2024.08.8
侵攻896日目、ロシア軍はドネツク州ポクロウシク方面の複数方向で前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-896th-day-of-the-invasion-russian-forces-advance-in-multiple-directions-towards-pokrovsk-in-donetsk-oblast/
ウクライナ戦線では、全く別の二つの戦争が戦われているように見えます。
ウクライナ軍は、ロシアのクルクス州で新たな侵攻作戦を開始しました。最低1万人規模の部隊を投入していると思います。
ほぼ無意味なハルキウ州北部戦線には大統領府の見栄のために数万人規模の部隊を投入してロシア軍の意図した消耗戦に巻き込まれて、ウクライナ軍は身動きが取れなくなりました。
そしてそれはドネツク戦線での兵力不足と兵器不足を放置することです。放置されたドネツク州のウクライナ軍が更に弱体化するのは、当然です。
昨日は、トレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面のうち、ニューヨルクNiu-York全域でウクライナ軍が大きく後退しました。
今日は、ポクロウシクPokrovsk戦線でのロシア軍の進撃状況です。
ヴェセレVeseleに突出部を作ったロシア軍は、その南北に支配地を拡大しています。
多少は抵抗できるかと思ったゼランネZhelanneは数日でロシア軍が制圧し南下中です。
その西の線路を挟んだ向かいにあるセルヒウカSerhiivkaは飲み込まれるようにロシア軍の支配地になり、更には西の大きめの拠点であるフロデイフカHrodivka方向にロシア軍は1・2kmほど前進しました。
その北ではフロデイフカHrodivkaに近い最後の拠点であるイワニフカIvanivkaを全く抵抗感を感じさず、ロシア軍が北西方向に1・5kmほど進撃しました。
ドネツク州西部のウクライナ軍の最大拠点は、デイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskです。
その東の前衛陣地と思われる集落が「フロデイフカHrodivka」です。
現在、ロシア軍はその「フロデイフカHrodivka」の市街地の東の端まで約1・5km地点まで進出しています。
今のペースなら数日で「フロデイフカHrodivka」の市街地の東にウクライナ軍が到達し、攻撃を開始するでしょう。
「フロデイフカHrodivka」の東の北部もロシア軍が制圧を目指して北西に進撃中です。
これらのロシア軍の動きを考えると精々1週間程度で「フロデイフカHrodivka」の東は南北にかなり広い地域を面的にロシア軍が制圧すると思います。
そうなればロシア軍は、本格的に「フロデイフカHrodivka」攻撃を開始すると思います。
また現在は、ややペースダウンしている線路沿いの進撃も「フロデイフカHrodivka」の東を面的に制圧すれば、ペースアップすると思います。現在は速度調整をしているように見えます。
その先が、やはりデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskの東の防衛ラインを形成していると思われる「ノヴォホロデイフカNovohrodivka」です。
つまり今ロシア軍は、デイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskに迫りつつあります。
本来なら、「フロデイフカHrodivka」や「ノヴォホロデイフカNovohrodivka」などの市街地の大きな拠点に兵力を集中して防衛戦を戦うしかロシア軍を止めることは出来ないと思います。
このようなポクロウシクPokrovsk戦線の危機的な状況を無視してウクライナ軍は、大きな兵力を投入してハルキウ州北部戦線では無意味な消耗戦を2か月も継続しており、今回・更にロシアのクルクス戦線を新たに形成しました。
もうポクロウシクPokrovsk戦線やトレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面の防衛は諦めているようにしか見えません。
それは現地のウクライナ軍には痛いほどわかると思います。益々ウクライナ軍のこの方面での現地部隊の判断での退却が多くなると思います。
大統領府や参謀本部が、この方面の防衛を諦めているように見えれば、現地部隊は防衛は放棄してドネツク州外への撤退を優先すると思います。
どうもウクライナの大統領府や参謀本部は、その理屈が理解できていないようです。
「死守命令」を出しておけば、全てが解決すると自分たちを胡麻化しているのだと思います。
別の意言葉で言うと責任逃れをして、対応を放棄しています。
今更どうにもならない事も事実では、ありますが・・・
南ドネツクでの状況は同じです。
記事の略図の2番目
ここはドネツク中部に比べると投入されているロシア軍は少ないと思います。
しかし、西方向に南北の広いエリアでkm単位の前進を開始しましたもう相当この方面のウクライナ軍も弱体化しているということだと思います。
このような状況を見るならドネツク州中部ではウクライナ軍は崩壊しつつあります。
南ドネツクではロシア軍が面的に広いエリアで西に前進を始めました。
これが現在の戦況です。
以上を考え合わせると事実上ウクライナ軍はドネツク州の防衛は諦めているように見えます。
それを糊塗するためにロシアのクルクス州で新たな侵攻作戦を開始した・と見られても仕方がないと思います。
それほどに無責任なウクライナ軍の(ロシアの)クルクス州での新たな侵攻作戦の開始です。
その結果は、どうなるのか❓
それ程遠くないうちに答えが出ると思います。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27