一年間、ありがとうございました
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振り駒で先手になり△谷川九段のゴキゲン中飛車から▲5八金右急戦に。
図は終盤戦、ここで▲8三桂成が敗着で△3二飛と逃げられた手が先手玉への詰めろになってしまいました(先手玉が3四へ逃げられない)
△3二飛が詰めろということは▲8三桂成の瞬間も先手玉は危なかったわけで、それにすら気が付いていなかったので、負けるのも仕方がないかな、という感じです。こんなに詰む詰まないが読めていなくて勝てるわけがありません。
年内最後の対局を飾ることが出来ませんでしたが、棋聖戦最終予選は2敗失格制でまだチャンスがあるので1月の対局を頑張ります。竜王戦後に負けが混むのが例年のパターンになってしまっているのが情けない。
本日26日(金)は棋王戦挑戦者決定戦第1局久保八段-木村八段戦が行われます。棋王戦の挑戦者決定戦は変則2番勝負で、勝者組の木村八段は1勝1敗、敗者組の久保八段は2連勝で挑戦権獲得となります。
棋王戦中継サイトにて。
▲4六角と△4四角は一度交換して打ち合ったもの。▲9八香の瞬間に△4四角と打たれ角を合わせて穴熊に入る手もあったのですが▲7七桂と突っ張ってみました。すると、後手だけ穴熊に入ろうとして来たので、今度はこっちが▲4六角と打って▲6五銀を狙う展開に。
この▲7八銀▲9八香はたまに見られる形ですが、僕は初めて指したかもしれません。▲9八香がムダ手なので、良い形ではないとは思っていたのですが想像以上に薄い構えでげんなりしていました。
1図から▲6五銀と行きましたが△5三金▲7四銀△7二飛でたいしたことがありません。
△9九銀と放り込まれ、やはり▲9八香が悪手になりました。ここは▲同玉と▲7八玉の二択で、かなり難しい二択だと思い、39分考えましたが、間違えました。まだ時間はあったので、もっと考えるべきところでした。
正解は▲同玉で△7七桂成に▲8八銀と埋めれば大変な勝負でした。実戦は▲7八玉とよけてしまったために△6五金▲4四銀△5六金▲3三銀不成に△8六歩が決め手。
▲同銀は△8八飛▲7九玉△9八飛成で寄り。▲同歩は△7七桂成▲同玉△8九飛で▲8六歩が邪魔で上部に逃げられない(これが△8六歩の効果)
以下、久保八段が明快な手を逃したので両者1分将棋まで行きましたが、チャンスはありませんでした。終局は日付が変わって0時32分。
負けて4勝5敗に。昨年と同じく降級の心配をしながら年を越さなくてはいけません。年明けからの3局、踏ん張りたいところです。
勝つことができて嬉しいです。3連敗した時はかなり厳しいと感じていたので、4連勝は自分でも信じられません。棋譜は竜王戦中継サイトにて。
振り駒で後手になり、第6局に続いて急戦策。
2日目に入って、ほぼ読み筋通りに進みましたが55手目▲6三歩成~59手目▲5二香成と踏み込まれるのを軽視していました。ここで悪くなったと感じました。
羽生名人が63手目▲2三歩を長考している時間は▲2三歩と▲5二金のどちらでも悪そうなので、さすがにまずいのではないか、と思っていました。
88手目△8七角と王手竜取りがかかっては逆転かと思いましたが95手目▲6六角があまりにもピッタリの手でまた逆転。ここから1分将棋で、祈るような気持ちで指していました。
109手目▲5五玉の局面で110手目△4四銀打から馬を抜く手が見えて、雰囲気は勝ちになったような気がしました。
126手目△1四歩は他の手が分からなかったので突きましたが、128手目△2五歩が思ったよりも受けにくく、厳しい攻めだったのは幸運でした。この辺りで、飛を抜いて自玉が詰まないのを確認して勝ったと思いました。
終わって、すごい勢いで報道陣が入ってきて、インタビューが始まり、勝ったことを実感しました。夢ではないか、現実であって欲しい、と思ったりもしました。
永世竜王はすぐに名乗るわけではないので実感はありませんが、嬉しいです。一息付きたいところですが22日順位戦、25日棋聖戦と対局があるので、もう一頑張りして年末年始はゆっくりします。
シリーズ中は多くの方に応援、激励を頂きました。本当にありがとうございました。