「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ヨーロッパを破壊しつつあるウクライナ紛争>NATO東方拡大のブーメラン効果<2024.05.22

2024-05-23 19:21:37 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

見ていると呆れますね❓
もう2年以上、戦争が続いているのに一向に停戦の話が出てきません。一部の政治家が言うだけです。

(1)ヨーロッパを見ていると「恐ロシア集団ヒステリー」状態です。
「ロシアが怖い!ロシアが攻めてくる!」
だから❓
「ロシアに絶対勝たせては、ならない!」
これでヨーロッパの政治家の頭の中がループ状態です。
単に金儲けだけにしては、異常です。
その心理状態を考えてみると❓
ロシアの戦車部隊が、ポーランド国境の東側まで来るのが現実的な可能性を帯びてきました。
皮膚感覚のロシアへの恐怖と言えます。

その恐怖を呼び込んだ理由は何か❓
NATOの東方拡大政策が、西のロシア国境に迫りロシアが恐怖を感じてNATOとの境界線を西に押しやろうとしたためです。

2008年ごろからロシアが感じていた恐怖を、今ヨーロッパが感じていることになります。
「NATO東方拡大のブーメラン効果」と言うわけです。

元々、ウクライナは独立に当たりロシアと約束したことがあります。
中立を保つ。
ロシアと敵対的な軍事同盟に参加しない。
だから、共産主義の時代ですがウクライナ国会は、「中立宣言」をしています。
その後、2013年まではそれが守られました。

2014年アメリカが組織して訓練したウクライナの過激民族主義者や極右勢力が、クーデターでウクライナの政権を簒奪しました。それを胡麻化すために「尊厳の革命」などと嘘を言って、いかにも「キレイごと」にしています。
「アラブの春」と同じです。

アメリカの傀儡政権です。
アメリカが傀儡政権にやらせたのが、ウクライナのNATO加盟を国是とすることです。
公然と、ウクライナのNATOへの取り込みを始めました。
憲法を改正して憲法に定めました。
それまでは、ウクライナにNATO加盟志向はありませんでした。少なくとも国是になるようなことは、ありませんでした。
これがロシアの安全保障の第1レッドラインを超えました。
ロシアはクリミアを奪取し、ドンバス地方を中心に発生した独立運動を支援しました。
これは、過激民族主義者のクーデターに反対するロシア系住民が中心です。ロシア支持者とも言えます。
ここで今に続くウクライナの内戦が始まりました。

その後、2021年ゼレンスキーはアメリカの後ろ盾を背景に東部独立派に対する軍事攻撃を激化させました。

これでロシアの第2レッドラインを超えました。
2021年の11月からロシア軍がウクライナ国境に集結し始めました。2021年12月にロシアは、最後通牒を突きつけます。アメリカは、これを拒否しました。
ロシア軍は、2022年1月には集結を完了し双方の話し合いは続きましたが、合意を見ずロシアの軍事侵攻が始まりました。

2014年以降、ロシアがウクライナに対して軍事的な圧力を加えたのは、NATOの国境線がロシアの西の国境に迫ってきた恐怖です。

だからロシアは、軍事力でそれに対抗しようとしNATO側の圧力が強まるばかりだったので、最終的にウクライナの中立化と非武装化のために軍事介入しました。
ここでNATOが介入しなければ、内輪の兄弟げんか程度の軍事紛争で済んだと思います。
NATOがウクライナに軍事支援を始めたために紛争が本格的な戦争に拡大して、今も続いています。

そして2年以上が経過してロシア軍の優勢が誰の目にも明らかになりました。
今度は、ポーランド国境にロシアの軍事力が迫る恐怖を皮膚感覚で感じたヨーロッパが、その恐怖でパニックになり集団ヒステリー状態になっていると言うわけです。

そもそもウクライナを中立の緩衝地帯のままにしておけば、起こらなかったことです。
NATOの東方拡大と言う、アメリカのエゴが恐怖と恐怖を生み出し、やっぱりループ状態になっているのが、今の現状です。

そもそも先に手を出したのは、アメリカです。
だからアメリカがロシアに停戦を申し出なければ、なりません。
ロシアの方は、既に停戦の基本条件は出していますしロシアの要望が受け入れられればの前提はありますが、話し合いに応じる姿勢は示しています。
ウクライナの方は、負けているくせに話し合いを拒絶しています。
あくまで戦争を継続して徹底抗戦する構えです。
何か清算があるわけではありません。
勝てる見込みがないので最近は、NATOを戦争に引き込もうとしています。
ヨーロッパのバカな国が派兵に応じれば、ヨーロッパ紛争に拡大するでしょうね❓

だから戦争を煽りまくってきた欧米がウクライナを説得するべきだと思います。
今のところ、そんな気配は見えません。

(2)詳しくはここでは書きませんが、ウクライナ紛争はヨーロッパ経済を貧しくしています。
だから経済的に困窮する市民も増えつつあります。
ごく簡単に言うとこんなことです。

ロイター
アングル:EU市民の生活水準低下、議会選で極右伸長のパワー溜まる
By Michel Rose、 Maria Martinez、 Mark John
2024年5月11日午後 3:12 GMT+915時間前更新
https://jp.reuters.com/world/europe/FUWS7TA3PNM27LYJTZTPLDEQZA-2024-05-11/

社会が貧しくなると犯罪が増え社会が不安定化します。
それが極右勢力の台頭を招きます。
ヨーロッパでは、ほぼ全ての国で極右が勢力を伸長しています。
「民主主義を守る!」
民主主義を破壊しつつあります。
嘘のプロパガンダとフェイクニュースで胡麻化して戦争を煽り立ててきたブーメラン効果です。
「ロシア潰し」のはずが、徐々に「ヨーロッパ潰し」になりつつあります。

戦争が長引けば、ヨーロッパは徐々に衰退し政治的には右翼や極右が政権に関与する度合いが強まると思います。

今、ウクライナがそんな状態にあります。
2014年から続く内戦はウクライナを経済的にも社会秩序の面からも蝕み、ほぼ破綻国家です。
欧米が経済支援を止めれば、即財政破綻から国家破綻に至るでしょう。

戦争が更に長期化すればするほど、ヨーロッパも似たような状況が発生すると思います。特に貧しい小国ほどそうなると思います。

速く戦争を終結する方向に政治と外交的努力をしないと、ヨーロッパはユーラシアの端っこの落ちぶれた地方になると思います。
ヨーロッパが落ちぶれると言うことは、どこかほかの地域がその分豊かになるでしょう。
困るのはヨーロッパ自身です。
EUのお偉方やヨーロッパの主要国は、良く考えるべきでしょうね❓

もっとも❓
ヨーロッパの貧乏でない国が貧乏な国を植民地化するのが目的なら、一応筋は通っています。
しかし、そんなことをすれば貧乏な国が同盟して戦争を起こすでしょうね❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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