内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

パリでの外部審査員としての責務を終えて

2016-06-03 01:19:02 | 雑感

 先ほどパリから最終TGVでストラスブールに戻った。帰宅したのは2日午後11時半だったが、今はもう午前零時を回っている。だから昨日ということになるが、2日は朝一番のTGVでパリに向かい、イナルコの准教授のポストのオーディションに外部審査員として参加した。
 ストラスブールのオーディションのときもそうだったが、今回もSNCFのストライキに影響され、リヨンの外部審査員が来ることができず、このような場合、規則に従って内部審査員を一人減らさなければならない。
 今回はそれに加えて、数日来の雨でセーヌ川が記録的に増水し、川沿いの自動車専用道路や遊歩道が完全に水没してしまい、パリ市内の交通も大幅に乱れるという想定外の事態も重なり、肝心の審査委員長が面接会場の教室に到着したのは、最初の候補者の面接開始予定時間の五分前であった。
 まず上記の理由で、内部審査員を一人減らさなくてはならない。内部審査員四人のうち、審査委員長を除く三人の間で話し合って誰が抜けるかをまず決めた。そして、審査員六人で面接が始まった。
 予定されていた候補者は八人だったが、そのうちの一人は別のポストで第一位にランクされた時点で応募を取り下げたので、七人を面接した。午前中に三人、午後に四人。
 ここでその具体的な審査内容に触れることはできないが、審査員全員で議論を尽くした上での順当な選考結果であったと思う。
 この審査委員会終了をもって、今年の大学年度中の本務校以外での責務はすべて果たしたことになる。
 帰り際に、審査委員長から、早くHDR(habilitation à diriger des recherhces)を取れと発破をかけられた。イナルコで取得する可能性についても示唆を受けた。確かに、ここのところHDRを取得する必要を痛感させられる機会が立て続けに何度かあった。いい加減その準備に本腰を入れないといけない。
 審査委員会は4時半頃に終わったので、当初乗るつもりだった最終のTGVよりも早い時間帯のTGVに乗れないかと東駅まで行って窓口で聞いてみたが、空席なしとのことだったので、また市の中心部までメトロで引き返し、セーヌ沿いを歩いて、記録的な増水の様を写真に撮った。ネットでも簡単に見つかるであろう普段のセーヌの様子と比べれば、その増水ぶりがわかるであろう。