今や「タフネス」(阿部勇樹)

昨日のナビスコ杯もフル出場して、しかも3試合連続ゴールと今やタフネスの象徴の阿部勇樹選手の話題です。しかし、そんな阿部勇樹も、千葉時代は故障に苦しんだ時期もありました。一番の挫折は、2001年のワールドユースに骨折で出場できなかったことでしょう。

私は、駒場スタジアムでユース代表時代の阿部勇樹を見たことがあります。当時のポジションは3バックのリベロで、当時から守備的なポジションならどこでもこなせるユーティリティープレーヤーでした。ユース代表のキャプテンだった阿部勇樹には、2歳年上の小野伸二、稲本潤一らが成し遂げたワールドユースでの活躍が期待されていました。

しかし、阿部勇樹はそのワールドユースを負傷欠場して、日本も1次リーグ敗退を喫して、この世代が「谷間の世代」と呼ばれる理由を作ってしまいました。彼らの世代が五輪代表に入ったときに「谷間の世代」と呼ばれたのには、阿部勇樹も多少は責任も感じていたかもしれません。

今は、阿部勇樹、闘莉王ら1981年生まれの世代はA代表の中心選手を担います。アテネ五輪も1次リーグ敗退のこの世代は日本代表にとって、W杯出場ができるか心配な世代でしたが、岡田監督がうまく舵取りを見せて南アフリカに導きました。

岡田監督は「W杯4強」というとんでもない壮大な目標を立てていますが、まずは1次リーグを突破することが大事です。本気でW杯を優勝するつもりのチームならば、ベスト8くらいにピークを持ってくる調整をするでしょうが、日本のような世界レベルではまだまだ新参者のチームならば、初戦にピークを持ってくるでしょう。

しかし、今は1次リーグが2位以内通過と、W杯出場国が24だった時代(3位でも通過できる可能性があった)より厳しくなっています。オランダも最初から本気で来る可能性はあります。親善試合とはいえ、オランダに0-3と惨敗している日本は厳しいという下馬評でしょう。

それでも、日本としてはW杯に向けてベストの準備をするしかありません。カメルーンの最終ラインとか、ライバルチームの弱点も少しずつ伝わってきています。日本人が、本当に楽しめるW杯だったと言えるようになって欲しいです。