内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

抜書的読書法(哲学篇27)― モンテーニュ(二十) 死の学びとしての哲学(7)

2015-05-31 02:15:08 | 読游摘録

 人は命を借りる。私たちは死とともに生まれ、死とともに生きる。生まれたその瞬間から、私たちは死へと定められている。生まれたその瞬間から、いわば死につつある。それが生きることなのだ。

« Le premier jour de votre naissance vous achemine à mourir comme à vivre. »

 だから、生の長さについて、「標準」があるわけではない。どのような生も、その長さがどれほどであれ、それはすでに死に対する勝利なのだ。だから、ある人が「早世した」と言うことには意味がない。子どもであれ老人であれ、生は「完全」なのだ。
 あなたの人生のライフ・ワークは、死を建立することだ。あなたが生きているとき、それは、あなたが死のうちにあるということなのだ。なぜなら、あなたがもはや生きてはいないとき、あなたはすでに「死の後」にあるのだから。あるいは、こう言ったほうがよければ、生の後、あなたは死んでいる。しかし、生きている間、あなたは死につつある。死は、死者よりも死につつある者に対して遥かに辛く当たる。より激しく、本質的なところに触れてくる。

« Le continuel ouvrage de votre vie, c’est bâtir la mort. Vous êtes en la mort, pendant que vous êtes en vie : car vous êtes après la mort, quand vous n’êtes plus en vie. Ou, si vous l’aimez mieux ainsi, vous êtes mort après la vie : mais pendant la vie vous êtes mourant : et la mort touche bien plus rudement le mourant que le mort, et plus vivement et essentiellement. »