棋聖戦最終予選、小林(裕)六段戦。

2007-12-29 | 対局

小林(裕)六段とは16年10月C級1組順位戦以来の対戦。順位戦にも関わらず夕食休憩前に負けてしまった苦い思い出です。順位戦を夕休前に負けるのはこれが最初で最後のはずです。

振り駒で後手番になり相掛かり腰掛銀に。先日の順位戦、北浜七段戦と同じ戦型です。

             

8四の飛を浮いて△2五飛を見せたところ。平凡に▲2八飛と受けられると思っていたら▲7五歩△同飛▲2八飛だったので△8五飛と戻って1歩得。

小林(裕)六段は▲2八飛には△4六角▲3七角(▲1八飛は△2五飛)△同角成▲同桂△3五歩が嫌だったとのこと。確かに、先手としては気持ち悪いかもしれません。

             

先手は▲7二歩からと金を作り、後手はその間に陣形を整備。直前に先手が▲6一と活用するチャンスを逃したのでここではやや後手優勢。(僕はややだと思っていましたが、小林六段はもうダメだと思っていたそうです。)

図では▲6一とくらいかと思っていたら▲6五銀直と桂をくいちぎられたので、一瞬焦りましたが△同銀▲同銀△同歩▲4一銀に↓

              

中盤戦なら△4二金右や△4三銀打で良いのですが、終盤戦でそれでは遅れを取ります。「両取り逃げるべからず」の格言通りに△6六歩が指がしなる一手。

▲同歩には△6七歩が金では取れない、玉で取ると△4九角や△6九角がある、厳しい王手になります。 

よって△6六歩には▲5二銀成ですがそこで△7四角の両取りではなくて△6七歩成。▲同金には△6六歩と叩いてから△8七飛成(参考図)

             

で受けが利きません。後手陣は詰めろが▲4二金しかなく、それでは金を渡してしまうので詰めろが行きません。また△8六角から王手で▲2八飛を狙う筋もあるので後手勝ち。

よって実戦は△6七歩成に▲同玉でしたが△6六歩▲同玉△6五歩(下図)から寄せ切ることが出来ました。

                  

先手玉はすぐに必死というわけではありませんが、後手陣に詰めろを掛けるには▲4二金しかなく、金が入ったら詰むように寄せれば良いので難しくありません。

▲38分△34分を余す早い終局でした。

 

勝って1勝目。次は羽生二冠との対戦。前回の対戦が17年9月の銀河戦。その前が16年4月の棋聖戦本戦ですから、長い時間に亘って盤を挟むのは約4年振りということになりますか。ちょっと長すぎですね。対局は1月下旬です。

※今回から本譜手順を太字にしてみました。                

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コメント
 
 
 
おめでとうございます。 (phoenix)
2007-12-29 09:37:12
棋聖戦最終予選まずは1勝おめでとうございます。

いつもながら早い解説ありがとうございます。
次回の羽生二冠との対戦楽しみにしています。

竜王もおっしゃっておられるように羽生二冠との対戦が少ないので、来年はタイトル戦での戦いを期待しています。(最強同士の対戦は将棋ファンにとって最高の贈り物だと思います。)
 
 
 
Unknown (hiro)
2007-12-29 09:40:44
いや~長かった。やっと羽生さんと対戦ですね。
来年はもっとぶつかってほしいです。。
羽生さんが強いうち当たらないとあまり意味がないもので・・・
 
 
 
棋聖戦シード (KK)
2007-12-29 10:17:50
本戦成績
中原永世名人 7勝16敗(71~79期)
米長永世棋聖 3章 7敗(71~74期)
米長さんのように本人がどう判断するかの問題でしょうね。
 
 
 
Unknown (つやこ49)
2007-12-29 10:33:00
おめでとうございます!
次はいよいよ羽生さんと対局なんですね!
私は渡辺竜王対羽生二冠の対局が見たいために、将棋ファンを続けているようなものです。
ワクワク♪o(^o^o)(o^o^)oワクワク♪
顔晴ってくださいね^^
 
 
 
おめでとうございます! (tom-yan)
2007-12-29 11:04:52
いつもながらわかりやすい解説、ありがとうございました。次はいよいよ羽生2冠ですね。楽しみにしています。
よいお年をお迎え下さい。
 
 
 
終わり良ければすべてよし (lss)
2007-12-29 13:42:57
いよいよ羽生戦!
楽しみです。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2007-12-29 14:28:48
渡辺竜王と戦うと、半馬身差が三馬身差に感じてしまうんでしょう。
△6六歩なんて、ちょっと普通の棋士じゃ指せません。

次の羽生戦は将棋ファン注目の一戦ですね。
07年お疲れ様でした。
 
 
 
今年もお疲れさまでした (ぽんた)
2007-12-29 15:32:03
今年納めの対局に勝利、おめでとうございます。
羽生さんは絶好調モードのようですから、今から楽しみですね。
本譜手順太字の効果はPC環境によるのでしょうか、あまり違いがわかりませんでした。
それから竜王は「必死」派なのですね、「必至」が将棋用語らしいようにも思えます。
来年も益々ご活躍されますよう、ありがとうございました。
 
 
 
Unknown (radius)
2007-12-29 17:10:06
太字表記がとても分かり易いですね!

羽生二冠との対戦を楽しみにしています!
頑張ってください♪
 
 
 
本譜の太字わかりやすいです (鷹友)
2007-12-29 19:31:50
竜王、勝利おめでとうございます。次の羽生戦、とても注目しています。それと、本譜が太字になり、一瞬にしてわかりやすくなりました。とても、いいです。
 
 
 
今年最後の対局が (ssay)
2007-12-29 20:52:16
勝ててよかったですね。
今年は、思っていたより強かったボナンザとの対戦や自身初の5連敗など、いろいろありましたが、竜王戦は防衛できたし、銀河戦も優勝したし。
来年はもっともっと、羽生先生との対局が見たいです。
飛躍の年としましょう!!
 
 
 
棋聖戦 (spinoza05)
2007-12-29 20:52:42
おめでとうございます。何といっても次が楽しみでなりません。

51手目に▲7五歩としなければならないのであれば
すでに後手がうまくやっているのではないかと感じます。
というより,△8五飛とひとつ浮くのが機敏な手ですね。
 
 
 
来年が楽しみ (隠居のたわごと)
2007-12-29 21:30:44
本年の最終戦を勝利で締めくくり、
気分よくお正月を迎えられますネ。
今年の敗戦はよき麦踏(この言葉は今や死後か?)、
来年、一回り大きくなった竜王の戦いぶりが楽しみです。
しかも、1月にさっそく羽生2冠戦があるとは、
楽しみです!!
 
 
 
銀の割り打ち。 (林檎飴)
2007-12-29 22:30:14
>中盤戦なら△4二金右や△4三銀打で良いのですが、終盤戦でそれでは遅れを取ります。

ここ最近の自分の将棋で銀の割り打ちにどちらかの駒を逃げて結果的に手が遅れて負けにした将棋がいくつかあったので、目から鱗の指摘でした。終盤は駒の損得よりスピード、という基本の格言を忘れないようにします。

来年の棋聖戦対羽生二冠戦、大いに期待してます。また凄い将棋をみせてください。良いお年を。

ではでは
 
 
 
おめでとうございました (翔鶴)
2007-12-29 23:29:23
今年は山あり谷ありの1年でしたが、竜王戦防衛、年内最期の順位戦勝利、そして年内最期の対局である棋聖戦最終予選も勝利と良いお正月をお迎えになれますね。

渡辺竜王と羽生二冠との対局は恐らく現時点で将棋ファンがいちばん見たいと願っている組み合わせなので、これからどんどん増えるように期待しています。

来年の事を言うと鬼が笑うと言いますが、来年の竜王戦は羽生さんが挑戦者になって初代永世竜王を賭けてとなって欲しいと願っている将棋ファンは非常に多いのではないかと思います。

もちろん、その最強の挑戦者を下して渡辺竜王が5連覇を果たされ将棋界に世代交代を高らかに宣言する、というのが私の勝手な期待なのですが。

それはともかく、お正月はどうぞゆったりと疲れを癒されて来年もまた今年以上に活躍して下さる事を期待しています。本当にお疲れ様でした。
 
 
 
指がしなりましたかw (安達辰)
2007-12-30 02:58:57


さておき【詰めろが行きません。】とぃう表現は、普通なのでしょうか(^_^")? なんとなくハジメテ聞く表現のような気がして・・・
 
 
 
おめでとうございます! (こくりつさん)
2007-12-30 09:07:34
羽生二冠との対局、楽しみにしています。

それはそれとして、マリオカート、忘れずに持っていってください。
 
 
 
良いお年を (かなっぺ)
2007-12-30 09:47:10
3年ぶりの対戦ですか。相手は竜王を意識しすぎて簡単に
1歩得を許してしまったのでしょうね。
竜王はもうB1にいる人ではないのだから来年は上がらないと
他の人達の迷惑でしょう
 
 
 
今年もお疲れ様でした。 (石北住人)
2007-12-30 16:10:32
今年の竜王戦も楽しませてもらいました、
ありがとうございます。
来年もより飛躍されますことを祈念いたします。
 
 
 
まむしのと金 (パルレ モア ダムール)
2007-12-30 16:56:11
印象に残る棋聖戦の一戦と問われ、真っ先に思い浮かぶのが第40期
(1982年前期)の二上棋聖VS森八段の一局です。五番勝負の何局目であったかも忘れ、棋譜もほとんどおぼろなのですが、森八段の『と金』が二上棋聖を心身ともに苦しめた戦いだったと思います。タイトル戦でこの対局ほど『と金』の恐ろしさを示した対局内容は無かったかもしれませんね。この観戦記を担当したのが芹沢八段で、1譜当りの平均手数が3手程と少なく従って譜数は多かったのですが、対局者の心理面などが濃密に描かれていたと記憶しています。当時ほとんど毎日この観戦記見たさに図書館に通っていました。もう一度強く読んでみたい観戦記のひとつです。
 
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