北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

オバマ「プラハ演説」に賛同する区議会決議を徹底弾劾

2009年06月19日 | 日記
今日で区議会第2回定例会も閉会です。その最終日、よせばいいのに「アメリカ合衆国大統領による『核兵器のない世界』に関する演説に賛同し、核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議」案なるものが、与野党すべての多数会派によって提案されました。採決の結果は賛成44:反対3。私が述べた反対意見は下記のとおりです。そのなかで日本共産党がこの「プラハ演説」を賛美していると批判したくだりで、日本共産党H議員から「変わってるんだよ!」とヤジがありました。「?…どっちが?」と一瞬思いましたが、まさか日本共産党が「変わってるんだよ!」と白状するということはないでしょうね。また、反対意見を述べ終えて演壇を降りるところで、日本共産党F議員から「じゃあどうやって核廃絶するんだ!」のヤジ。おいおい、核廃絶は「政府間交渉」によってでしかできないと、国際的に団結した労働者階級の反戦運動に絶望している(いや、端から眼中にない)日本共産党の反労働者性を自己暴露しているようなものですよ。これがスターリン主義っていうものの真の姿だね。

決議案に対する反対意見
「アメリカ合衆国大統領による『核兵器のない世界』に関する演説に賛同し、核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議」案について、反対の論拠を内容的には本議会の一般質問の中ですでに明らかにしていますが、反対意見をあらためて述べます。
決議案では、オバマ米大統領のいわゆる「プラハ演説」について、「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責任がある」との一節をとりあげ、米国が核廃絶に向けて行動する自己の責任を謳ったものとの認識を示し、賛同を表明しています。
しかし、この一節を精読してみると、「私たちは、20世紀に自由のために戦ったように、21世紀には、世界中の人々が恐怖のない生活を送る権利を求めて共に戦いに立ち上がらなければなりません。そして、核保有国として、核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、米国にはそのように行動する道義的責任があります。米国だけではこの活動で成功を収めることはできませんが、その先頭に立つことはできます。その活動を始めることはできます」となっています。オバマ米大統領の言う「道義的責任」とは、原爆投下に関する戦争責任といったことではまったくありません。そして、「責任をもって共に戦う」のは前後の文脈からしても明らかなように、いわゆる「対テロ戦争」ということです。これはアフガニスタンで、パキスタンで、イランで、北朝鮮で…そして米政府が一方的に規定したテロリストとされる国家・組織・人物が存在するすべての地域で、米国が核兵器の使用も辞さないという宣言ではありませんか。
しかも、「核兵器が存在するかぎり、わが国はいかなる敵であろうとこれに対する抑止を行ない、同盟諸国に対する防衛を保障するために、安全・確実で効果的な核兵器備蓄を維持するのです」と述べ、核戦力を高度化し、核独占を強化し、核兵器を行使することを公言しています。NPT体制=核不拡散体制の実体がこれであり、核兵器をアメリカ帝国主義のみが独占するというものでしかありません。続けて、「そのうえで私たちは、核備蓄量を削減する努力を始めます」と述べて、あたかも核廃絶に向けてのスタートを切るかのような言辞を弄しています。しかしこの言及が示すことの真実は、更新時期を迎えた核弾頭について、世界大恐慌の震源地であるがゆえに国家財政も完全に破綻しているなかで、総数を減らしていきながらより安価で、効率的で、しかも使用しやすい核弾頭に刷新していこうとするものでしかありません。
このような「プラハ演説」を、日本共産党は『しんぶん赤旗』のトップで2回にわたって全面賛美し、従来の原水禁運動の中から8・6ヒロシマ―8・9ナガサキにオバマ米大統領を招待しようなどという声があがり、連合は北東アジアの非核化―すなわち北朝鮮の核開発を餌食にした排外主義の扇動を行なう1000万人署名運動を始めているありさまです。こうした間違った風潮に毅然として真実を明らかにするためにも、決議案には反対します。