「北の山・じろう」日記

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クルスク戦線、ウクライナ軍は西部で進撃<ウクライナ紛争2024/08/11

2024-08-11 17:15:24 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.08.11
クルスク方面の戦い、ウクライナ軍がプセル川を渡河してマクニフカに侵入
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-kursk-ukrainian-troops-cross-the-psel-river-and-enter-makhnivka/

もうこれは国境紛争のレベルを超えていて、ウクライナ軍はクルスク方面で一定規模のロシア領の制圧を狙っているようです。
東部では、ロシア軍の迎撃部隊が到着しつつあるようでロシア軍がグレーゾーン(戦闘地域)を攻撃し始めました。本格的な戦闘が始まりました。どうなるかは、これからです。

ウクライナ軍は、まだロシア軍の迎撃部隊が到着していないと思われる西部方面でリュピモフカLiubimovkaから北西方向にあるロシア側の大きな拠点のコレネヴォКореневоに向かって進撃中です。ウクライナ軍の現在位置から約5km先です。
ロシア軍の増援部隊との速度競争です。

ウクライナ軍は、確認されているだけで5個旅団・戦闘員1万人規模の部隊が投入されています。
2024.08.10 18:00
『ウクライナ軍の北部「逆侵攻」に5個旅団参加 ロシアの増援、HIMARSで撃破し阻止』
https://forbesjapan.com/articles/detail/73062

他に砲兵部隊やロケット部隊、その他歩兵部隊(占領地の維持に必要です)や支援部隊などまで含めると数万人規模の人員が参加している模様です。
ウクライナ軍は、予備部隊の全てをこの戦場に投入しているのではないかと思います。

この作戦で一定のロシア領を占領して維持できれば、ウクライナ軍は成功と言えます。

ロシア側では7万人以上の住民避難が行われたようです。

関連記事
CNN
https://www.cnn.co.jp/world/35222631.html
ロイター
https://jp.reuters.com/world/ukraine/YDLLM4ZLURPVXONCT5HJL5OFRQ-2024-08-09/

このような状況で、ウクライナ軍の奇襲作戦は現段階では成功し最大30km程度ロシア領に進撃しているようです。

しかし、戦場はロシア領でありロシア軍は国内の徴集兵主体の国内に待機しているロシア軍を動員することが出来ます。
(ロシア国外の戦場には動員できない決まりがあります。だからウクライナの戦場には動員できません)
時間は、ややかかっていますがロシア国内には対応出来る部隊が多数待機しています。
ロシア側が兵力不足に陥ることはありません。

そして補給の問題がありますからウクライナ軍は、どの時点かで進撃を止めて防衛線を作り防御に転じる必要があります。数万人規模の部隊では、出来ることに限界があります。

そしてこれからロシアの空軍の反撃が始まると思います。滑空爆弾を打ち込み始めるでしょうね。既に撃ち込んでいるかもしれません。ロシア側の砲兵部隊が到着すれば砲撃でも反撃すると思います。
ドローン部隊が到着すれば、機甲部隊の天敵であるランセット(自爆ドローン)攻撃も始まります。

つまりロシア軍の迎撃部隊が大体出揃って、どれだけ戦えるかが今後の問題です。
互角に戦えれば、塹壕戦になりあるいは占領地の維持に成功するかもしれません。
ここで本格的な戦闘が始まればロシア領ですから、ウクライナ軍にとっては、相当厳しい戦いがこれから始まります。

大成功のように見えますが、単にロシア軍がほとんどいない地域に相当数の攻撃部隊で奇襲攻撃を変えて成功しているに過ぎません。
これからロシア軍の迎撃部隊と戦闘して初めて、結果の出る話です。

しかしウクライナ軍にとっては、大問題があります。
予備兵力をこの戦場に全部投入してしまえば、現在苦戦している東部戦線には増援部隊を送れません。
ここで戦闘を起こしたところで東部戦線のロシア軍は、この戦場とは無関係に東部戦線で戦闘を継続します。
つまり東部戦線のウクライナ軍にとっては、全く恩恵はありません。
増援部隊が来なければ劣勢が深まるでしょう。
むしろ増援部隊が来ないことを見てロシア軍が東部戦線の兵力を増強するかもしれません。

そうなれば東部戦線のウクライナ軍は戦場によっては一気に敗勢に陥る戦場も出てくると思います。

ロシア軍にしてみれば、国内に待機している国内専用の部隊で戦えばいいだけです。ロシア国内に待機しているロシア軍は100万人はいると思います。

クルスクで少々の土地を占領したところで、東部戦線でドネツク州全域を失えば、差し引きどうなのか❓
東部戦線のウクライナ軍の士気の問題もあります。
こう考えるとクルスク戦線で少々どうなろうと、ウクライナ軍参謀本部(とゼレンスキー)の自己満足にしか過ぎないと思います。
それは今後の東部戦線の戦況の推移が証明すると思います。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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