「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

イラン大統領搭乗ヘリ墜落事故の原因とパーレビ王朝の元皇太子<2024.05.22

2024-05-23 19:27:41 | アフリカと中東

イラン大統領死亡、墜落ヘリは1960年代開発の米国製ベル212…制裁下で部品調達困難
2024/05/22 00:28
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240521-OYT1T50152/

記事を読んで呆れました。
イラン革命後、多分前パーレビ王朝時代のヘリを接収してその後も使い続けていたようです。
アメリカが、事故後変なことを言っていました。
「イランから援助の要請があったが、出来なかった・・」
事故の救助要請だと思っていましたが、違っていてこの旧式のヘリの部品を買いたい・と言うことだったようです。

イランでは、イスラム革命後多少は民衆の要求に譲歩した部分もあります。
しかし政治の実権を握る宗教指導者が頑迷固陋で、本来必要な様々な改革を阻害しているのだろうと思います。

イラン革命は1971年から1972年まで続きました。
パーレビ王朝を打倒した後、主導権争いが起きてその後宗教勢力が権力を握りました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E9%9D%A9%E5%91%BD

パーレビ王朝が、アメリカの援助を受け脱イスラーム化と世俗主義による近代化政策を取った反動で、新政権は極端なイスラム国家になりました。

宗教が政治の全ての基本です。
しかし現代は中世ではありませんから、それで上手く行くはずがありません。
無理やりそれで政治をやって国内を弾圧的に統治してきたのが、今も続いています。

宗教は、基本的に変化を禁止します。
だから、骨董品のようなアメリカのヘリのベル212を使用し続けてきたのであろうと思います。
大統領が乗るヘリは、これ!と決めたので革命後、これまで使用を続けてきたのでしょうね❓
しかも、天敵のアメリカに部品購入を頼む情けなさです。

宗教で国を統治する限界と弊害が見えます。
普通なら❓
ソ連との関係がありますから、ソ連から新型のヘリを買えばいいでしょう❓
古くなれば買い替えれば、いいでしょう❓
こんな常識的なことが、戒律により出来ません。

去年は女性のスカーフ着用をめぐり女子学生が死亡しました。イラン全土で抗議デモが吹き荒れました。
デモ参加者に逮捕者続出、死刑になった人もいると思います。
これを弾圧しているのが宗教警察であり、軍事的に支えているのが革命防衛隊です。

イラン革命は、イランを中世の宗教国家に引き戻してしまいました。

そこで、サウジの話が出てきます。
『2016年4月に発表された「サウジ・ビジョン2030」(社会・経済改革)<2024.05.22』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/f054b99b0fabbee2ea7f0bdab2c6efb6

極端に宗教戒律が強かったサウジにも近代化の波が押し寄せ、皇太子が主導して社会・経済改革のビジョンが示されました。これが2016年です。
以後、サウジは急速な変化を遂げています。

イランの場合は、1960年代から1970年代にかけてパーレビ王朝が社会改革に取り組んでいます。
確かにアメリカの影響が強かったかもしれませんが、土着の政権です。もし、そもまま改革を進めればイランは西欧の良い部分を取り入れた近代的な中東の強国に成長していたかもしれません。
宗教革命は結果としてそれを阻害して、イランは今も宗教的戒律の強い遅れた閉ざされた国です。

自由化を進めようとした大統領もいましたが、宗教勢力に排除されました。
結果としてイランは、宗教独裁軍国主義国家になりました。国内の不満を抑えるために外国に敵を作り徹底的に対立します。そして周辺国の内紛に介入し、常に地域を不安定にします。
イラン国民の多くは、それを望んではいないと思います。

まだいたのか❓
『元皇太子がライシ師非難 イランの体制転換訴え』
2024/5/21 10:16
https://www.sankei.com/article/20240521-WYJSYF4F3JNJTNGZ6WWNYPVNHE/

パーレビ王朝の元皇太子がまだいます。
その影響力を恐れたから、イランは一層宗教独裁を強めたのかもしれません。

今のままでは、全ての人が不幸です。
宗教独裁から合議制の世俗主義の政治に変えていかないと21世紀、イランが発展することはないと思います。
歴史もあり国土が広く、国民の数も多く資源もあります。
イランが普通の国家になれば、自然にイランは発展していくと思います。
イラン国民のために、残念ですね❓

※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2


2016年4月に発表された「サウジ・ビジョン2030」(社会・経済改革)<2024.05.22

2024-05-23 19:24:29 | アフリカと中東

サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子には、毀誉褒貶があります。
しかしムハンマド・ビン・サルマン皇太子が主導して2016年4月に「サウジ・ビジョン2030」という社会・経済改革を発表しました。
以後、サウジでは急速に社会変化が起きています。
中でも女性の社会参加を認めることでは大きな進展があったと言えます。
宗教的戒律の厳格なサウジでこのような様々な改革が実現しつつあることは、驚きです。
サウジ社会も成熟してこのような変化を容認する社会的合意が生まれたのでしょうね❓
(この記事は次の記事の補足説明です)

以下、その例です。

サウジで初の水着ファッションショー 「歴史的な瞬間」
2024年05月20日16時32分
https://www.jiji.com/jc/article?k=20240520045953a&g=afp
「美ラクダ」コンテストに女性初参加 サウジ
2022年1月10日 15:28 発信地:ルマ/サウジアラビア [ サウジアラビア 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3384356
メッカ大巡礼、男性「後見人」なく女性だけでの参加可能に サウジ
2021年7月21日 15:19 発信地:メッカ/サウジアラビア [ サウジアラビア 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3357687?cx_part=related_yahoo
聖地メッカとメディナの要職に女性10人任命、サウジで異例の人事
2020年8月17日 20:03 発信地:リヤド/サウジアラビア [ サウジアラビア 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3299521?cx_part=related_yahoo
サウジ初ドッグカフェ、イスラム保守社会の愛犬家の憩いの場に
2020年10月4日 19:15 発信地:ホバル/サウジアラビア [ サウジアラビア クウェート 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3308070?cx_part=related_yahoo
路上に出る準備をするサウジの女性バイクライダーたち
03 Feb 2020 11:02:11 GMT9
https://www.arabnews.jp/article/saudi-arabia/article_8858/
サウジで女性ドライバーが初レース、夢は「ルマン出場」
2019年12月4日 8:30 発信地:ディルイーヤ/サウジアラビア
https://www.afpbb.com/articles/-/3256553?cx_part=related_yahoo
サウジアラビアで女性の運転が解禁、抑圧の象徴に風穴
By Reuters
2018年6月25日午前 10:54 GMT+96年前更新
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN1JL05D/
女性の運転解禁間近のサウジ、ファッション誌表紙写真が物議 運転席に王女
2018年6月1日 8:45 発信地:ドバイ/アラブ首長国連邦 [ 中東・北アフリカ アラブ首長国連邦 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3176776
女性の運転解禁間近のサウジ、人権活動家7人を逮捕
2018年5月20日 11:24 発信地:ドバイ/アラブ首長国連邦 [ 中東・北アフリカ アラブ首長国連邦 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3175266?cx_part=related_yahoo
壮観華麗!女性ライダーがエッフェル塔前に大集合
2014年3月10日 17:48 発信地:パリ/フランス [ ヨーロッパ フランス ]
https://www.afpbb.com/articles/modepress/3010101?act=all&cx_part=carousel&cx_position=1&pid=13310069


※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2


ヨーロッパを破壊しつつあるウクライナ紛争>NATO東方拡大のブーメラン効果<2024.05.22

2024-05-23 19:21:37 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

見ていると呆れますね❓
もう2年以上、戦争が続いているのに一向に停戦の話が出てきません。一部の政治家が言うだけです。

(1)ヨーロッパを見ていると「恐ロシア集団ヒステリー」状態です。
「ロシアが怖い!ロシアが攻めてくる!」
だから❓
「ロシアに絶対勝たせては、ならない!」
これでヨーロッパの政治家の頭の中がループ状態です。
単に金儲けだけにしては、異常です。
その心理状態を考えてみると❓
ロシアの戦車部隊が、ポーランド国境の東側まで来るのが現実的な可能性を帯びてきました。
皮膚感覚のロシアへの恐怖と言えます。

その恐怖を呼び込んだ理由は何か❓
NATOの東方拡大政策が、西のロシア国境に迫りロシアが恐怖を感じてNATOとの境界線を西に押しやろうとしたためです。

2008年ごろからロシアが感じていた恐怖を、今ヨーロッパが感じていることになります。
「NATO東方拡大のブーメラン効果」と言うわけです。

元々、ウクライナは独立に当たりロシアと約束したことがあります。
中立を保つ。
ロシアと敵対的な軍事同盟に参加しない。
だから、共産主義の時代ですがウクライナ国会は、「中立宣言」をしています。
その後、2013年まではそれが守られました。

2014年アメリカが組織して訓練したウクライナの過激民族主義者や極右勢力が、クーデターでウクライナの政権を簒奪しました。それを胡麻化すために「尊厳の革命」などと嘘を言って、いかにも「キレイごと」にしています。
「アラブの春」と同じです。

アメリカの傀儡政権です。
アメリカが傀儡政権にやらせたのが、ウクライナのNATO加盟を国是とすることです。
公然と、ウクライナのNATOへの取り込みを始めました。
憲法を改正して憲法に定めました。
それまでは、ウクライナにNATO加盟志向はありませんでした。少なくとも国是になるようなことは、ありませんでした。
これがロシアの安全保障の第1レッドラインを超えました。
ロシアはクリミアを奪取し、ドンバス地方を中心に発生した独立運動を支援しました。
これは、過激民族主義者のクーデターに反対するロシア系住民が中心です。ロシア支持者とも言えます。
ここで今に続くウクライナの内戦が始まりました。

その後、2021年ゼレンスキーはアメリカの後ろ盾を背景に東部独立派に対する軍事攻撃を激化させました。

これでロシアの第2レッドラインを超えました。
2021年の11月からロシア軍がウクライナ国境に集結し始めました。2021年12月にロシアは、最後通牒を突きつけます。アメリカは、これを拒否しました。
ロシア軍は、2022年1月には集結を完了し双方の話し合いは続きましたが、合意を見ずロシアの軍事侵攻が始まりました。

2014年以降、ロシアがウクライナに対して軍事的な圧力を加えたのは、NATOの国境線がロシアの西の国境に迫ってきた恐怖です。

だからロシアは、軍事力でそれに対抗しようとしNATO側の圧力が強まるばかりだったので、最終的にウクライナの中立化と非武装化のために軍事介入しました。
ここでNATOが介入しなければ、内輪の兄弟げんか程度の軍事紛争で済んだと思います。
NATOがウクライナに軍事支援を始めたために紛争が本格的な戦争に拡大して、今も続いています。

そして2年以上が経過してロシア軍の優勢が誰の目にも明らかになりました。
今度は、ポーランド国境にロシアの軍事力が迫る恐怖を皮膚感覚で感じたヨーロッパが、その恐怖でパニックになり集団ヒステリー状態になっていると言うわけです。

そもそもウクライナを中立の緩衝地帯のままにしておけば、起こらなかったことです。
NATOの東方拡大と言う、アメリカのエゴが恐怖と恐怖を生み出し、やっぱりループ状態になっているのが、今の現状です。

そもそも先に手を出したのは、アメリカです。
だからアメリカがロシアに停戦を申し出なければ、なりません。
ロシアの方は、既に停戦の基本条件は出していますしロシアの要望が受け入れられればの前提はありますが、話し合いに応じる姿勢は示しています。
ウクライナの方は、負けているくせに話し合いを拒絶しています。
あくまで戦争を継続して徹底抗戦する構えです。
何か清算があるわけではありません。
勝てる見込みがないので最近は、NATOを戦争に引き込もうとしています。
ヨーロッパのバカな国が派兵に応じれば、ヨーロッパ紛争に拡大するでしょうね❓

だから戦争を煽りまくってきた欧米がウクライナを説得するべきだと思います。
今のところ、そんな気配は見えません。

(2)詳しくはここでは書きませんが、ウクライナ紛争はヨーロッパ経済を貧しくしています。
だから経済的に困窮する市民も増えつつあります。
ごく簡単に言うとこんなことです。

ロイター
アングル:EU市民の生活水準低下、議会選で極右伸長のパワー溜まる
By Michel Rose、 Maria Martinez、 Mark John
2024年5月11日午後 3:12 GMT+915時間前更新
https://jp.reuters.com/world/europe/FUWS7TA3PNM27LYJTZTPLDEQZA-2024-05-11/

社会が貧しくなると犯罪が増え社会が不安定化します。
それが極右勢力の台頭を招きます。
ヨーロッパでは、ほぼ全ての国で極右が勢力を伸長しています。
「民主主義を守る!」
民主主義を破壊しつつあります。
嘘のプロパガンダとフェイクニュースで胡麻化して戦争を煽り立ててきたブーメラン効果です。
「ロシア潰し」のはずが、徐々に「ヨーロッパ潰し」になりつつあります。

戦争が長引けば、ヨーロッパは徐々に衰退し政治的には右翼や極右が政権に関与する度合いが強まると思います。

今、ウクライナがそんな状態にあります。
2014年から続く内戦はウクライナを経済的にも社会秩序の面からも蝕み、ほぼ破綻国家です。
欧米が経済支援を止めれば、即財政破綻から国家破綻に至るでしょう。

戦争が更に長期化すればするほど、ヨーロッパも似たような状況が発生すると思います。特に貧しい小国ほどそうなると思います。

速く戦争を終結する方向に政治と外交的努力をしないと、ヨーロッパはユーラシアの端っこの落ちぶれた地方になると思います。
ヨーロッパが落ちぶれると言うことは、どこかほかの地域がその分豊かになるでしょう。
困るのはヨーロッパ自身です。
EUのお偉方やヨーロッパの主要国は、良く考えるべきでしょうね❓

もっとも❓
ヨーロッパの貧乏でない国が貧乏な国を植民地化するのが目的なら、一応筋は通っています。
しかし、そんなことをすれば貧乏な国が同盟して戦争を起こすでしょうね❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ウクライナ紛争の行方とロシア軍の戦術の変化<2024.05.21

2024-05-23 19:19:05 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ウクライナ紛争も3年目に入り、国力の差がはっきりと見えてきました。
東部戦線でも南部戦線でもロシア軍優勢の戦いが続いています。それとは別個にロシア軍はハルキウ北部戦線を形成しました。まだ北部戦線は、国境から少しウクライナ領に入った小競り合い程度の戦闘です。開戦から10日が経過してウクライナ軍が侵入したロシア軍を追い払うことは出来ていません。
おそらく現在ロシア軍が占領している地域は、防衛線を築かれてそこを根拠地にロシア軍は、ハルキウ州に圧迫を加えると思います。

東部戦線と南部戦線だけでも極端な兵力不足に陥っていたウクライナ軍は、更に兵力が足りなくなると思います。
少々武器や砲弾、ミサイルの支援が増えてもどうしようもないと思います。

ロシア軍が特に大兵力を投入して突破を図らなくても自然体でロシア軍が暫進を続けると思います。
特にドネツク戦線では、ロシア軍の西進を阻止してきた強力な要塞群が、ほとんど制圧されましたのでロシア軍の進撃を阻止する防衛ラインまたは大きな軍事拠点がありません。
泥縄式に後方にインチキ防衛ラインを作っても、そう長くはロシア軍を阻止できないと思います。
その肝心の防衛ラインの建設すら汚職がはびこっていて半ば放置されています。要は金だけ受け取って仕事は手抜きか全然していない状況が、ハルキウ州北部で分かりました。

だからウクライナ軍がロシア軍と持久戦にもう一度持ち込むためには、この地方で昔から行われてきた作戦を採用するしかないように見えます。

ドニプロ川が自然の要塞になります。
①西から攻めてきた勢力が不利になれば、ドニプロ川の西まで撤退しそこで戦います。
②東から西に攻めた勢力が不利になれば、ドニプロ川の東岸に撤退して戦います。

今、ウクライナ軍の立場は①に当たります。
ドニプロ川を越えて軍事作戦を展開するのは昔も今も大変だと言うことです。
その意味でロシア軍には決定的な切り札が残されています。ドニプロ川の橋を全部、破壊すればドニプロ川東岸のウクライナ軍は補給を失い戦闘継続不可能になります。

ロシア軍がそうしないのは、国際的な批判もあるでしょうしドニプロ川東岸の百万人単位の民間人に餓死者が出るからです。さすがに、この民間人全員にロシアが食料を配給するのは無理だと思います。

ウクライナ軍に残された道は、ドニプロ川西岸まで撤退する事だけだと思います。
さすがにドニプロ川を越えて西岸を攻めるほどの軍事力はロシア軍にもないと思います。
そうなって持久戦に持ち込むのが、精一杯だと思います。
と言って持久戦に持ち込んでウクライナに勝ち目があるわけではありません。

だからウクライナにとって今、最も良い方法はロシアと和平交渉を始めることです。
ドニプロ川西岸まで撤退してしまえば、和平の条件は厳しくなるのは分かり切っています。
ゼレンスキーの大統領任期はすでに切れています。
ウクライナは、速く代わりの代表者を選んでゼレンスキーと交代させるべきだと思います。

(2)ロシア軍の戦術の変化
アウデイーウカ市街攻防戦の最後のころからロシア軍の戦術が劇的に変化しました。
それまで何故か実施しなかった空軍の地上部隊の援護を始めました。空軍と陸軍の一体運用です。これはアメリカではごく普通の戦術ですが、ロシアの戦術にはなかったようです。
遅ればせながらアメリカ軍の真似を始めたわけですが当然ながら抜群の効果がありました。
大型の滑空爆弾の雨を降らせれば地上で無事な陣地はありません。
アウデイーウカ市街攻防戦の最後ではウクライナ軍のそれまでの強固な陣地が滑空爆弾で破壊されまくったのが陥落の大きな原因です。

それ以降、ロシア軍は滑空爆弾の大量製造に乗り出し最近の報告では1日100発程度、滑空爆弾をウクライナ軍の陣地に打ち込んでいるようです。
地上部隊の攻撃前には、滑空爆弾の雨が降り砲弾の雪が降るような有様です。少々オーバーですが、これで無事な塹壕や陣地はありません。
打ち漏らしを陸上部隊が掃討する要領です。

もう一つロシア軍が得た大きな武器が、通称「ランセット」と呼ばれる攻撃型ドローンです。
実際に供給されているのは、「ランセット」の廉価版だと思います。
性能は本物にやや劣るものの効果は抜群なようです。
これが開発されたのが3月の初め頃です。
その頃に実戦で試され十分な効果を得られたので量産体制に入ったと思います。
4月には、各戦場に現れ今ではロシア軍と言えば「ランセット」と言うほどに豊富に前線に供給されています。

大体、試作品の段階で航続距離が40km程度でした。
前線から40km程度以内にあるウクライナ軍の戦車・歩兵戦闘車・装甲車・大砲・ミサイルランチャーなどの地上部隊の火力が全部、攻撃対象になります。
戦場で長持ちしなくなりました。
これでウクライナ軍の持つ西側兵器とその火力の優位性が大きく失われました。

ロシア軍の前線に大量に配備されたランセットが次々にウクライナ軍を襲うわけです。
もちろんウクライナ軍にも同じ兵器はあります。
しかし数においてロシア軍が圧倒しているようです。

ウクライナの大統領府も参謀本部もこのような戦場の劇的な変化を認識しては、いないと思います。
2023年のつもりで命令を出せば、前線のウクライナ兵は次々に犠牲になるという事情があります。
兵士の戦意喪失の部分もありますが、実際に前線でウクライナ兵がバタバタと戦死しているから投降や逃亡が続出している現実があります。

ロシア軍としては、ウクライナ兵を削っていけば自然に有利になります。消耗比率が同じなら、補充のできるロシア兵は数が減りません。
補充の出来ないウクライナ兵は時間がたつほどに減っていくという残酷で単純な現状があります。
だから時間がたつほどにウクライナ軍の不利が増しています。
それは、全部の戦場でウクライナ軍が後退している事にはっきりと現れています。
『※この現実をウクライナの大統領府は、砲弾がない・西側の支援の遅れが原因だ・と胡麻化しています。
胡麻化そうと圧倒的な兵力の差が解消されるわけではありません。都合の悪いことを全部、他人の責任にしたところで現実は何も変わりません。』

勝ち目のない戦場に無理やり送り込まれるウクライナ兵は、哀れと言うしかありません。
太平洋戦争で負け戦になった後の日本兵を思えば、それが理解できると思います。
今のウクライナ政府は、太平洋戦争時の陸軍独裁内閣と全く同じであることに、少なくとも日本人は気が付いて欲しいと思います。

まだウクライナ戦争を煽り立てている日本人の学者や識者や専門家がいると思います。
国を戦争に導くのは、そのような人たちです。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ブルガリア大統領が平和へ向けた政治的努力を訴え<ウクライナ紛争2024.05.21

2024-05-23 19:18:36 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024年05月21日09:40
①ブルガリア大統領「ウクライナの対ロシア勝利は不可能」平和へ向けた政治的努力を訴え
https://hara.livedoor.biz/archives/52339227.html

元記事
EURACTIV
Bulgarian president says Ukraine’s victory over Russia ‘impossible’
2024年5月20日
https://www.euractiv.com/section/politics/news/bulgarian-president-says-ukraines-victory-over-russia-impossible/
ブルガリアのルーメン・ラデフ大統領
「戦争の継続とロシアに対する不可能な勝利を唯一の可能な解決策として提示することは受け入れられない」
「ラデフ氏は、武器を与えることではなく、平和のための政治的努力を呼び掛けた。」

ちなみにEuractivとは❓
『英語から翻訳-Euractiv は、フランスのメディア出版社 Christophe Leclecq によって 1999 年に設立された、EU 政策に焦点を当てたヨーロッパのニュース Web サイトです。本社と編集中央スタッフはブリュッセルにあり、その他の事務所はパリとベルリンにあります』

と言うことでまともなニュースサイトのようです。
記事の大雑把な翻訳は、①のHara Blogの記事にあります。
私もgoogle翻訳で訳文を読みましたが、そう書かれていました。

要は、今アメリカやヨーロッパのイケイケ国家が主張するような・・・
「戦争継続とロシアに対する勝利は不可能だ。」と述べ
「(話し合いによる)平和のための政治的努力をするべきだ」と述べました。

戦争ではロシアに勝てないから、武器の援助ではなく話し合いによる外交努力をするべきだ・と言うことです。

こんな当たり前のことすら、今のヨーロッパでは異端者扱いされます。2023年ならそれこそ袋叩きでしょうね❓
実際、同じことをもっと露骨に発言したフランスの元大統領のサルコジが、そうなりました。

これまで明確に停戦を主張してきたのは、政府首脳ではたった二人です。
一人は、元々親ロシア派のハンガリーのオルバン首相です。オルバン首相は、最初から停戦を主張しています。
二人目が今回暗殺未遂に遭遇したスロバキアのフィツォ首相です。フィツォ首相はウクライナ支援停止と停戦が選挙公約ですから去年の後半から主張しています。

ブルガリアのルーメン・ラデフ大統領が三人目と言うことになります。スロバキアのフィツォ首相の暗殺未遂事件があり、あえて声を上げたと言うことかもしれません。

最初からカチンコチンの主戦派は、バルト3国・ポーランド・チェコ・イギリスなどです。
不思議なことにこれらの国は、全部CIAの基地があったり活動拠点がありCIAの影響力の強い国です。
当然、アメリカの経済的な支援もあると思います。
ウクライナ紛争の主体が大体分るでしょう❓
アメリカとイギリスです。
アメリカがイギリスにバルト3国・ポーランド・チェコなどと組んで主戦論を強硬に主張させ、ヨーロッパを戦争支持に引きずり込んだ経緯があります。(最初はドイツは消極的でしたしフランスは停戦を仲介しようとしました。)

日本人が海外情報音痴だから知らないだけで、ヨーロッパの政治や外交を知る者には常識だと思います。
知らないから騙されるのと、知っていても敢えて黙っているのは違います。

このまま突き進めば、ヨーロッパ紛争に拡大する危険性は時間とともに大きくなると思います。
ウクライナは、せっせとNATOを戦争に引き込もうとしています。

インタビュー:ウクライナ、同盟国の支援加速・直接関与を働きかけ=ゼレンスキー氏
By Mike Collett-White、 Dan Peleschuk、 Sergiy Karazy
2024年5月21日午前 8:12 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/XASPP5J34ZINFKAT3EYO7S4TEM-2024-05-20/

ゼレンスキーは、NATOの参戦を呼び掛けています。
これに乗る国はないと思いますが、やれば即ヨーロッパ紛争に規模が拡大します。

そろそろ停戦の話を持ち出さないと非常に危いと思います。
どこでどんな具合に火が拡大するかなど、誰にも分かりません。ゼレンスキーは、ほぼやけくそですから何をやるか分かりません。
と言うよりもう自力では勝ち目はありませんから、NATOを引きずり込むためにあらゆる努力をすると思います。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


2024大相撲>5月場所12日目>琴桜、大の里、湘南乃海、欧勝馬

2024-05-23 19:18:11 | スポーツ

今日の取り組み
(3勝6敗)若元春●ー〇琴桜(9勝3敗)
(8勝4敗)豊昇龍〇ー●↓御嶽海(8勝4敗)
(9勝3敗)湘南乃海↓●ー〇阿炎(8勝4敗)
(8勝4敗)宝富士↓●ー〇大の里(9勝3敗)
(8勝4敗)明生〇ー●↓大栄翔(8勝4敗)
〇欧勝馬(9勝3敗)
〇琴勝峰(8勝4敗)
※注目
〇高安(6勝1敗5休)
2大関1関脇1小結・撃破

大相撲明日の取組 夏場所13日目
豊昇龍6-6翠富士
湘南乃海0-2琴桜
若元春※ー※欧勝馬
明生4-7阿炎
宇良※ー※大の里
御嶽海15-12大栄翔

と言う結果になり、3敗が4人、4敗が7人です。
平幕力士は大栄翔 ・以外は上位との対戦がありませんでしたので今日から上位との対戦です。3敗の湘南乃海と欧勝馬は、これからがきつくなります。
宝富士は幕尻に近いので余り上位との対戦は、ないと思います。
平幕で残りそうなのは、力上位の大栄翔と対戦相手が楽な宝富士です。それ以外は、相当頑張らないと苦しいですね。
他は、役力士です。
明日も星の潰し合いが3番・組まれています。
負けた者から脱落のサバイバルです。
琴桜と豊昇龍は千秋楽の結びでの取り組みですから、もう星は落とせません。
4敗で上が落ちるの待ちですが、上位との対戦が済んでいる大栄翔 は対戦相手に恵まれています。でも、今日格下相手に負けました。勢いがないですね❓

勝ち星でリードしている琴桜と大の里が、やや有利です。
豊昇龍が、星を落とさず千秋楽まで勝てるかどうか❓
琴桜と大の里は、阿炎との対戦がポイントです。
力が落ちましたけれど実力者ですから一発があります。
豊昇龍は、若元春です。油断すると一発があります。

特筆ものは、高安で5日休場の後、大関二人と熱海富士を撃破して3連勝の6勝目。残り3日で2勝なら勝ち越しです。
6勝1敗ですから休場がなければ優勝争いに絡んでいたかもしれません。
来場所は、ケガをしないように気を付けて頑張ってほしいと思います。

十両では、11勝1敗が3人です。
ベテランの実力者の遠藤と若隆景。
新十両の阿武剋の3人の争いです。
阿武剋は、強いですね。
すぐ幕内に上がると思います。


※関連記事目次
「欧州サッカー&大相撲&ボクシング」の記事目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e1c3411cc4e400cbb1f90e45064e8d35


2024大相撲>朝青龍が甥の豊昇龍に与えた教え

2024-05-23 19:16:24 | スポーツ

豊昇龍、高校時代からしのぎけずる大の里下す「気持ちよかった」25歳誕生日を自ら祝う白星
[2024年5月22日20時8分]
https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202405220001297.html

この記事を読んで豊昇龍の略歴を調べてみる気になりました。朝青龍の甥であることは、デビューのころから話題になっていましたから知っています。最初は大したことがなかったので・・・
「叔父さんほどじゃないな❓」
と忘れていました。
何となく大関昇進していて、大の里の天敵になり、ちょっと気になりました。
大体、大の里と同期くらいなんですね?

最初、日本に来たのはレスリング留学でした。
来てすぐの高校1年の時大相撲を見て興味を持って相撲に転向しました。
結構、もめたようで朝青龍が口利きをして収めたようです。
それまで相撲経験がなかったことに驚きました。
相撲に転向したら血筋は争えず、めきめきと頭角を現したようです。
当時横綱の白鵬に稽古を付けてもらう機会があり、その後実力が急速に伸びたようです。
高校卒業後、立浪部屋に入門しました。
この経歴を知ると今大関に昇進しているのに驚きます。
高校1年から相撲を始めて、大関ですと!

素質もそうですが、やはり叔父が元横綱の朝青龍であることも、大きな要因だと思います。
英才教育をピンポイントで受けています。

朝青龍が入門に当たりアドバイスしたこと。
「自分の力で強くなれ! 引いてはダメ」
「急に太ってはダメ! 怪我をするから」
(豊昇龍)
「叔父さん(朝青龍)みたいに、1番上の横綱になりたい」
⇒「強くなるには、親方の言うことをちゃんと聞きなさい!」
(モンゴルのことわざ)
「山の上じゃなくて、足の下の石を見ろ」
「酒に呑まれるな」

他に朝青龍は、「今の力士は基本稽古が全然足りない」とも言っています。
他にも色々教えているでしょうね❓

特に驚いたのが・・・
「急に太ってはダメ! 怪我をするから」

今の相撲部屋では、ほぼ正反対のことをしています。
食べて体重を増やすことを、絶対正しいと思い込んでいる節があります。
今の力士が弱い理由は、朝青龍が指摘した中にあります。

「今の力士は基本稽古が全然足りない」
「急に太ってはダメ! 怪我をするから」

これと正反対のことをやっているから、体だけ大きくて相撲の弱い力士が出来上がると言うわけです。
ケガや故障が多いのも、これが大きな原因になっていると思います。

武蔵丸も同じことを言っていました。
「筋トレばっかり、やっている。ボデイビルじゃ、ないんだから!」
「基本稽古でないと相撲に必要な体は出来ない」

このような正しい教えを実行して出世してきた豊昇龍が強いのは、当然と言えます。
格下に取りこぼす悪い癖が直れば、横綱挑戦でしょうね❓

強い証明は、大の里に3連勝しています。
今の幕内力士では、誰も出来ないことです。

豊昇龍強いのが分かって安心したことがあります。

大の里が強すぎて、すぐライバルがいなくなるだろうと思っていました。
しかし3連勝の結果が示す通り豊昇龍は強いです。
豊昇龍にとっても良いライバルが現れたと言えます。

今まで豊昇龍は、手抜きしても結構勝てていたと思います。全力でやらないと勝てない相手が現れました。
真面目に稽古に取り組むと思います。

双方にとり、丁度良いライバルと言えます。
豊昇龍が横綱になるのが早いか❓
大の里が大関になるのが早いか❓
競争です。
私は、豊昇龍は大関になって怠けていたと思います。
(こんなもんじゃ、ないだろ❓)

※関連記事目次
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2024.05.23木>東京株式市場

2024-05-23 19:12:37 | 株式日記

N225▲1.26% 39,103.22 +486.12
トピックス▲0.64% 2,754.75 +17.39
グロース250▼1.47% 615.48 -9.18

東京市場は、NYとは反対にエヌビディアの好決算に素直に反応して上昇して引けました。
NY市場の下落は、FOMC議事録への反応だろうと思います。
東京は、昨日NYに先行して利益確定が済んでいるので上昇と言うことだろうと思います。
ショートが昨日の流れで寄付き後、かなり強引に下を売りましたが、買い優勢で全然勝負になりませんでした。
高いところに行くと戻り売り優勢ですが、安い方に行くと押し目買い優勢の流れのようです。

強含みの保ち合いと言ったところでしょうね。
と言って、戻り売りの強さを見ると戻り売りをこなしきるまでは、もう少し時間が必要かもしれません。
円相場の急激な変動がなければ、しばらくこんな調子かな・と思います。


☆参考記事
エヌビディア決算:識者はこうみる
By ロイター編集
2024年5月23日午前 10:36 GMT+94時間前更新
https://jp.reuters.com/markets/japan/AOSRR24IOVNDZH4DLP637UH6SM-2024-05-23/
NY市場サマリー(22日)ドル・利回り上昇、株は下落
By ロイター編集
2024年5月23日午前 6:54 GMT+98時間前更新
https://jp.reuters.com/markets/us/AB2VMA62BBOKRIPLXEIBMUNV6I-2024-05-22/
世界の半導体売上高、年間10%成長 TSMCが見通し
By ロイター編集
2024年5月23日午後 2:15 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/markets/world-indices/6XXMXV7XYFJOBF57JPKG2NFTYY-2024-05-23/
コラム:円安メリット生かせぬ日本経済、競争力低下で続く貿易赤字
By 田巻一彦
2024年5月23日午後 1:54 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/ENUAMLGDQZNSFECXY7WYCHNTEA-2024-05-22/

 

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