予期せぬ展開(4/7日本対セルビア)

タイトルの予期せぬ展開とは、点を取られたことではなく、セルビアが自陣に8人引かせるリトリートサッカーで来たことです。国内組の選考と位置付ける試合なら、もう少し組織的な攻撃を見せるのではと思っていましたが、セルビアはあくまでもこの試合に勝つことにこだわった布陣で来ました。

セルビアの攻撃はかなり2トップ任せの比較的単調なものでしたが、日本のラインコントロールが完全に乱れていました。同じ横浜FMに所属して慣れているはずの中澤と栗原のCBコンビが、あそこまで相手の身体能力に振り切られたのは、岡田監督にとっては大きな誤算だったでしょう。

また、日本の大黒柱の中村俊輔と遠藤に、試合過多の影響が出始めているのも気になります。中村俊輔はJリーガーがオフを取っている時期にスペインはシーズン中でしたし、遠藤も天皇杯、ACLと試合過多の影響もあり、昨日のプレーは良くありませんでした。

結果論では、このセルビア戦はやらない方が良かったような気がします。W杯で対戦する相手チームにも、「日本相手には先制して引けばいい」というヒントを与えてしまいました。唯一光明を見いだすとすれば、スーパーサブとして石川が使えそうなことです。

パサーの多い日本MF陣で貴重なドリブラーで、膝の負傷の影響で90分は難しくても、徹底的に引いたセルビア守備陣相手に果敢に仕掛けて、決定機も作りました。おそらくW杯本番では日本相手にここまで極端な戦い方をしてくるチームはないでしょうが、もしリードした相手が逃げ切り態勢に入ったときに石川は効きます。

ただ、得たものがそれくらいしかなかった痛い敗戦で、中澤、闘莉王の控えとして使えそうなCBは結局発掘できませんでした。W杯メンバー発表に、岡田監督が100％の自信で臨めないことになるでしょう。