内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

今日から今年度授業開始

2022-09-12 23:59:59 | 講義の余白から

 今日から2022/2023年度の授業が始まった。例年より一週間遅いスタートとなった。先週一週間をガイダンスや語学テストにあてたためである。そうしないと八月最終週からガイダンス等を始めなくてはならず、それを避けるための学部レベルでの決定だった。ただし、それに反対した一学科は先週からすでに授業を開始している。
 今年度、最終学年の三年生の授業は二コマ担当する。今日はその一つ「日本の文明と文化」と題された授業の初回だった。この授業はすべて日本語で行う。昨年の二年生は例年になく合格者が多く、今日の出席者は三十八名。怪我と手術のための欠席を知らせてきた学生が一人いたし、名簿に載っていて今日欠席だった学生がもう一人いたから、全部で四十名である。これは私がストラスブールに赴任した2014/2015年度以降で最多である。おそらくそれ以前もそんなに多かったことはないはずであるから、日本学科開設以来三十六年間で最多ということになるだろう。私が赴任してからはだいたい二十五名前後で推移していたから、これだけ一気に増えると授業運営上にも影響が大きい。今日の授業もほぼ教室一杯。他の授業では教室変更が必要になるかもしれない。
 留年生を除いて、彼らは2020/2021年度入学であるから、一年次の大半の授業は遠隔だった。昨年度は二年生を担当していなかったから直接的には感触がよくわからないが、特にできのよい学年でもなかったはずである。今日の反応だけでは確かなことはまだなんとも言えないが、少なくとも全体の三割くらいはかなり期待できそうだという感触は得た。
 今年から私が担当するすべての授業で素読を導入することにした。今日はその意味と効用について安達忠夫の『素読のすすめ』(ちくま学芸文庫、2017年。原本は1986年。第二版は2004年)を読みながら説明した。学生数が多いこともあり、教室で実践することは難しいが、彼ら自身が自ら実践してくれるようにと繰り返し丁寧に説明した。
 まずは順調な滑り出しの今年度である。