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ミステリ感想-『無貌伝~探偵の証~』望月守宮

2013年04月06日 | ミステリ感想
~あらすじ~
最凶最悪の魔縁・蜘蛛は無貌とその協力者の抹殺を宣言し、反旗を翻した。
蜘蛛、魔縁、警察の三者に追われることとなった望は師匠の秋津のもとへ走るが、秋津はすでに都から姿を消していた。
少女を守るため、探偵の矜恃を守るため、望は蜘蛛と対決する道を選ぶ。
シリーズ第五弾。

~感想~
ミステリの枠を離れファンタジーへと舵を切るのは時間の問題と思っていたが、ついにその時が来た。
しかしミステリを離れようが、トリックもロジックも薄味だろうが、クライマックスを迎えた物語はいささかも勢いを失わず、それどころか盛り上がる一方。
結末では作者の想定も外れ(たらしい)意外すぎる展開が待ち受け、次巻で終局となるこのシリーズにどんな決着が訪れるのか興味を引く。
欲を言えば登場するヒトデナシは、多少不自然でも全て名前を明かしてほしかったが、そんな些細な瑕疵はともかくとして、これで着地が決まれば文句無しの傑作シリーズとして終えられるだろう。
そしてそこに、なにがしかの切れるトリックがあれば言うことはないのだが……。
とにかく次巻を待ち望みたい。


13.
評価:★★★★ 8

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