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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

在日ロシア連邦大使館 流し網漁禁止にかかる上院議長マトヴィエンコの説明

2015-06-28 08:35:08 | 日記
2015年06月26日
在日ロシア連邦大使館 認証済アカウント @RusEmbassyJ
[在日ロシア連邦大使館 流し網漁禁止にかかる上院議長マトヴィエンコの説明]
ロシアの排他的経済水域での流し網漁が禁止されるといったテーマについて話します。日本のマスコミで、残念ながら、あまり反映されなかったロシアの上院議長の説明を紹介します。これはとても分かりやすいものでありながら、はっきりしたロシアの立場も伝えていると思います。
(1)流し網漁禁止法の目的はロシア経済の安全性維持と沿岸地域の社会経済状況の改善です。数十年にわたってロシアの排他的経済水域で行われているサケ・マス流し網漁は、世界の海洋生物資源に甚大なダメージを与えています。
(2)このような野蛮な漁法(流し網漁)がサケ・マスの資源量に破局的な影響を及ぼし、とりわけオジョールナヤ川のベニザケといった非常に貴重な種の資源量が消滅しかけています。
(3)極東の沿岸漁業ではサケ・マスの漁獲高が大幅に減少しており、2011年に50万4000トンだったものが、2014年には33万トンになっています。これは特にカムチャッカで顕著であり、同地域の漁獲高はほぼ半減しました。
(4)これにより沿岸地域の社会経済状況は悪化し、失業率が上昇し、地方の税収が減少しました。このほか、流し網漁は海洋の生物多様性に取りかえしのつかない明らかなダメージを与えています。
(5)毎年、10万羽以上の海鳥、数百頭の海洋哺乳類、稀少なクジラなどが流し網にかかって命を落としています。
(6)1991年の国連総会では、各国に流し網漁のモラトリアムを勧告する決議が採択されています。これを受け、ロシア、アメリカ、カナダを除く全ての国が、公海と排他的経済水域での流し網漁を禁止しました。
(7)ただし、アメリカとカナダの流し網漁は厳しく規制されており、全長500m以内の短い網を使って行われる点がロシアとは異なります。ロシアでは、各船舶が全長32km以上の流し網を配列にして入れています。
(8)さらに、ロシアはただ流し網漁を行うだけではなく、外国にも同様の方法による漁を認めている唯一の国です。
(9)これまで流し網漁を行ってきた船の船主が、船舶の艤装替えをできるよう、流し網漁禁止の決定が発効するのは2016年1月1日になっています。
(10)禁止条項はロシア船だけでなく、外国船にも関係します。2014年にロシアの排他的経済水域でタイヘイヨウサケ属の流し網漁を行った船舶は、ロシア船が16隻、日本船が35隻でした。
(11)流し網漁禁止法は決して日本に向けられたものではありません。私たちは流し網漁という有害で危険な漁法を原則として禁止しているのです。ロシアは日本のパートナーと協力関係を発展させていきたいと考えています。
(12)日本の漁船にロシアの排他的経済水域での操業を認める1985年の協定は有効なままであり、破棄されることはありません。
(13)ただ日本側にも、国際的な要求にしたがって、魚類資源量に悪影響を与えず、海洋生態系を損なうことのない文明的な方法で漁を行っていただかなくてはなりません。
流し網漁禁止法に関するロシアのV.マトヴィエンコ上院議長の演説とインタビューより
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