南町の独り言

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副知事問題に思う

2012-03-17 17:21:52 | 政治
静岡県では戦後初めて県知事が提案した副知事人事が県議会で否決されました。
大村副知事が年末で異例の退任をされてから悶々としていた政治的憤懣が一気に爆発したような感じです。
大村問題については川勝知事の側に非があり、今回の人事案否決については自民党会派に非があると私は思います。


住民を代表する議会と首長は、どちらかが強くなりすぎても地域の政治をゆがめてしまうために、お互いに押さえ合い、バランスをはかるための工夫がなされています。
その工夫のひとつが、議会は首長の不信任議決権をもち、これに対して首長は議会の解散権が認められています。
今回の副知事人事案については、条例で副知事を3人まで置くことができるとしてありますから、人事権を持つ知事側に分があります。
その人事権を否決するということは、知事に対する不信任議決といえると思いますが、どうやらそれにはあたらないという見解とのこと。私は不可解でなりません。

議会と県知事の力関係を見ると、官僚や自民党議員出身知事の時代(前石川知事まで)には、与党自民党会派が上回っていました。
だから県の施設などが県民本意という観点からすればとんでもないような場所につくられたりしてきました。
予算を通すために県知事サイドとしては、自民党重鎮県議が交換条件にする公共事業などを受け入れなくてはならなかったのです。
それが川勝県政になって一変しました。
川勝流の“根回し無し”の政治スタイルは、これまでの悪しき風習を吹き飛ばそうとしているように私には見えました。
ただ時々それが暴走をすることがありましたので、心配の種ではありました。


川勝知事は公約を着実に実行することに誠心誠意、全力で努めています。
ところが、現実には公約に掲げていなかったことが大問題になることがあります。
東日本大震災もそうですし、それにともなって企業が静岡県から逃げ出そうともしています。
いわば不測の事態にどう対処するかという危機管理的な側面が、今回の副知事3人制に表れています。
どうしてそのことを自民党会派は分かろうとしないのか、また県知事サイド(与党ふじのくに県議団も含め)はもっと声高らかに叫ばないのか、不満でなりません。


議会の役割は、大きく3つに分けられます。
第1は、県が県民のために行なわなければならない公共の仕事内容を的確に把握して、それを執行機関の施策に反映させること。
第2は、県民の多くの意思を踏まえて具体的な政策を立案し、提出すること。
第3は、税の徴収、予算や事業の執行権、人事権など強大な権限を持っている県知事の行政が、公正で効率的、かつ真に県民福祉のためになっているかどうか監視、チェックすること。
要するに静岡県のために県会議員はなにを為すべきか…です。
危機的状況の中でみなさんはどれだけ建設的な提案をしてくれましたか?
副知事を3人置くことが財政改革に逆行するなら、建設的な仕事ができない県会議員の定数を半減したらいかがでしょうか?

「なぜあなたたちは県会議員をやっているのか」その本意を私は問うてみたいと思います。