内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

自らの足で立ち、前に進んでいくためのトレーニングとしての授業

2021-02-19 23:59:59 | 講義の余白から

 関心の羽を多方面に伸ばして自由に行動することが難しいこんな状況だからこそ、後々応用が効く基礎学力をしっかり身につける好機としてそれを捉え、焦らずくじけずに勉強を続けてほしいと学生たちに対しては切に思う。それは実際の試合や競技から一時的に離れざるを得ないアスリートたちがいつでもまた実戦に戻れるようにとそのときに備えて基礎トレーニングを毎日積み重ねるのに似ている。
 とはいえ、それを独りで続けるのは誰にとっても容易ではない。お互いに競い合う相手がいたほうがモチベーションも高まるし、それを持続させやすい。トレーニングのメニューを考え、トレーニングに同伴するコーチあるいはトレーナーも必要だ。特に、経験が浅い段階では、自分ひとりではどうしてよいかわからないこともあるし、自分のやっていることが正しい方向に向いているのかどうかも心もとない。大学では、このコーチやトレーナーの役を教師が演じることになる。
 他方、課題を与えられないと何もできないという受動的な姿勢に固着してしまっては、いつまでたっても独り立ちできない。自分が関心をもったテーマに関して、自ら問いを立て、研究計画を練り、それを息長く一歩一歩着実に実行していけるようになるための訓練も必要だ。
 これらの諸条件をできるだけ満たせるようにと、学部三年の最終学期で私が担当している三科目では、それらの内容と課題ができるだけ相補的になるように授業計画を立てた。ただ課題を与えるのではなく、最終的な課題提出までの諸階梯とそれらそれぞれの期日を最初に明示し、それを遵守するように求めた。この三科目のうち金曜日の二科目は、二クラスに分かれており、先行クラスは一月後半から三月末日まで、後発クラスは二月第一週から五月末日まで、ほぼ二週間毎に、主題、計画表、資料・、第一部作成、第二部以降作成、最終版提出などの階梯があり、それらが提出されるとすぐにコメントと次の指示を私の方から出す。場合によっては、修正あるいは再提出を求める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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