内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

集中講義第三日目

2016-07-28 00:00:00 | 講義の余白から

 昨日は、三木清の『構想力の論理』第三章「技術」を読んだ。同章はほぼ均等な長さの八節に分かれている。学生の出席者は四名なので、前半四節は私がかいつまんで説明しただけで、後半の四節の内容についてのみ、学生たち四人に順にそれぞれ報告してもらった。皆こちらの要求に応える形でよくまとめてきてくれていた。それぞれの報告後、全員で議論した。明日の和辻の読解の準備を引き受けてくれたYさんや南山大学宗教学研究所研究員のMくんも参加してくれたおかげで、いろいろな問題について議論することができたと思う。
 しかし、どの問題についても中途半端なところで終わってしまった恨みがある。その主たる理由は、私自身の読み込み不足にあったことを正直に認めざるをえない。あやふやな答えしかできないところもいくつかあり、教室の空気が少し沈滞、弛緩してしまったときがあった。三木自身の論の展開の不十分さがこちらの理解を妨げているところもあった。
 それでも、面白い質問がいくつか出て、わかっているつもりでいたところに実は大切な問題が潜んでいることに気づかされ、改めてそれについて考える必要に迫られた。これはむしろありがたいことだ。一人で読んでいたのではそれに気づけないままに通りすぎてしまっていたことであろう。
 今年の集中講義は、学生たちが積極的に議論に参加してくれ、しかも知的刺激に富んでいて、楽しい。これには、もちろん、YさんとMくんが出席して活気づけてくれていることが大きく与っている。
 今日も楽しみである。













































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