コタンクルカムイのまったり生活

野山の散策、小さな旅行、テニス遊びなど、札幌生活を不定期に掲載。
'06年版は「みみずく先生の日記」で。

ウソかマコトか

2014年04月09日 | よろず覚え書き
コボちゃん、じゃなかった、小保方さんの記者会見がありましたね。
STAP細胞研究に関する理研の対応に対する反論の場でした。

理研の対応がどうも釈然としない。
ありもしないことをあるかのごとく発表したのはけしからんので罰を与えるのだという風に聞こえる。
論文への発表は共著者が是とし、マスコミを集めての発表は理研が主導してのことだったはず。
前者では共著者が全面的に共同責任を負うはずだし、後者では「大発見だ~」と認めた上でのことなので上司の責任はきわめて大きい。
これらの責任を問うことをせず、一人だけに全責任を負わせるというのは筋違いと思うのだが。

STAP細胞存在の有無に関しては結果の再現を待たねばなんとも言えないことだと思います。
定説破りの実験結果は慎重な検証が必要で、再現性があるかが重要なポイント。
しかし、当初は新事実を作り出した人しかが出来ないことがままあります。
言ってみれば職人的な技が必要されたような場合。
再現させるためには実験結果の詳細な検証を必要とするため短時間では解決できない。
時にはどうしても再現できず、結果として「誤り」とされる場合も少なくありません。解釈は別として観察された事実は事実なのですが。
「小保方細胞」は原料のコンタミ(余分な物質の含有)が無かったかの検証が重要そうです。

若手の研究者は勢いで研究を進め勝ちですから、そこを善導するのが研究のベテランの役目。
今回はなんだかベテラン陣が「しめた、これに乗っかってうまい汁を吸おう」という気配が濃厚。
都合が悪くなりそうだと自分はさっと逃げ出して若手研究者一人の責任にしてしまう。
組織防衛の論理。
学閥間の隠微な闘争も露わには報道されないが・・・。東大閥、京大閥、慶大閥・・・。
フライシュマン&ポンズの常温核融合は現在では否定されているが、「研究の先取権争いや、研究資金の獲得競争、化学者と物理学者の対立、マスコミの暴走、大学の財政難を解消するための大学当局の政治的策謀など」(Wikipedia、常温核融合の項)が事態を狂乱化させた。
こんなことも想像してみた。
小保方さんの研究の場が日本国内では閉ざされ、一方で例えばシンガポール辺りの野心的な研究機関が招聘し、そこで再現・発展があった場合誰がどのような責任を取るのだろう、と。
そんなことをさせたくないとなれば、飼い殺しにする、なんてこともあり得る。

物理学の分野だがパルサーの発見に伴う上司と若手研究者の関係が興味深い。1967年にアントニー・ヒューイッシュ(上司)とジョスリン・ベル(若手女性研究者)によって発見された。事実の発見はベル。ノーベル賞の受賞はヒューイッシュ。
科学の世界ではまま起きることだが、ノーベル賞級の発見となると誰に受賞させるかとなると上司になりがちで、そこに確執とスキャンダルが生じる。
ベルはノーベル賞こそ上司に譲ったものの、最終的にはイギリス天文学会会長(2002~2004)、英国物理学会会長(2008~2010)を歴任しているのでそれなりには報われている。
余談だが物理学者でもあるロバート L.フォワードのSF小説「竜の卵」(ハヤカワ文庫 SF 468)の前半は発見の経緯を換骨奪胎したものだが、経緯を知っていると実に興味深い。

いずれにしても大きな発見が幻でないことを祈ります。

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