内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

「空を見上げてごらん、星が綺麗だよ」― 日曜未明、大聖堂付近を走る

2022-10-09 15:55:42 | 雑感

 今朝のジョギングは6時45分にスタート。日の出は7時41分だから夜明けにはまだ間がある。自宅の玄関を出て空を見上げる。快晴、星が綺麗。寒くはない。この時間帯だと森に行ってもまだ暗い中を走ることになる。市の中心部の大聖堂を目指すことにする。大聖堂まで少し遠回りをして行けば往復で10キロほどになる。
 今日履いたジョギングシューズはアシックスのノヴァブラスト2。この夏、帰国中に購入した。現在順番に履いている6足の中では一番スピードが出る。自ずと走りに気持ちが集中し、視線は水平かやや下向きになってしまう。
 故ナンシー先生のご自宅前を通過したとき、前方路上に自転車を両手で支えて立っている人が見える。近づくと四十前後の小柄な男性。私を見て笑いかけてくる。怪訝に思っていると、「ムッシュー、空を見上げてごらん、綺麗な星空だよ」と話しかけてくる。ちょっと驚く。速度を緩めず小声で「ああ、そうですね」と答えて脇を通り過ぎる。「よい一日を。頑張って」と私の背中に声を投げかけてくれる。「ありがとう。あたなもよい一日を」と振り向かずに答える。
 コンタッド公園(Parc du Contades)の脇を抜け、ストラスブール市内最大のシナゴーグ前を通過。早朝なのに警官たちが警護している。平和大通り(Avenue de la Paix)を南下、レピュブリック広場(Place de la République)に出る。そこから大聖堂への最短距離を目指さず、右に旋回し、街の中心部を囲むリル川沿いを鋳造所通り(Rue de la Fonderie)と交差するところまで走り、そこでブログリ広場(Place Broglie)に向かうべく左折。広場を横切り、ユダヤ人通り(Rue des Juifs)に出るまで南下、その通りを右折、大聖堂方向に向かう。大聖堂前広場へと途中で左折はせず、グーテンベク広場(Place Gutenberg)まで直進、そこで左折して、緩やかな下り坂をリル川まで下り、そこで左折。人影も疎らなリル川沿いの広い遊歩道(Quai des Bateliers)を大学宮殿(Palais Universitaire)方向に進む。夜が明けてくる。蒼く澄んだ空の東側がオレンジ色に染まり始めている。
 宮殿を背にして Pont d’Auvergne の半ばまで進み、サン・ポール教会(Église réformée Saint-Paul)正面方向に右折。教会の右脇を抜け、アルザス大通り(Avenue d’Alsace)を横断した後は、リル川の二つの支流に挟まれた住宅街を走り抜ける。この一角、観光とはまったく無縁、古びた大邸宅が散在する。その壁がちょっと傾きかけていたりして風情あり。お気に入りコースの一つ。
 日の出時刻4分後に自宅に帰り着く。一時間で10,3キロ。良き一日の始まりでありました。