内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

本題なしの枕だけの落ちなし話

2017-04-04 20:06:05 | 雑感

 昨晩、記事をアップした後にスカルラッティの同曲をいろいろなヴァージョンで聴き続けたのですが、その中に Judy Loman によるハープの演奏がありました。これがめっちゃいいんですよ。最近ネットで見かけなくなった言葉をあえて使えば、まさに「癒し系」そのものです。ヒーリング・ミュージックをお求めの方にピッタリの演奏です(って、なんだか安っぽい宣伝文句みたいですが、書いている本人の根が安っぽいのですから致し方ありませんです)。同曲が収録されたアルバム The Baroque Harp – Bach and Scarlatti もすご~くお薦めです。
 このアルバムには、バッハのフランス組曲第一番も入っているのですが、それを聴きながら、バッハって本当にすごいよなあってあらためて思いました(お前ごときがそう言っても、ぜ~んぜん重みがないぜって? まあいいじゃないですか、言わせてくださいよ)。とにかく演奏楽器がなんであろうが、まるでその楽器のために最初から作曲されたかのように演奏されうるということは、やはり音楽の普遍性ということを考えさせずにはおきません。このことは、日本のいわゆる伝統的な歌曲を西洋人が例えば弦楽四重奏かなんかにアレンジした演奏を聴くときの何とも言えない居心地の悪さと対極的だと思うのですが。
 まあそんな難しげな理屈はともかく、今日の大学までの行き帰りは、このアルバムばっかり聴いていました。おかげで(?)、授業もすごくうまくいったし、帰り道も何か幸せな気分でした(根が単純でいいよね~って?)。
 実を申しますと、当初の予定では、今日の記事で「残り少ない時間」( « Le temps compté »)というけっこう重たいテーマを扱うつもりで、哲学者っぽく眉間に皺を寄せて難しげなことを小一時間考えていたのです(少なくとも本人はそのつもり)。ところが、いざ書き始めようとして、いきなりドーンと主題に入るのも何だし、その前に「枕」として昨日の記事で取り上げた今週のヘビロテ曲について一言触れておこうかなと思ったら、その話が長くなり過ぎで、今日は本題なしの枕だけの落ちもない記事になってしまいました。アイスミマセン。