be known till midnight or the next day of Election Day.

 複雑さはこれだけで終わらない。こうして選ばれる任期6年の参院議員は121人だ。参議院の定数は242人だから、半数の仲間は参院に残り3年後の選挙を待ちながら仲間を応援するだけで選挙戦を終える。

The complexity does not end here. The 121 elected members will remain in Upper House for 6 years. However the total number of the Upper House members is 242 which mean that half of the members will just help out their colleagues win this time around while they prepare for their own election three years from now.

 この参議院の不可解さこそが、鳩山由紀夫首相と抱き合い心中で失脚した民主党の前の幹事長、小沢一郎氏のような妖怪のようなベテラン政治家の権力源である。なぜなら、「政党」は衆参両院議員で組織されるから、選挙事情や支持組織などその参院議員が抱える「事情」を知っている人間が、党首選を優位に闘える。結果として、党本部の中でのキャリアを経たベテランが参議院を権力源として、政党を操るようになる。

This complexity is the reason why political veterans and monsters like Ichiro Ozawa, who stepped down as the General Secretary of DPJ together with PM Yukio Hatoyama the other day, maintain their power. Political Parties are normally constituted by Diet Members from both the Lower and Upper House where those who want power in their own Party need to both know and understand the unique mechanism of the Upper House and the support groups in each area. Thus this results in the birth of a veteran political leader who made his career in the Party HQ and relies on the uniqueness of the Upper House as his source of power to control the whole Party. .

 ぜひ、この選挙後には、参院制度の簡素化を臨みたい。半数改選は憲法46条で決まっており、すぐに変えるのは現実的でないが、例えば、すべて全国比例区にまとめてしまうなどの改革が必要だ。

I strongly hope that the Upper House system is made simple after this election. The reelection of half the membership is written in Article 46 of the constitution thus something that could not be changed right away. Yet for example, instead of deciding on the number of seats based on the size of population in each area, amendment such as to standardize the Upper House election to the proportional representation seats system should be necessary.

 さて、参院選の焦点に「消費税率の引き上げ」が急浮上している。鳩山政権は、リーマン・ショックによる法人税・所得税の減少で、前年度比9兆円の税収減という「津波」に襲われた。鳩山がわずか8ヶ月で、「マニフェスト詐欺」と呼ばれながらの退場することのボディーブローになった。

Now, the “raise in consumer tax” is all of a sudden becoming a major debate issue for the Upper House election. The former Hatoyama Administration was swept away by a Tsunami, after experiencing the Lehman Shock, finding themselves 9 trillion yen short in tax revenue compared to a year before. This eventually led them to fail in meeting the many promises written in their Manifest which generated criticism of Hatoyama being a “Manifest fraud” and had to resign in only 8 months.

 仮に消費税を現行の5%から10%に引き上げた場合、1年間の増収は国・自治体合わせて、12兆円ほどになるから、リーマン・ショックのために発行した1年分の赤字国債を回収できる算段になる。日本ではかつて、「消費税引き上げ」を公約にして選挙を勝った首相はいない。参院選の選挙結果について、民主党に勝算があるかのような報道があるが、鵜呑みにしない方がいい。結果など誰も分からない。なぜなら、有権者のほとんどが選挙のしくみの全体像を理解していない、それが参院選なのだから。

If the consumption tax were to be raised from the current 5 % to 10 %, the annual tax surplus for the central and prefecture government will amount to 12 trillion yen. This will be enough to retrieve the national bond that Japan issued to supplement the Lehman Shock. In the past, no PM has won an election by pledging to raise the consumption tax. For this reason, while some media optimistically report that the DPJ does have a plan to win it is probably wise not to believe this 100%. No one really knows what will happen and this is even truer when the majority of the voters do not even know how the mechanism of Upper House election works. 

Tokyo Inside Politics


第22回参院選は、6月24日公示、7月11日投票

2010年06月20日 23時31分39秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
 第22回参院選(参議院議員通常選挙)が6月24日(木)公示、7月11日(日)投開票になることが閣議で決まりました。

 日程は、

 6月24日(木) 公示
   25日(金) 期日前投票スタート(自治体による)
   27日(日) 選挙サンデー
 7月2日(金)  折り返し
   4日(日)  最後の選挙サンデー
   10日(土) 選挙戦最終日
   11日(日) 投票日(午後8時まで、自治体によってはより早め)

 となります。

 選挙区は、

 1人区は29県
 2人区は12道府県
 3人区は5府県
 5人区は1都

 となり、合計73人

 選挙区画は、都道府県域とまったく同じになります。定数に限らずすべて単記方式です。また衆院選と違って、いかなる場合でも「比例復活」はありません。

 そして
 48人区、つまり全国比例となります。これは非拘束名簿式なので、政党名でも個人名で投票しますが、確定は、12日未明にずれ込むと思われます。

 民主党にとっては、与党として迎える初めての国政選挙です。また、今回の改選は民主党が初めて国政第一党となった第20回参院選の改選という意味でも、初めて経験する選挙となります。

 参院の定数は242ですが、日本国憲法第46条による半数改選で、121。ですから、今回改選議席の過半数は「61」です。

 野党に転落した自民党は、各県連の総務会がていねいに「候補者作り」をしてきたように感じられます。選挙区に50人ほど、比例に35人ほどを立てました。与党・民主党は、党本部中心に選挙区に60人ほど、比例に45人ほどという大量擁立で迎え撃ちます。

 政権交代可能な二大政党デモクラシーを完成させる過程での参院を作る選挙です。ちなみに、一人の参院議員を作ると、任期中に1億円以上の歳費、その他の人件費・政党支部への交付金をひっくるめると3億円以上かかりますから、ていねいに投票先を選びましょう。

 二大政党のどちらが勝つか? それと、第22回参院選は、「参院選のしくみ」と「参議院の存在」について、エポックメイキングな選挙になるような予感がしています。

asahi.com(朝日新聞社):国会閉会、各党選挙戦へ 参院選7月11日投開票で決定 - ニュース - 2010参院選

 政権交代後初の通常国会が16日閉会した。野党は内閣不信任決議案を衆院に、菅直人首相の問責決議案などを参院にそれぞれ提出。与党は衆院では否決したが、参院では採決せずに廃案とした。菅内閣はこの後に臨時閣議を開き参院選を24日公示、7月11日投開票とする日程を決定、各党は事実上の選挙戦に入った。参院選直前に首相が交代する異例の事態を受け、有権者が引き続き民主党政権を信認するかどうかが焦点となる。

 民主党政権は、昨年9月の政権発足当初から鳩山由紀夫前首相と小沢一郎前幹事長が政治とカネの問題を抱え、5月には沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題が頓挫。両氏はともに辞任し、鳩山内閣は8カ月余りで終わった。

 参院選では、民主党によるこれまでの政権運営と後継の菅内閣をどう評価するかが問われる。政策面では、民主党が昨年の衆院選で掲げた方針を転換して消費税の与野党協議を訴える一方、自民党は当面10%に引き上げることを公約に盛り込む方針だ。こうした税制改革に向けた姿勢なども争点になりそうだ。

 菅首相は16日の党参院議員総会で「参院選でしっかり勝利を挙げることが、鳩山前首相、『一兵卒になった』というありがたい言葉をいただいた小沢前幹事長の辞任に報い、安定的政権を実現することになる」と語った。勝敗ラインについて首相は、2004年参院選で公認候補が獲得した50議席を基本とする考えを示している。

 一方、自民党の谷垣禎一総裁は16日、党本部での会合で菅政権の国会運営を批判し、「この怒りをこれからの参院選に向けてぶつけていかないとならない」との意気込みを示した。与党を過半数(122議席)割れに追い込めなければ党総裁を辞任する考えだ。

 参院選では、定数242の半分にあたる121が改選される。民主、国民新党に一部無所属議員を加えた与党系が引き続き過半数を維持できるかどうかが焦点になる。維持できなければ、民主党は連立の組み替えなどで過半数維持を目指すことになる。それができなければ参院では野党系が過半数を占める「ねじれ状態」になり、菅政権は厳しい国会運営を迫られることになる。

 選挙区では、29ある1人区の議席が民主、自民党の2大政党のどちらに流れるかが勝負の分かれ目になる。民主党が独自候補を見送った沖縄以外は事実上、両党が激突する構図だ。12ある2人区では、民主党は10選挙区で2人を擁立しており、戦いぶりが注目される。みんなの党は選挙区で20人を擁立している。

 朝日新聞社の16日現在のまとめでは、改選数73の選挙区に246人、改選数48の比例区に172人の計418人が立候補を予定している。


第174通常国会が閉会

2010年06月16日 23時59分59秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

[写真]第174通常国会最終日に内閣不信任案否決で礼をする菅直人首相ら=衆院本会議場、東京新聞から

 第174通常国会が6月16日、閉会しました。召集日の1月18日から150日間ピッタリ、延長なしで終わりました。

 民主党政権になって初めての通常国会でしたが、政府提出法案の成立率は55・6%という極めて低い数字で、過去最低だったようです。

 衆議院の議案のホームページ(http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/kaiji174.htm

 参議院の議案のホームページ
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/174/gian.htm

 非自民政権にとっては鬼門の当初予算は3月24日という早い時期に成立しました。しかし、後半国会で一般法案が難航しました。

 野党時代の民主党の税制チーム(古川元久さんら)が野党時代から取り組んできた「租税特別措置の適用状況の透明化に関する法律」は日切れ法案(予算関連法案)だったこともあり、3月24日に、あっさり成立しました。しかも野党・自民党も賛成しました。これにはビックリ。野党時代はのれんに腕押しだった法案が、与党になったら魔法のようにあっさりと成立しました。

 国直轄公共事業への地方自治体の負担金を廃止する法律も公約通り成立しました。まあ異常事態を正常化しただけという感じもしますが、自民党政権のドブさらいが進みました。改正独立行政法人通則法(第174回第21号議案)は、これから先、独法の預貯金や保有国債などの埋蔵金、たまり金をを召し上げる、国庫に返納させることが可能になる法律だと思います。今後、事業仕分けの成果をしっかりと目に見える実績にすることが、求められます。

 このように政権交代を感じさせる法律が成立しました。

 ところが、税収難から、野党・民主党のガソリン値下げ隊が2008年4月に25円程度の値下げに成功した揮発油税(ガソリン税)の暫定税率分の引き下げは失敗しました。

 このように与党になると、カンタンに成立する法案がある一方で、野党で実現したことが与党になると実現できない、というキミョー奇天烈な現象が起きました。なぜ、このような現象が起きたのでしょうか? その理由は、いまだに分からないのですが、政権交代の記録として、こうやってブログに書き残しておきます。

 もう一つ、おかしな現象がありました。

 2007年7月の第21回参院選(逆転の夏)の後に、野党・民主党が参院で通過させた最初の法案は「年金流用禁止法案」(筆頭発議者・蓮舫さん)でした。ところが、平成22年度予算では国民年金特別会計・厚生年金特別会計から1000億円以上の保険料が他会計に繰り出されています、つまり、“年金ファンド”のダムの底からの水漏れが続いています。衆院予算委員会で、自民党の大村秀章議員が衆院予算委員会で指摘し、厚労相の長妻昭さんが認めました。野党として参院可決に持っていった法案が、与党として組んだ最初の当初予算に反映されなかったのはおかしな話です。

 推測ですが、おそらく長妻さんら厚労省政務三役は忙殺されて“忘れていた”のではないでしょうか。このような政策のプランと実行のちぐはぐさは、政調(政策調査会)があれば、誰かが指摘したかもしれません。

 後半国会では、与党の政府外議員が自らの意見が政府に反映されないことを不満とし、農水委員会や国土交通委員会などで、閣法の審議を遅らせたり、骨抜きしようとする動きがみられました。官僚出身者が多いので、“骨抜き”の技術はお手の物です。これが法案成立率を下げた原因の一つです。

 第175臨時国会からは政策調査会(政調)ができますから、政調でドンドン意見を言って、決まればスッキリ従って、法案成立に努める全員野球に期待します。

 このほか、野党時代は福山哲郎さんが筆頭発議者となり、昨年、一昨年の通常国会に提出された「地球温暖化対策基本法案」が、閣法となり、第174回第52号議案として、衆院環境委員会、本会議を通過し、参院環境委員会に付託されたのに、審議未了で廃案となってしまいました。これは地球温暖化対策本部長として、野党時代の岡田克也さんも3年にわたり取り組んできたので残念です。答弁にあたった環境相の小沢鋭仁さんら環境省政務三役もさぞ残念がっていることでしょう。小沢大臣におかれましては、もうちょっとムダのない切れの良い答弁を、次の機会では、期待ところです。

 地域主権に関する3法案や、労働者派遣法改正案が廃案になったのは残念です。ただ、郵政改革法案(ゆうちょの預け入れ限度額を2000万円に引き上げ)や、独立行政法人地域医療機能推進機構法案(社保病院存続&独法新設)だとか、国家公務員法改正案(人事一元化)に関しては、私自身、あまり賛同できない部分がある法案だったので、廃案ということで、仕切り直ししてほしいと考えます。

 また、政務三役の定員を増やす、政治主導確立法案と国会法改正案は、またしても審議できずに終わりました。私は、これは、第172特別国会で処理しておくべき法案だったと思います。ちなみに議員提出である「国会法改正案」(筆頭発議者・小沢一郎氏)の中に、国家行政組織法の改正も盛り込むという法案で、これは私は大ざっぱな雑な法案だと考えます。臨時国会では、国会法改正案と行組法改正案に分けて提出すべきでしょう。

 前半国会では、子ども手当法案が成立しました。これは公明党からの修正を受け入れ、賛成を得たので、これまでの児童手当からこれからの子ども手当への継続性ができてよかったと思います。

 後半国会では、政権交代前からの積み残しだった「国連安保理決議1874にもとづく(北朝鮮特定船舶の)貨物検査に関する特措法」(閣法173回12号)が5月28日にようやく成立しました。

 それと、この国会の特徴として、自民党が衆院で、常任委員長を解任すべきとする決議案を連発しました。人事案件は本会議で優先議題になることから、戦術として取り入れたようです。提出順に、予算、議運委員長、衆議院議長、内閣、環境、総務、経産の各委員長の解任決議案が出ました。そして、口蹄疫に関して、赤松広隆農相(当時)の不信任決議案が採決されました。そして、一つの会期では同じ議案は2回審議しないとする「一事不再議」の原則に反して、2度目の議長不信任案がでましたが、「鳩山内閣不信任案」はついに出ずじまい。もったいぶっていて、タイミングを逃してしまい、会期末に組閣直後の菅内閣不信任案を提出し、否決されました。

 自民党にとって、これはまさに画竜点睛を欠いたミス。議長に2回不信任案を出したのに、首相への不信任案は1回も提出できずに退陣されてしまった。理由はどうであれ、マヌケです。

 自民党は前半国会から、「政治とカネ」の問題で、鳩山首相(当時)を「平成の脱税王」と呼んで激しく攻めましたが、小沢一郎氏についての質問は少ない印象を持ちました。これは、小沢氏が閣僚でないから答弁を引き出しづらいという理由はあるでしょうが、小鳩体制のまま参院選に臨んで欲しいという自民党の思惑が大きかったのでしょう。その結果、小沢氏の退場は6月まで持ち越されてしまいました。自民党がもっと攻めてくれれば、もっと早い時期に小沢氏が失脚し、国民も議員もストレスから解放されたのではないかという恨み節を言いたくもなります。

 二大政党の一翼を担う自民党に関して言えば、今通常国会を見ていて、「今まで知らなかったけど、この人が小泉チルドレンでもっとも鋭いな」と感じた自民党の赤沢亮正議員が、最終日の内閣不信任案の趣旨説明の演説に立ったので、自民党執行部も同じように考えていたのだなと感じました。赤沢議員は全国的にはほとんど知名度がないでしょうが、やはり国会審議をみていると、出世する議員は分かってくるし、小泉チルドレンでも外野で目立とうとした議員が振るい落とされていることを実感します。内閣不信任案の賛成討論に立ったのも、上でふれた大村秀章議員でした。よちよち歩きの政権政党である民主党は、野党・自民党の指摘をしっかりと受け止めた方が、与党・民主党の進む道も見えてくると思います。

 そういう意味では、野党・自民党は参院選を見越して、小沢氏を攻めなかったのと、内閣不信任案をもったいぶった打算が今国会での「攻め切れなさ」につながったのだと考えます。やはり、政権50年の実績を踏まえて、健全野党として、目先の国民生活の安定を考える施策を国会で打ち出していくことが、自民党の政権復帰、つまりは政権交代可能な二大政党デモクラシーの完成につながるのだ、と主張したいです。

 それにしても、政務三役は国会答弁に長時間拘束されていました。「政治主導」は国会での長時間拘束をもたらし、官邸・各府省で仕事をする時間がなくなってしまい、かえって官僚主導になってしまうのではないかと心配してしまいます。文科相の川端達夫さんは今国会で500回以上答弁に立っているようです。

 秋の臨時国会では、まず政務三役の増員が必要です。また、自民党も提案型の質問をしてほしいと思います。政策も大事ですが、「国会改革」など統治のしくみ・システムそのものを見直す斬新な発想が民主党政権に求められます。


鳩山さんの告白「1年はムリだから“その半分”で5月末決着」

2010年06月12日 19時40分59秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 鳩山由紀夫前首相が、11日放送のBS朝日の田原総一郎さんの番組「激論クロスファイア」で、昨年12月に、普天間問題の決着期限を「5月末」と言明した理由を「沖縄も米国も1年(待つのは)は無理だから、その半分で5月末と言った」と述べました。

 ・・・

 力が抜けそうです。

 疲れがドッと出てくる告白。

 何でこんなに振り回されてしまう結果になったのでしょうか。マスコミにも問題があるかもしれませんが、そこは最高権力者の発言である以上、その流れに逆らって報じることはムリでしょう。

 ワシントンでも「Why May?(何で5月なんだ)」と謎をよんでいたようです。

 ヒジョーに日本のムラ社会にありがちな話で、「殿」を諫められる人が内閣や官邸にいなかったのが、とても残念です。

 やはり政権与党には、例えば、渡部恒三さんとか、河村たかしさんのような「KY」に思える人の存在が必要だと感じます。昨年12月だと、藤井裕久さんも閣僚を辞めてしまったし、連立パートナーの社民党党首ということは、事実上、他の閣僚よりも格が上ですから、総理側近ともっと話し合って、コトを進めて欲しかったです。

 今回の菅内閣では、官邸という同じオフィスビルの中に、仙谷由人官房長官らがいる布陣なので、その面では反省は活かされていると思います。できれば、仙谷さんが菅さんより1歳上でなく、10歳くらい上だったらもっと良かったと思うのですが、菅さんも一人で突撃してしまう癖があると思うので、しっかり殿を諫める時は諫めて欲しいと思います。

普天間期限、「半年短かった」と鳩山前首相 大ざっぱな判断 - MSN産経ニュース

 鳩山由紀夫前首相は11日、テレビ朝日のBS番組収録で、辞任の要因となった米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、決着期限を5月末としたことについて「今考えれば半年は短かった」と後悔まじりで振り返った。

 鳩山氏が期限を切ったのは昨年12月。「5月末」とした理由に関しては「どこまで延ばせるか考えた。沖縄も米国も1年(待つのは)は無理だから、その半分で5月末と言った」と、極めて大ざっぱな判断だったことを明らかにした。

 移設候補地は当初、米領グアムが最適と考えていたが、「抑止力も必要」として鹿児島県の奄美大島や徳之島を模索。「徳之島に狙いを定めた時期もあった」と明かした上で、4月ごろから沖縄県名護市辺野古にしかないとあきらめたとした。

 米側の姿勢については「最後は辺野古と踏んでいた。非常に固かった」と指摘。「外務省や防衛省も『最後はここしかない』との思いがあった」と指摘した。


岡田さんが訪れたハイチ大統領宮殿の崩壊の動画が公開される

2010年06月10日 17時06分56秒 | 岡田克也、旅の途中


 世の中なんでも不安な時代ですが、昨夜のNHKニュースウォッチ9の最後に大越健介キャスターが「アメリカの研究者から、日本はパラダイス鎖国と呼ばれている」との話を紹介して興味深く感じました。現代日本は、“そうは言っても”、それなりに生きていけるし、それなりに楽しい。なので、日本での生活に満足して、外国に出ようという若者が少ないという話でした。僕も同感です。鳩山由紀夫さんの「第二の開国」には少し違和感を覚えていました。

 「鎖国」というのは完全に国を閉じていたのではなく、幕府が情報と貿易を独占していた時代です。日本人が外に出ていく時代はいったん終わり、これからはその成果を成熟させていく時代だ。私はそう考えています。日本という“ガラパゴス”の成熟の中から、いずれ、ソニーのウォークマンのように世界に出て行く製品やコンテンツが出てくるかもしれないし、出なけりゃそれでもいいでしょう。英語が話せ、外国経験がある私などは、インターネットで、世界の情勢にしっかりとアンテナを張っておいて、日本の防人を務めることも大事だと思います。

 1月のハイチ大地震。

 3月20日、岡田克也外相はハイチを訪問し、大統領宮殿で記者会見をしました。(写真はepa=時事)。崩壊した大統領宮殿に立つ岡田さんの姿は印象的でしたが、大統領宮殿崩壊の瞬間を収めた映像を、ハイチ政府が自ら公開しました。ハイチ地震復興に向けた国際会議で、あえて映像を公開(ディスクロージャー)することで、ハリケーンシーズン前にハイチへの関心を再び呼び起こしたい、というねらいがあるようです。

1月のハイチ大地震、発生時の映像公開



http://www.youtube.com/watch?v=brCnOwMFS5w

 岡田さんは、帰国後の記者会見で「実際に現地を見ますと、ほとんど人間が住んでいる家がないなということで、被災の非常に厳しい状況が伝わってまいりました」と語っています。

 

 太平洋を越えて、さらにアメリカ大陸を越えたところにある遠い国、ハイチ。わが国の外相がハイチを訪問したのは岡田さんが初めてです。ハイチ共和国は1804年に独立していたそうですから、開国後初めてといっても大袈裟ではないでしょう。遠くて遠い国です。国内にも様々な災害があるなかで、遠い国の支援に懸命になる姿には批判もあったようです。しかし、そこは同じ島国であり、同じ地震国であり、同じ世界です。

 21世紀は情報化と国際化によって、ときとして情報の洪水に飲み込まれてしまいそうです。ハイチ政府が自らこの映像を公開したその経緯をしっかりと理解することが、情報の洪水におぼれないで、「最少不幸の世界」の実現のために必要なことだと思います。

 1959年の伊勢湾台風のときは、四日市のとある小売業者(岡田屋呉服店)が毛布2000枚を提供し、今でもその毛布の温もりを忘れない、という人がたくさんいらっしゃるそうです。情けは人のためならず。正直、僕もハイチのことを忘れていましたが、なるべく忘れないように心がけたいと思います。 

[関連エントリー]
岡田・長島コンビがハイチへ 大統領と会談、自衛隊を激励(2010年3月)


菅直人内閣発足 ボタンの掛け違いを防ぐために

2010年06月08日 23時59分45秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 菅直人内閣が2010年6月8日発足しました。

 官房長官には仙谷由人さん、財務大臣には野田佳彦さん、外相には岡田克也さん、内閣府特命担当大臣には、台湾人の父を持つ蓮舫さんらが起用されました。前日に民主党政調会長になった玄葉光一郎さんも、国務大臣として入閣しました。


 きょう午前の民主党役員会には菅代表が出席しました。役員会に代表(総理)が出席するという当たり前のことが、政権交代後、初めて実現しました。一つ一つボタンの掛け違いを直していって欲しいです。

 ◇

 さてさて、書きたいことはいっぱいあるのですが、とりあえず菅内閣が今後、ボタンを掛け違いを防ぐために気になった記事を紹介したいと思います。

 これは5日付読売新聞の11面、「基礎からわかる菅直人」という記事。

 

 菅さんは半年前に財務大臣に緊急リリーフしましたが、補正予算を審議した、1月の参院予算委員会で、自民党の林芳正元経済財政担当相から、「消費性向」「乗数効果」について聞かれて、答弁につまりました。この後から、ペーパーに目を通し、慎重な答弁が続きました。そして、政権交代後の鬼門である最初の当初予算を3月24日という早い段階で通すことに成功しました。

 で、この記事は、

 「ある経済官庁の幹部」の話として、

 「林議員にやりこめられたことが相当ショックだったようだ。あれ以来、かなり勉強し、役人の意見も聞くようになった。今は微分方程式について勉強している」と打ち明ける。

 これはヒジョーに「ある経済官庁」のキャリア官僚が言いそうなことですね。微分方程式と、政府としての経済・財政運営になんの関係があるんでしょうか。ここまでの皮肉が言えるんなら、イギリス人にでもなれと言いたいところです。

 過去、消費税を上げた内閣は、参院選でボロ負けしています。消費税法を成立させた竹下内閣→宇野内閣の1992年、そして、3%から5%に引き上げた後に山一・拓銀ショックがあった橋本内閣の1998年。ともに消費税が端を発して、景気の動向に左右されやすい傾向がある参院選で退陣に追い込まれました。「消費税」は多くの政権が避けてきました。

 民主党は、「企業から家計へ」を合言葉にしてきました。子ども手当の基本理念である「控除から手当へ」も方向性は同じです。野党時代に「自民党政権は経済を良くすれば生活が良くなる。民主党政権は生活が良くなれば経済が良くなる」といっていた人が副大臣になって、「法人税引き下げ」に言及していました。どうして、与党になると「法人税引き下げ」を言い出すんでしょうか? 不思議ですね(笑)。

 そう言う意味では、代表選に臨む菅さんの代理でG20財務相・中央銀行総裁サミットに出席した峰崎直樹・財務副大臣が「法人税率の引き下げ競争が国際的に激しくなっている」「G20や国際機関で一定の税率の幅を取り決め、歯止めをかける必要性がある」と問題提起したことは絶賛したいです。

 もちろん、「法人税引き下げに歯止め」というのも、財務省に好都合であるわけですが。そこは別としても、「法人税は引き下げて、消費税を引き上げる」という設定では、これは選挙はゼッタイに負けますよ。あり得ないですよ。

 菅さんはブレーンである内閣府参与の小野善康・阪大教授から「第三の道」(増税して景気回復する)を吹き込まれていますが、私には「第三の道」はトンデモ理論だと思います。財政再建をするなら大企業と家計がともに痛みを分かち合う「最少不幸」の税制改革をすべきなのです。で、ハッキリ言うと、菅さんにはそれを説明できる能力はありません。ですから、仮にやるんだったら、財務省の骨抜き工作を排して、中央突破を目指す。その結果、内閣が倒れてもかまわないという覚悟で臨んで欲しいです。

 鳩山内閣は「普天間」でしたが、菅内閣は「経済・財政」で虎の尾を踏みそうな勘がします。とりあえずきょうは、このことへの注意喚起を書くまでにしたいと思います。

 ◇

 それと・・・

 この内閣、気付いたら、自民党国会議員経験者が3人だけですね。保守合同(1955年)以降、連立政権も含めて、もっとも自民党経験者が少ない内閣でしょう。最年長の亀井静香さん(73)はつい最近まで自民党にいた人ですが、「僕の中での自民党」というのは、1993年6月18日(宮澤解散)に離党した人たちです。そうすると、北澤俊美防衛相(72)、岡田克也外相(56)の2人だけ。

 「あの日」に離党した鳩山由紀夫前総理(さきがけ)が去り、党本部から小沢一郎前幹事長(新生党)が去りました。党役員では石井一さん、前田武志さん、それと山岡賢次さんも自民党経験がありますが、それでも3人だけで、世代交代が進みました。新生党新人として初当選した山田正彦さんが農相になりましたが、「あの日」に、あの巨大な自民党丸からイカダにのって飛び出しす勇気を持った人の存在感が薄れていく。下手したら「自民党だからダーティー」といわれやしないか、と。やれやれ、人事とは、何とも複雑なものです。

 第40回衆院選の日本新党や新党さきがけ初当選組と志は同じ、前職候補か新人候補かの違いでしかないのですが。でも、自民党を飛び出した衆院議員は岡田さんただ一人・・・。岡田さんは、菅首相の隣りで記念撮影に臨みましたが、その辺どう思っているのでしょうか。

菅直人内閣がきょう発足 1日のスケジュール

2010年06月08日 05時42分04秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 菅直人内閣がきょう2010年6月8日、発足します。

 これに先立ち、菅直人民主党代表ら新官邸スタッフは、千代幹也・内閣総務官(昭和51年運輸省採用)から皇居でのスケジュールなどの説明を受けました。

 
[画像]千代幹也・内閣総務官。「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」と書かれた詔書を携えている=2009年7月21日、衆議院内の議長サロン=NHK映像から。

 午後1時 首相官邸で、連立2党党首会談
        組閣本部設置。
 1時半ごろから 新閣僚の官邸への呼び込み。
           仙谷由人・新官房長官が閣僚名簿発表。
           菅直人新首相が、新閣僚に指示書を渡して声掛け。

 5時 菅首相記者会見。
 6時半 皇居で首相任命式と大臣の認証式。
 9時半 首相官邸に戻り、初閣議。
      記念撮影。
      就任記者会見(再任者は短めか?)

 もちろん、時間などは前後したりします。

 こういうのは全部、日本国憲法などに基づいていますので、ずっと見ていると、憲法の仕組みが何となく分かってきて面白いですよ。

46歳・枝野幸男さんが幹事長に その名にちなんだ憲政記念館で発表

2010年06月07日 22時03分13秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

(速報なので、未定稿です)

 菅直人代表は7日、民主党本部の役員人事を発表しました。幹事長には枝野幸男さんを起用。国対委員長には樽床伸二さん、政調会長には玄葉光一郎さんが就きました。

 第22回参院選が直前に迫っていますが、選挙は、枝野幹事長と安住淳選対委員長、選挙も含めた党財政は枝野幹事長と小宮山洋子財務委員長が2人3脚を組むことになりました。

 両院議員総会が開かれた「憲政記念館」は衆院事務局が管理しており、連続当選25回、「憲政の神様」とよばれた尾崎行雄さんを記念した建物です。枝野幸男さんの「ゆきお」の名前は尾崎行雄にちなんでいるそうです。枝野さんは栃木県出身でお父さんは、当地の渡辺美智雄元副総理の後援会長をしていたそうですが、東北新幹線開業でターミナルとして飛躍的にまちの地位が向上した、大宮(埼玉県さいたま市)に出て、日本新党から初当選しました。埼玉県は長年、「政権政党の政治家不毛の県」とされており、連続当選10回以上の自民党議員がたくさんいたのですが、ほとんどが名誉職さながらに1回だけ大臣をやって引退していきました。大宮という新しい町で、日本新党1期生として政界に飛び込んだ歴史観が46歳での政権与党幹事長就任につながりました。尾崎行雄も第1回総選挙に立候補し、それから連続当選25回を果たしたから文相、法相、そして「憲政の神様」の異名と衆議院名誉議員の称号を得たのでしょう。枝野さんはその名にちなんだ憲政記念館で、激動の2010年に46歳、つまり小沢一郎さんより1歳若いというのがみそなのですが、政権与党幹事長になりました。

 ただ、記者会見に行ってみましたが、枝野さん、相当なプレッシャーのようです。菅直人さんというのはそういう面では心配はないのですが。樽床国対委員長は、通常国会最終盤での突然の登板、玄葉政調会長は、政調復活というか与党政調を一から作るということで、3人ともプレッシャーがあるようです。この3人がこれだけのプレッシャーなのは、3人が弱いのではなく、国難だからだと思います。ぜひ参院選に勝って欲しいと感じました。

 午後6時からの記者会見。

 枝野幹事長は、「不安でいっぱい」という冒頭発言から弁じました。そのうえで、「これまでは行政刷新相として内閣の中で行政の透明化をしてきたが、これからは、

 党の透明化を進めていきたい

 」との抱負、というか公約と言った方がいいでしょうが、述べました。

 そのうえで、党本部資金の透明化について、

 「かなり遅れて政治資金収支報告書が公開される」ことを問題だとして、「技術的に可能ならば(1年間の)中間段階でも発信していきたい」としました。

 また静岡県連など4件とされる、参院選対策の資金を小沢執行部が振り込まれていないことに関して、幹事長に就任したばかりで、「全部把握していない」としながらも、「

 各県に均等に分配されていないのならば、速やかに支払います」と宣言しました。

【追記 2010-6-7 22時】

 枝野幹事長は、テレ朝「報道ステーション」に出演し、選挙情勢の世論調査情報について、「さすがに相手にまでオープンにできない」としながら、「こういう調査だったと選挙後に公開するという手もある」とし、選挙後の公開を検討する考えを示しました。私も長年、情報公開に興味を持ってきましたが、この枝野発言には目から鱗が落ちる思いです。ホントウに発想が違います。これも含めて、隠し事のないニッポンへ、枝野幹事長のディスクロージャー路線に期待します。【追記おわり】

 樽床伸二・新国対委員長は、小沢執行部が新人議員143人を10の班に分けて管理してきたことについて、「私自身も初当選のときにどこに何の部屋があるのか、委員会とか理事会とかの動かし方も分からない」「どんな立派な経歴の人でも分からないですよ」「地方議会出身でも分からない」とし、研修という意味で必要だったとの認識を示しました。

 「あれから8ヶ月経っている」として、今通常国会は残り少ないのでこのままにして、9月の臨時国会を前に、「新人議員の“経験”(能力?)を踏まえて、変えていきます」とし、臨時国会で見なす考えを示しました。

 玄葉光一郎・新政調会長は、「政策部門での全員参加のキャプテン役になる」と宣言。そして、「政調復活」といっても、実際には、与党としての政調を一から作り上げ、さらに政府・与党一元化という「政党史上初めての試みを成功させたい」と、抱負を述べましたが、緊張感は隠せませんでした。

 副大臣主催の政策会議、国対主催の質問研究会については、「シンプルにしていきたい」として、政調の下に一元化していく方向で、今後検討を進めていくことにしました。また、野党・民主党本部政調会職員の多くが、内閣官房専門調査員として政府に送り込まれいますが、党政調を動かしていく上で、人材として活用する方向性を示しました。

 そして「この8ヶ月間に何があったかというと、各議員が地元で国民の声を吸い上げたのに、意思決定の中で反映できない」というストレスがあったとの認識を示し、また各大臣からは、「時間の余裕がなくて、市民、国民のアイディアを聞く時間がない」との悩みを、複数、聞いていたことを明らかにしました。



 与党政調ということで、「族議員と専門議員は違う」として、民主党政調は専門議員を育てていくとの気構えを示し、幹事長室への陳情システムと政調とのしくみについても調整していくことになりました。ただし、具体的な作り方にはついては、時間がかかりそうです。

 政調会長として、「参院選はマニフェストを見直すチャンスだ」として、衆院選マニフェストと参院選マニフェストとの差異化にも取り組んでいきたいとしました。一元化の考え方は、かつて鹿野道彦座長・玄葉事務局長でつくった「政権運営委員会」が元々のひな形になっているとの自負を示しながらも、モデルとなる英国と違い、日本では政党組織だけでなく個人後援会の力などで国会議員が作られているので、「1年生議員も含めた全員参加の政策調査会が必要」としました。

 また官房長官は各省庁の調整、政調会長は内閣と与党の調整をするという役割分担をすることが、既に仙谷由人・官房長官=内定=と話し合ったことを披露しました。

 ところで、枝野・樽床・玄葉の3人は全員、第40回総選挙初当選組。つまり、細川内閣発足につながるあの熱い夏に、非・自民党公認で初当選した人です。どんな世の中でも、歴史の流れを読める人は出世するなあ、と思いました。勇気と努力が必要であることは、あえて付け加える必要もないと思いますが。

 やっと再スタート。恒三さんからは「新生民主党の始まり」だと表現しました。というわけで、今まで私の中での勝手なテーマソング、ミスチルのHANABIを、菅民主党のテーマソングにしたいと思います。♪もう一回、もう一回~は、もう一回与党にという意味でしたが、今回はもちろん、もう一回、志の原点に戻ろうという意味です。


Mr.Children HANABI [LIVE] 歌詞有


【民主党代表選を終えて】定着してきた「民の声は天の声」

2010年06月05日 12時50分40秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 6月2日午前10時に鳩山由紀夫首相が辞任を発表し、4日正午過ぎに菅直人さんが民主党代表に選ばれた2010年6月の代表選が終わりました。

 グループと派閥の違いは何?といった民主党代表選の動きの見え無さに加えて、東京・赤坂などのホテルに選対を設けて、料亭?(あるいはレストラン・居酒屋)で会合が開かれる姿に「クリーン民主党への政権交代」とイメージの違いを感じさせるものがありました。

 面白かったのは、第45回衆院選で圧倒的な得票率を得て小選挙区を勝った中堅~1年生議員のうち、2日(水)の鳩山さんの発表を聞いて、すぐに地元選挙区に帰った人が多かったこと。

 首都圏の中堅は、その日の夕方に総支部幹事会を設定し、帰って報告、議論。厳しいことも言われたようですが、その時点で表明していた菅直人さんと野党時代に政調などで仕事をしていたことから、決めたとのこと。参院選への対応も練ったそうです。

 東海道新幹線沿線の1年生議員は、もともと予定されていた連合系地域組織の会合に参加し、意見交換できたようです。北関東選出の1年生議員も、電車で帰ると同時に駅頭演説を始めて、自分の考えをしゃべったところ、久しぶりに声掛けも多かったとのことで、菅陣営に参加し、電話掛けを始めたそうです。

 この人たちは一様に表情も明るく、「俺、一新会の会員だけど、赤坂の会合なんか出ていたって何も答えは出ないよ」とのことでした。私が知っているだけで、「地元とんぼ返り」は3人いて、3人とも、ものすごくスッキリした表情が印象的。まさに「民の声は天の声」。

 菅グループの正式名称は「国のかたち研究会」といって総務大臣届出済みの政治団体です。ここは民主党のグループでも結束が強くて知られていますが、正式に国研に入会届を出している議員にも案内がこない「インナー国研」のようなものがあるようです。菅陣営では本多平直議員が随分一生懸命回っているようでした。

 一新会(一新会倶楽部)が2日夜に開いた会合では、やはり勝手が分からないということで、初めて顔を出した1年生議員が数人いたそうです。この場で、「組織として候補者はまだ決まっていないが、一致団結していこう」という決議があったようですが、翌日、初めて顔を出した議員が決議に従っていないと怒っている人がいましたが、1回顔を出しただけで、支配下におけると思っているのは、一新会らしいですね。

 民社協会も「一致団結を決議」した後に、樽床さんの出馬表明があり、会合を何度か開くことになりました。鳩山グループ(政権公約を実現する会)は虚脱感があったようで、会合にも出席しないでいいやという雰囲気があったようです。

 新聞では「複数のグループに所属している議員もいる」との断り書きがつきますが、「全くグループに属していない議員もいる」との断り書きも付けるべきですよね。今の内閣で言えば、岡田克也さんと長妻昭さんはまったく属していないのに、閣僚入りしています。1年生議員で「ゼッタイにどのグループにも属しない」と宣言している議員が複数いますが、この中の一人は個人的に「菅直人さんを応援してください」と推薦人集めに奔走し、一新会倶楽部からも「あいつはすごい」と一目置かれているようでした。

 官僚出身者の方が、菅さんへの支持率が高いように感じられました。

 ちなみに樽床伸二さん擁立の呼び掛け人のうち、1年生議員に顔の利く三井辨雄国対委員長代理と笠浩史筆頭副委員長の2人は、元々は羽田グループのつながりで国会議員になっていて、2人とも羽田グループと一新会のかけ持ちのはずです。ですから、報道で樽床さんの票が小沢グループの票という説明がされていますが、樽床票には、羽田グループ票も混じっているわけで、羽田グループはどうも小沢グループに利用されてしまっている感じがします。

 それと、民主党秘書でも「樽床さん」の名前すら知らなかった人はかなり多かったようですが、「人柄が良いセンセイらしい」といった情報は一斉に横に流れていったようです。

 あいかわらず、県連つながり、地域ブロックつながりというのは活きていて、この辺は民主党らしさがあったと思います。

 まあ、でもそろそろ代表の任期は4年間(ないしは次の解散総選挙直前まで)に規定を変えるべきでしょう。

7月参院選で民主党過半数→9月代表選無投票の流れを

2010年06月04日 23時44分43秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
 毎年の風物詩となった感がある首相交代劇。民主党もホテルに選対を設けて、赤坂で夜の会合と、自民党時代とあまり変わらないようなイメージになってきて、残念な気がします。

 菅内閣の正式な発足は、皇居での認証式があるのが6月8日(火)ということになります。

 以前、新潟県庁で金曜日に知事が花束をもらって退庁式。次の月曜日に新知事が登庁式をするという、その合間の週末に中越地震が起きたことがありますから、鳩山内閣の仕事はまだ続きます。

 菅直人さんの代表としての記者会見は「政調復活と閣僚兼務の検討」など、良い提案んがありましたが、全体的には、具体論が少ない感じがしました。

 通常国会は延長され、第22回参院選は、7月11日ではなく、7月25日とかその辺になりそうで、なかなか落ち着いた国政が担保されないような印象があります。

 また菅代表の任期は、9月末日まで。民主党の規約では、その前に代表選をしないといけないので、9月中に代表選があるということになります。

 民主党は既に100人以上の公認候補を立てていますから、その半分が当選すると、参院での民主党単独過半数が可能ということになってきます。

 野党時代なら、代表選にいろいろな人が出てくるのは党の活性化になるでしょうが、現時点では代表選とはすなわち首相選挙です。首相になる実績が現時点ではまだない候補を擁立してくる議員たちには、政権与党としての自覚がないのでしょう。というか、政治にかける志が根本的にずれているのかもしれない。で、その人たちの崩れ方というのは、すごいですね。

 参院選で民主党をそこそこ勝たせ、菅首相が9月無投票再選という流れを作っていくことが、政権運営の安定につなげる国民の知恵と言えるかもしれません。もちろん、私たち国民が判断するのは1ヶ月以上先となります。が、そろそろ腰を落ち着けた官邸・行政を見たい気がします。

 参院選が終わったら、もう税制改正論議も、来年度予算編成もあっという間です。