元旦、2日にNHKの教育テレビ、衛星第2テレビで将棋の正月番組があります。放送時間等はこちらでご確認下さい。
2日に東京に戻って3日~5日は札幌東急将棋まつりに行きます。
このイベントに出るのは初めて。1月の札幌はどのくらい寒いんでしょうね。
これが年内最後の更新です。1年間ありがとうございました。皆様、良いお年をお迎え下さい。
小林(裕)六段とは16年10月C級1組順位戦以来の対戦。順位戦にも関わらず夕食休憩前に負けてしまった苦い思い出です。順位戦を夕休前に負けるのはこれが最初で最後のはずです。
振り駒で後手番になり相掛かり腰掛銀に。先日の順位戦、北浜七段戦と同じ戦型です。
8四の飛を浮いて△2五飛を見せたところ。平凡に▲2八飛と受けられると思っていたら▲7五歩△同飛▲2八飛だったので△8五飛と戻って1歩得。
小林(裕)六段は▲2八飛には△4六角▲3七角(▲1八飛は△2五飛)△同角成▲同桂△3五歩が嫌だったとのこと。確かに、先手としては気持ち悪いかもしれません。
先手は▲7二歩からと金を作り、後手はその間に陣形を整備。直前に先手が▲6一と活用するチャンスを逃したのでここではやや後手優勢。(僕はややだと思っていましたが、小林六段はもうダメだと思っていたそうです。)
図では▲6一とくらいかと思っていたら▲6五銀直と桂をくいちぎられたので、一瞬焦りましたが△同銀▲同銀△同歩▲4一銀に↓
中盤戦なら△4二金右や△4三銀打で良いのですが、終盤戦でそれでは遅れを取ります。「両取り逃げるべからず」の格言通りに△6六歩が指がしなる一手。
▲同歩には△6七歩が金では取れない、玉で取ると△4九角や△6九角がある、厳しい王手になります。
よって△6六歩には▲5二銀成ですがそこで△7四角の両取りではなくて△6七歩成。▲同金には△6六歩と叩いてから△8七飛成(参考図)
で受けが利きません。後手陣は詰めろが▲4二金しかなく、それでは金を渡してしまうので詰めろが行きません。また△8六角から王手で▲2八飛を狙う筋もあるので後手勝ち。
よって実戦は△6七歩成に▲同玉でしたが△6六歩▲同玉△6五歩(下図)から寄せ切ることが出来ました。
先手玉はすぐに必死というわけではありませんが、後手陣に詰めろを掛けるには▲4二金しかなく、金が入ったら詰むように寄せれば良いので難しくありません。
▲38分△34分を余す早い終局でした。
勝って1勝目。次は羽生二冠との対戦。前回の対戦が17年9月の銀河戦。その前が16年4月の棋聖戦本戦ですから、長い時間に亘って盤を挟むのは約4年振りということになりますか。ちょっと長すぎですね。対局は1月下旬です。
※今回から本譜手順を太字にしてみました。
北浜七段の先手で相掛かり腰掛銀。さらに相銀冠。
図から▲3五歩△同歩▲4四歩△同歩▲3四歩△同銀▲4四飛と仕掛けられて、△4三銀右に▲3四飛△同銀▲5二角と一気に終盤戦に。
▲5二角の金銀両取りに△2五角と切り返して▲6三角成と金を取った局面。
予定では△5八角成▲同玉△2八飛でしたが▲4八歩と受けられて1.△2九飛成には▲6六歩で広く、捕まらない。2.△4七歩は▲同銀でも▲6八玉でも先手有望。
△5八角成が利かないのは大誤算で、ここで予定変更するようではダメとしたものですが△4九飛で意外に難しかったのは運が良かったです。
終盤戦。これまでは苦戦と思っていましたが△5六馬と銀取りに当ててチャンスが出てきたと感じました。▲9一馬と銀に紐を付けるのが自然ですが△4三桂と銀を追い掛けて▲6四銀と逃げるくらいに露骨に△6六金と打ち込んで▲同歩△同馬▲6八玉△2九飛成(参考図)
△5六桂からの詰めろで△4五桂等の応援もあり、感想戦では受け切るのは容易ではない、という結論でした。
実戦は△5六馬に▲4六金でしたが△同馬▲同銀△同飛成と駒損を回復して面白くなりました。
▲6八銀と竜に当てた局面。ここでは逆転して、後手勝勢。平凡な△5八竜では▲5二角や▲5九香でおかしくなります。
ここは△6七桂成が決め手。同じようでも△6七歩成では▲6一飛が利いてしまうので寄りません。桂で成って歩を残すのがポイントです。以下▲5七銀に△7七銀から必死を掛けて勝ち。
ずっと苦しかったのが急に勝ちになったので半信半疑でしたが△6七桂成を見た北浜七段が「何をやっているんだか・・・」とぼやいたので勝ったと思いました。
終局は日付が変わって0時20分。感想戦を終えて連盟を出たら2時を回ったところでした。
勝って4勝5敗に。今期は残留争いが混戦で、5勝でも順位下位は危ない感じなのでまだまだ気が抜けません。年明けからの3局も頑張ります。
明日23日(祝)は朝日杯将棋オープン戦の本戦3局が行われます。対局者はA級棋士3名に深浦王位と豪華メンバー。中継サイトにて。