会計検査院が今月公表した2009年度の決算検査報告では、税金のムダ遣いや不適切な経理処理などの指摘が計986件、総額1兆7904億8354万円に及んだことが判明しました。件数、総額ともに過去最高となりました。
今回の報告を今後の予算編成や行政監視などに役立てていくことは当然だが、同時に、指摘された内容の“頬かむり”を許さない仕組みづくりが重要です。これは国会の責務であります。
公明党が06年度の決算検査報告を受けて調査した結果、不正使用などで公金の返還を求められたにもかかわらず、返還されていない公金が20年間で約100億円にも上ることが発覚。省庁などのズサンな対応が浮き彫りになりました。
会計検査院は、翌07年度の決算検査報告から公金の未返還額などを公表するようになったが、09年度の報告でも約130億円(1946~2008年度)が未返還のままとなっています。
税金のムダ遣いをきちんと是正させるためには、検査院の機能を強化するとともに、不正を厳しく追及する制度に改めなければなりません。
また、07~09年度の決算検査報告では、自治体による不正経理が全47都道府県で行われていた実態が明らかになりました。不正経理を繰り返す職員の姿からは“税金の私的流用がなければ、不正経理をしても犯罪ではない”との意識がうかがえるが、多くの国民には全く理解できない。不正経理を犯罪として処罰する法律が必要です。
こうした具体策として、公明党は昨年から3度にわたり、検査院の指摘に対する対処報告の義務付けや、不正を犯した職員の懲戒処分要求を一部義務化する会計検査院法改正案と、不正経理に罰則を設ける不正経理防止法案を参院に提出してきました。
いずれも審議未了、廃案となっているが、「事業仕分けのような政治ショー」を繰り返すより、今後も両法案を再提出し、成立に全力を挙げることが必要です。
税金のムダ遣いに対する国民の目線は厳しい。今こそ、「お役所仕事」に終止符を打ち、税金のムダ遣いをさせない仕組みは、待ったなしでつくらなければなりません。