南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

中国の悩み

2010-12-03 17:03:23 | Weblog
昨日、報徳社に訪問したことは述べましたね。
その折に榛村社長から面白い話を聞きました。

以前、榛村さんのところに、突然北京大学から「二宮尊徳思想シンポジウム」のオファーがきたそうです。
なぜ日本で忘れられようとしてる二宮尊徳を?と疑問に思った榛村さんに対して、北京大学の劉金才教授はこう話したといいます。

「中国は、小平、江沢民も改革開放経済路線で、経済優先政策が行き過ぎて、汚職とか腐敗、貧富の格差、地域格差などの3大格差が広がってしまった。
そこで、道徳倫理を復活しないと、2010年の上海万博が終わった後に、バブルがはじけて社会混乱する恐れがある。
だから、今から若い大学生たちをはじめ思想界にいる人たちは、道徳を勉強する必要がある。
日本は東洋民族の中で唯一G7の先進国に入り、唯一植民地にならなかった国である。
また日本を代表する企業の創業者の思想を研究していくと報徳思想に行き着いた。
日本の近代化の成功は、自分のためだけでなく、社会のため、世の中のためという報徳思想にあることにも気がついたのです」

2002年の出来事です。
こうした経緯から榛村さんは、北京大学でシンポジウムを開催されたそうです。
その後の中国の道徳倫理がどうなったのかは別として、現在の日本の状況はあまり他国に誇れるものではありません。
話を聞きながらちょっと恥ずかしくなりました。
私たちも真剣に考えなければなりませんね。