藤田けい☆幸せブログ

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お弁当を食べる青年

2015年10月28日 | 日記
昨日は、京都に出かけていて
用事が済んだので、ランチでも食べようかと、ある商業施設へ。

お手洗いに行くと、男性用と女性用の入口の中間に
ベンチが一つ置いてありました。

学生らしき若い男性が一人、ポツンと座っています。

何気なく見たら。。。
彼はちょうど、お弁当箱をパカッと開けたところでした。

外は暖かくて天気もいいし、
商業施設内にだって、持ち込みを大目に見てもらえるフードコートもあるし
何もトイレ入口の小さなベンチで食べなくても。。。

彼が恥ずかしそうにしていたので、私は見ていないフリをしましたが
お弁当箱の中のご飯には、『のりたま』がきれいに振りかけてありました。

トイレをすませ、ちょっと化粧直しもしましたが
ほんの5分弱で女子トイレから出ると。。。

彼は、私の姿を見るとお弁当の蓋をサッと閉めました。
その瞬間、プラスチック製のお弁当箱はカラになっているのが見えました。

そして彼は、クルリと私に背を向けて
リュックから銀色の水筒を取り出し、
熱いお茶らしき飲み物をコップに注いで、飲み始めました。

食べるスピードの速さと、手慣れている様子に驚きました。
もしかしたら、いつもここで食べているのかもしれません。
服装から見て、専門学校生か予備校生のようですが。

帰りの電車の中で、なぜか彼を思い出しました。
毎朝、愛情をこめてお弁当を作ってくれている誰かは、
彼がトイレの前のベンチで、3分で昼食を済ませていることを
知っているのでしょうか?

事情も何も分からないくせに、
なぜか勝手に切なくなりました。