★子宮内膜症とは・・・
子宮内膜症とは、子宮内膜と同じような組織が卵巣や卵管・腸など子宮以外の部位にも発生する病気です。生理の度にその部位でも出血と増殖を繰り返します。体外に排出されないため血液がその場に溜まり、様々な症状を引き起こします。卵巣に血液が溜まるチョコレート嚢腫や、出血による骨盤内の炎症が原因となり卵管や臓器の癒着、受精障害や着床障害などいずれも妊娠力の低下をまねくため、罹患している約半数には不妊が見られるようです。閉経後は症状は軽くなりますが、チョコレート嚢腫はガン化するリスクもあるため注意が必要です。
◆子宮内膜症によく見られる特徴は・・・
◇生理痛が強い
◇吐き気、下痢をともなう
◇痛みが年々ひどくなる
◇生理期以外も下腹部痛
◇腰痛、性交痛、排便痛
◇なかなか妊娠しない
★西洋医学では・・・
未婚の方と既婚者でもすぐに妊娠の希望がない場合は、薬物療法で生理を止めたり月経量を減らして内膜症の進行を予防します。内膜症が酷い場合には手術が選択されることもあります。
妊娠の希望がある人は、妊娠によって生理が止まることが内膜症の治療にもなるため、場合によって手術や不妊治療をしながら妊娠を目指します。
★漢方では・・・
漢方では「お血」(血行不良)と捉えて対処します。お血の改善と内膜症悪化の予防として、血液の流れを良くする活血薬を使います。妊娠を希望している方には、お血の改善とともに腎(卵巣)を補って元気な卵子が育つように、腹腔内の炎症を鎮め、子宮内膜の血流を良くして着床環境が良くなるように・・・総合的な身体づくりをしていきます。不妊治療との併用はもちろん、漢方だけで妊娠される方もたくさんおられますよ。
ながさきpress 2014年7月号掲載