小網神社blog

東京・日本橋に鎮座する強運厄除の神さま・東京銭洗い弁天の社 小網神社のブログです。

死を生きる。

2015年07月26日 | 小網神社教学
死から人を守るのは、医学を初め、それに関連する科学の分野です。
一方で死そのものを正面からとらえ、死に対応するために宗教はある、といえます。

多くの人は、死をどのように考えているのでしょうか。
「死は、すべての終わり」と考える人がいます。
また、「死後の世界は、ないともいえないが、あるとも確信できない」という立場の人もいます。
「死後の世界はあると、確信している」という人も、いらっしゃいます。

多くの人は、「死」を「他人ごと」と考え、自らの死については、先送りの姿勢になりがちです。
死を目前にして、自らの死とどう対応してよいか苦悩する人がほとんどです。

世界に存在する多くの宗教は、人智を超えたの存在と、死後の世界を説きます。
我々宗教者は、死後の世界の存在を説き、死を前に苦悩している人々に、安らかな光の存在在確信し、死在受け入れる力在、与えていかねばならないと思います。

しかし宗教者といえども、実際に死後の世界を目の当たりにしたわけではありません。
なのでこれまで千年を超える死者の御霊鎮めや御霊和めの歴史の中にその答えを見出すべきでしょう。

日本人は死者の御霊を「あの世」にお送りし、先祖の霊と盆や彼岸、新年に接してきました。
我が国古来の葬送の歴史を顧みれば、「死後の世界」を確信し、また死を生きている、という感覚が沸いてくるのではないでしょうか


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生きるしるしある人生

2015年07月22日 | 小網神社教学
生あるもの必ず終わりがありまう。これは例外なく、我が身にも起こる現実です。
某住職さんから、人の最大の不幸は「この世」に生を受けたことで、最大の幸せは「生まれて来ないことである」という噺を聞いたことがあります。

余命を医師に告知され、自らの残された研究を進め、この世を去った宗教学者の岸本英夫先生の晩年のことを、先代の宮司である父から聞きました。
死を目前に、健康な時よりむしろ意欲的に、そしてたくましく人生を燃え尽きた、その学者精神に頭が下がったといっていました。
また、先代の話では、「日本のピカソ」と呼ばれ、フランスで名を挙げた今井俊満画伯も同じで、死を前に情熱的な創作活動を続けられたそうです。
二人の偉大な人生を見た先代も、自らも生きるしるしある人生を望んでいました。

人は、家族、集団の中に属して人生を送ります。
生きるしるしある人生とは、自らを知り、家族や社会を思いつつ、自らを生き切ることにあるのではないでしょうか。
当神社歴代の宮司は、岸本博士や今井画伯のような華々しい足跡を残したわけではありません。
しかし、この度の社殿修復にあたり、各宮司がが等身大の神職を務め切った姿を、過去の社務日誌などから感じ取ることができました。
これらは地味なものではありますが、かならず後世に語り継がいでいかねばならないと思っています。

この世に生を受けることは、決して不幸ではない、と確信しました。


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TOKYU MXテレビ『ほっと、ひと息』の取材を受けました。

2015年07月19日 | 神社より
TOKYU MXテレビ『ほっと、ひと息』の取材を受けました。
放送は来月中旬とのことでした。
お暑い中、お疲れさまでした。

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わが父母も そのまた父母もわが身,なれ 我を愛せよ、我を敬せよ。

2015年07月15日 | 小網神社教学
表題は二宮尊徳のことばです。
お盆の時期ですが、神道は祖先崇拝の宗教といわれる程、祖先を大切にします。
家においても、企業においても、祖先や創業者、過去の社員の方々により、今日があることは、否定できません。
それぞれの家には、文書によらないまでも、口伝として「家訓」などが伝えられてきましたし、企業では「社訓」等に表された社風があります。
家でも企業でも、現在は過去・未来の一点としてとらえ、この一点は、未来につながる一点として認識することが肝要で、これを神道では「中今」と表現しています。

ただ、「今」は単なる一点ではないともいえます。
今日の日本では、終身雇用制を否定する流れが強くなり、年間契約雇用制を取り入れる向きがあります。
神道では、祖孫一貫を説きますが、家でも企業でも、祖先に喜ばれる子孫となり、子孫に拝される祖先になれということは今も昔も変わらない考えでしょう。
最近、大変薄れて来た日本人の心情を満たす教えではないでしょうか。

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