北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

『貧困大国アメリカⅡ』(堤未果)を読む

2010年02月19日 | 日記
最近話題の本を読みました。「みんなの党」に加入した川田龍平参議院議員の顔がちらついて、いまひとつ手に取ってみようという気が起きてこなかったのですが。
ブッシュ政権下のアメリカの状況を告発した『Ⅰ』に続いて、オバマ政権下のアメリカの現状をレポートしたのが、この『Ⅱ』です。大学・高齢者・医療・刑務所労働について、ブッシュ政権~オバマ政権へとアメリカの貧困がさらに激しく深く広く進んでいること。しかも『Ⅰ』では低所得層の貧困を描いていましたが、『Ⅱ』ではそれがいわゆる中間層にまで及び始めていること。すなわち、大国アメリカを支えてきた労働者階級の中心が貧困に浸食され、その階級的基盤が崩壊しているということがよくわかります。ブッシュにしろオバマにしろ、資本(資本主義)の救済のためには労働者人民の生活や命などどうなってもいいってことでは、まったく変わりはないのです!
ただしこのレポート、こうした貧困に対する労働者階級の闘いが始まっているにもかかわらず、これへの言及がまったくありません。やっぱり著者の階級的視座の問題ですかね。