「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ポクロウシクPokrovsk戦線で何故ウクライナ軍の苦戦が続くのか<ウクライナ紛争024/08/10

2024-08-10 18:56:42 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

最新の戦況略図
2024.08.10
ロシア領クルスク州の状況に変化なし、ロシア軍はドネツク方面で前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/situation-in-russias-kursk-region-unchanged-russian-troops-advance-towards-donetsk/

そもそも現在のウクライナ軍の苦戦の発端は・・・
『アウデイーイウカ戦線北部のオケレタインをロシア軍が電撃制圧に成功<ウクライナ紛争2024.2.23』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/bc22248f20d1651079107aad24944f55

このオケレタイン(現在オチェレティネOcheretyneと表記)をロシア軍が制圧した時が始まりです。
まだ、この当時はロシア軍がアウデイーイウカ市街を制圧したすぐ後で、アウデイーイウカ市街西の郊外が戦場でした。

その当時は、ドネツク州西部の要衝のポクロウシクPokrovskは、はるか遠くにありました。ロシア軍が、そこまで進出するのには来年くらいまでは、かかりそうに思えました。

その後ロシア軍は、制圧したオチェレティネOcheretyneを起点にして周辺の制圧に乗り出しました。
それから約5か月半経過した今、ロシア軍はポクロウシクPokrovskの外郭防衛ラインに到達しつつあります。

何故このようなウクライナ軍の苦戦が生まれたのか❓
Forbes
2024.08.04 09:00
ロシア軍が東部要衝ポクロウシクに接近 滑空爆弾多用しウクライナの精鋭旅団押し込む
https://forbesjapan.com/articles/detail/72885

『 ロシア軍はポクロウシク東方の戦線の広い突出部におよそ20個の連隊・旅団を集結させている。総勢ざっと4万人と見込まれる。ウクライナ側は6個かそこらの旅団、総勢1万2000人ほどで敵の前進を抑えようとしている。

 ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトはすでに5月時点で、ポクロウシク軸の戦闘はウクライナ側にとって不利なものになると予想していた。

 レポートでは「ウクライナ軍は戦線を安定化させる措置を講じているものの、配置されている兵力が(ロシア側と)均衡していないため、戦線は不安定で非常に危険なものになっている」とも評価していた。』

これがウクライナ軍が、ポクロウシクPokrovsk戦線で苦戦を続けている理由です。
そして、それは5月の段階でウクライナの調査分析グループが指摘していることです。

これは5月段階での戦力比較です。その後の戦闘でウクライナ軍は、多くの兵力と火力(武器)を失っています。当時以上に戦力差は拡大していると思います。
当時ですら、約1:4です。今は1:5には拡大していると思います。

その戦力差を補っていたのは、第47独立機械化旅団や第3強襲旅団などの強力な戦闘力と火力です。
しかし約5か月半にも及ぶロシア軍との激戦の結果、多くの兵力と武器を失って、戦闘力を失っていると思います。

もうロシア軍の進撃を防げるような部隊が、いなくなっているのであろうと思います。

ソキルSokilの要塞がウクライナ軍が抗戦した最後の砦で、ここが陥落して以降は、ウクライナ軍は後退を繰り返すようになりました。
もう戦力差が大きすぎて戦いようがないと言うことです。
組織的な戦闘は失われ大隊単位での戦闘になりました。
こうなれば益々戦闘力が弱くなりますから、大隊長レベルの判断で退却するようになりました。
多くの部隊がそうするから、ウクライナ軍はほぼ戦闘はせず(やっても気持ち程度)後退しています。

これがポクロウシクPokrovsk戦線でウクライナ軍が苦戦し、後退を繰り返す理由です。

1:5の戦力で戦えと言う方が無理でしょう❓
戦えば全滅するしかありません。
だから後退を繰り返します。

参謀本部は、増援部隊を送るしかありません。
しかし参謀本部は、増援部隊を送らず放置してきました。

こんな悲惨な状況にあるのに更に放置して、ロシア領のクルスク侵攻作戦を開始しました。

ポクロウシクPokrovsk戦線のウクライナ軍将兵は絶望したと思います。
このあと、ウクライナ軍将兵はどうしますか❓

このような馬鹿げたことを仕出かした以上、参謀本部に出来ることはドネツク州の外に撤退命令を出すことだけだと思います。
出さなくてもポクロウシクPokrovsk戦線のウクライナ軍将兵は、自分たちの判断で行動すると思います。

ロシア領のクルスク侵攻作戦は、ほぼポクロウシクPokrovsk戦線を放棄したのと同じだ!と言う意味が分かるでしょう❓

※ゼレンスキーの発言
「ロシアは戦争の結果を思い知るべき」 ゼレンスキー氏
2024年8月9日 11:06 発信地:キーウ/ウクライナ [ ウクライナ ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3533269?cx_part=top_category&cx_position=3

「ロシアはわが国に持ち込んだ戦争の結果を思い知るべきだ」

確かにロシアは、「戦争を思い知る」かもしれません。
しかし、ほぼゼレンスキーの意趣返しとも言えるようなクルスク侵攻作戦の結果として、ポクロウシクPokrovsk戦線でウクライナ軍が敗北するとするなら❓
その代償はウクライナ軍にとって大きすぎませんか❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。